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マーケティング NEW2021年9月 1日

口コミで話題を集める「バズマーケティング」戦略(前編) SNSを使って効果を高める

話題が人から人へ伝達されることで、対象物が認知、注目される「口コミ」。昔からあり、その影響力は無視できないほど大きいが、近年ではSNSの登場・普及により、影響力がさらに増大している。この「口コミ」(英語ではバズ)を使うマーケティング手法が「バズマーケティング」である。現在、バズマーケティングとして様々なキャンペーンがSNSなどを使って行われている。その実例を見ていこう。


インパクトある企画で話題になる

 インパクトの大きい企画は消費者に驚きを与え、話題になりやすい。また、ツッコミを入れたくなるような奇抜な内容だと、さらに話題にされやすい。それを狙った企画が行われている。

■店の近くに引っ越そう!
 アメリカを中心に展開するハンバーガーチェーンがフランスに進出した。地元の人に好評だが、まだまだ店舗は少ない。そこで、「家の近くに店がないなら、店の近くに引っ越そう」というキャンペーンを行った。引っ越しの費用はこの会社が負担。同社のFacebookのページで募集して、選考で選ばれた人が店の近くに引っ越せる。誰が応募するのか、引っ越し先での暮らしはどうなるのかといった疑問も湧くが、多くの人の話題となり大きな宣伝効果があった。

■ケータイ料金、一生タダ
 日本では、ある携帯電話会社が「ケータイ代一生分無料キャンペーン」を実施した。一生分の携帯電話料金に相当する商品券(518万8,000円)を1名に、1,000円分商品券を1,000名にプレゼントするという企画で、「一生無料」という文句が人々の目を引いた。一生分が"無料"になるのはたった1人だが、かなりのインパクトがあり、15万名以上の応募があった。

■豪華な通勤をプレゼント
 爽やかさを売りにする、ミント風味の清涼菓子を製造販売する会社は、Twitterで新発売の商品名をつぶやいただけで、「さわやかすぎる通勤」が当たるキャンペーンを行った。当選者は出勤時、自宅にリムジンが迎えに行き、車内で朝食を採りながら会社へ向かう。車中ではバイオリニストの生演奏が聴けて、爽快な出社を堪能できる。同商品についてのツイートが増えたと共に、ポジティブなコメントの比率が15%も増加し、新商品の告知に役立った。

ファンの心理を掻き立てる

 不特定多数を広く相手にする販促とは逆に、特定のファン層をターゲットにすることもマーケティングには重要な手法である。バズマーケティングにもそれは当てはまる。

■発売前のiPhoneをプレゼント
 アップル社のファンは世界中にいて、iPhoneの新機種が発表されると発売を心待ちにする人が数多くいる。ポーランドの携帯電話会社は、そこに目をつけた。iPhoneの新機種は毎回アメリカで発表・発売され、ポーランド国内で発売されるのはそれから約1週間後。ポーランドのアップルファンはその間、首を長くして発売を待つことになる。そこで、同社は発売に合せて社員をアメリカに派遣し、iPhoneの新機種を入手。すぐさまポーランドに持ち帰り1名にプレゼントすることにした。
 応募方法は、面白動画の投稿で、募集期間は12時間。告知はFacebookのページで行い、動画はメッセンジャーで受け付けた。その結果、6万5,000人にリーチし、2,000人が動画を投稿した。キャンペーンの特設サイトをつくらずにFacebookを使ったため、費用を抑えて、話題を盛り上げることができた。

■アイスクリーム復活選挙
 高級アイスクリーム・ブランドは、女性を中心にファンが多い。その顧客層に向けて「あのフレーバーをもう一度!フレーバー復活総選挙」という企画が行われた。過去に発売されたが現在は生産していないフレーバーで、復活させたいものに投票するというもので、SNSで受け付けた。投票は1人1日1回に制限した。1位に投票した人の中から抽選で1,000名に、復活したそのフレーバーをプレゼントされた。
 投票に際し、顧客はかつて食べたフレーバーの味を思い出してまた食べたいと思う。SNSで話題が拡散しただけでなく、五感に働きかけるキャンペーンでもあった。投票数は16万票を超えた。

■回し読み専用コミック
 あえてSNSに頼らないで行われて注目された企画もある。  日本の大手出版社が、マンガ雑誌に連載している2作品のテレビアニメ化と単行本の売り上げ5,000万部突破を記念して、回し読みリレー企画「旅するコミック」を実施した。コミックは未公開の物語と、作品の舞台である弘前の方言の特別バージョンで、各100冊用意した。このコミックは書店で販売せず、4月7日より6月20日までの期間中、友人、知人、家族、同僚などへ、人から人へ手渡しされて読まれた。それと共に話題も広がって行った。


 バズマーケティングの手法を使った実例は他にもある。だが、実施にあたって注意しなければならないこともある。(後編へ続く

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