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マーケティング NEW2021年9月15日

口コミで話題を集める「バズマーケティング 」戦略(後編) 意外な形で話題を盛り上げる

 「口コミ」(英語ではバズ)を使って商品・サービスの認知、注目を図るバズマーケティング。SNSの利用でその影響力が増大するとともに、盛り上げ方も進化している。その事例を紹介し、類似手法と注意点を考える。前編はこちら



おもしろ系で話題を作る

 顧客の趣味に合うことや意外なことで、人々の関心を誘い話題を呼び、販促に役立つことがある。

■ユニークなおまけが話題に
 アメリカのコンビニ・チェーンはシャーベット飲料の発売開始に際して、特製ストローをおまけにつけた。ストローの飲み口の少し下に、黒いヒゲの形をしたプラスチックが付いていて、これで飲むと立派なヒゲが生えているように見えるというもの。ジュースを飲むだけでヒゲの変装ができると、若い女性を中心に人気となり、自撮り(セルフィー)をしてInstagramやTwitterなどSNSに投稿する人が続出。"ひげ付セルフィー"と話題になり、150万件のインプレッションを獲得した。
 商品のターゲットがセルフィーで遊ぶ若い世代だったため、投稿ネタを提供することで人気に火がついたと考えられる。

■超難解ゲーム
 プレゼントキャンペーンでよく行われるクイズやゲームはいつも簡単なもの。だが、日本の缶飲料メーカーが新しい缶コーヒーの発売キャンペーンで実施したネットゲームは超難解なものだった。ゲームは、サイトにあるオフィスの各階で出される課題に挑戦して頂点を目指すという設定。
 「1F」は係長のキャラクターが繰り出す「礼」「名刺」「電話」「土下座」のビジネスマナーの順番を覚えて、そのとおりにボタンをクリックする。「2F」は、ひらがな3文字か4文字のしりとり。表示されるのは絵とその言葉の頭文字だけ。4点出題され、絵が表す言葉を考えて、しりとりの順番にクリックする。思った以上に時間がかかって難しい。
 その後も難問が続き、最上階の「6F」では四方の壁と天井、床の6面に書かれた漢字の中から、一つだけ、よく似ているが違う漢字を見つける問題。これも苦戦する。このような難問をクリアすると、ラスベガス旅行などが当たる。
 ゲームに必要な"エネルギー"は、新発売の缶コーヒーの本数で画面に表示される。始めた時は5本あり、各フロアをクリアしてもクリアできなくてもやり直す時も1本消費される。ただ、FacebookかTwitterのアカウントでログインして、各フロアのクリアごとにその旨をSNSに投稿すると1本追加される。SNS上の友達がプレイしている場合、お互いに"缶コーヒー"送り合うこともできる。
 なかなかクリアできない難しさが話題となり、さらにSNS利用も手伝って人気を博し、第2弾も行われた。

■フタを開けた時の楽しさを演出
 アイスクリームのカップを開けると表面は、フタについていた部分が盛り上がり、ついていなかった部分は凹んでいる。その凹んだ部分がハートのような形になっていることがある。高級アイスのメーカーはその面白さに目をつけた。
 特設サイトで、凹みの形に応じて、クリアハート、スマイルハート、涙ハートなどとネーミングして、フタを開けたアイスの写真を紹介。それぞれに「心満たされる穏やかな日々が過ごせそうな予感」「思わず笑顔になる素敵な出来事が訪れるかも」「心揺れる出来事がやってくるかも」と占いのようなコメントをつけた。そして、お客さんからアイスのカップを開けた写真をSNSで募集。その中からハート型に近いクリアハートや、クリアではないが新しい形のハートを認定して紹介している。
 他愛のない企画だが、カップのフタを開けた時の楽しみを演出し、人気となっている。

友達を巻き込む

 商品そのものをプレゼントすることで注目を集めた会社もある。
 革新的な掃除機のメーカーが新製品のPRのために、レビューのキャンペーンを行なった。抽選で選ばれた希望者にその新製品を送り、友達5人に掃除機をリレーしてレビューを書いてもらう。全員がレビューを書くことができたら、試用した掃除機がプレゼントされる。当選して掃除機を受け取った人がFacebookに書いたことでも話題が広がった。

スパムと間違われないように

 以上のようなバズマーケティングと同様、口コミを使うマーケティング手法でバイラルマーケティングというものがある。バイラルとは英語で「ウイルスの」という形容詞で、ウイルス感染が広がるように、人から人へ話題を広げることで販促を行う。通販サイトで、購入者が友達に商品紹介ページのURLをメールで送ることができたり、紹介した人と紹介された人の両方にギフト券をもらえたりするのが、バイラルマーケティングの具体例だ。これも成功例があり、効果的な方法である。
 しかし、無関係の第三者を装って宣伝をするステルスマーケティング(ステマ)や、迷惑メールに間違われる恐れもある。かつてアメリカで大型家具店が、新規オープンのPRメールを10人に出した人は75ドル割引くというキャンペーンを行ったところ、知らない人にも紹介メールを送る人が続出し、迷惑メールと間違われたことがあった。口コミを利用する場合、ステマや迷惑メールに誤解されないよう注意することが必要だ。

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