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マーケティング NEW2022年7月 6日

環境にやさしいプロモーション 「パッケージ」や「容器」のムダなし活用で話題の事例5選

企業や店舗のプロモーションには、TV、新聞、ダイレクトメール、チラシ、屋外広告、Web広告などさまざまな手段がありますが、商品のパッケージや容器などをプロモーションの媒体として活用する事例が増えています。通常なら本来の役目を終えれば捨てられてしまうものたちに新たな活用法を見出すことで、環境にやさしく、消費者の目にも留まりやすいため高い効果が期待できます。今回は、そんなパッケージや容器を活用したプロモーションで話題になった国内外の事例を5つご紹介します。

捨てるのはもったいない 役に立つパッケージ

■スマホで写せばARゲーム
 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、多くの人がテイクアウトやデリバリーを利用するようになった。アメリカのデリバリーのピザチェーンではそんな状況でも楽しんでもらおうと、世界中で愛されたゲームがプレーできるボックスでデリバリーした。
 プレーするためには、ピザボックス側面のQRコードをスマートフォンで読み取って専用サイトにアクセス。カメラを起動して、ピザボックスの上面を写すと、ディスプレイの中でゲームのステージが3Dとなって浮かび上がり、そのままプレーできる。
 また、このゲームのスコアにハッシュタグを付けてTwitterへ投稿すると、オリジナルデザインの3/4サイズのアーケードゲーム機などが当たるキャンペーンも開催された。

■今年の目標を記したデザイン缶
 2021年1月、イギリスで清涼飲料水メーカーが、新年の抱負や目標を書き込む限定デザイン缶を発売した。購入は特設サイトからでき、「〇〇は得意ではないけれど、頑張ってみる」「〇〇を当たり前だと思わない」といった定型文を選択して、〇〇の部分に目標を入力する。中身のジュースは通常のもの、カロリーゼロなど3種類から選べる。
 長引くコロナ禍の中、決意を新たに努力する人を応援する企画として人気になった。

普段は目立たない容器・緩衝材を活用したPR

■弁当のしょうゆ魚で除菌液を配布
 新型コロナウイルスの世界的な流行で、除菌グッズが品薄になった。除菌液自体は在庫があっても、容器不足で消費者に行き届かない事態も。
 そこで日本の除菌液メーカーは弁当によく入っている魚型の醤油さしに着目した。外出自粛やイベントのキャンセルによって弁当の注文が大きく減少し、醤油さしも在庫が余っていた。同社はこれに除菌液を充填し、デリバリーやテイクアウト業態の飲食店へ無償提供した。醤油さしの量は1回の手の消毒にちょうどいい量で、多くの人に喜ばれることになった。

■通販商品の緩衝材の中に香水
 通販の購入者に届けられる商品。そのダンボールに入っている緩衝材はかさばるから、潰して中の空気を出して捨てられる。アメリカの日用品メーカーがそこに注目して、2019年に同社の香水で香りをつけた空気を入れた緩衝材を作り、通販購入者への送付に使った。彼らが捨てようとして握りつぶすと、部屋の中に香りが漂う。スマートフォンでスキャンできるQRコードを印刷し、気に入ったらすぐにネットで購入できるようにした。その結果、この香水は在庫の83%が売れるほどの大ヒットとなった。商品サンプルは消費者が受け取り、使用しなければ意味がない。緩衝材を使ったサンプルはそれをクリアできたのである。

CO₂排出量をパッケージに記載

 原材料に乳製品を一切使用していないアメリカのアイスクリームブランドは、パッケージにCO₂排出量を表示している。同社のアイスクリーム1パイント(約570ml)を作るのに排出されたCO₂は0.76kgCO₂e※。乳製品を原材料とするアイスと比較すると34%少ない。乳牛の飼育過程で多くのCO₂が排出されるが、乳製品を使わない同社のアイスはCO₂の排出が少ないことがパッケージからわかる。このようなパッケージを採用することで、SDGsに関心の高い消費者の声に応えようとしている。

※CO₂e(CO₂ equivalent):いろいろな種類・質量の温室効果ガスについて、温暖化への影響の大きさを統一的に表す尺度のこと。

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