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マーケティング NEW2022年12月 2日

ユーザーと企業が繋がって作り上げるコミュニティ 企業が成長するための原動力となるコミュニティマーケティングについて

コミュニティマーケティングがもたらすものとは?

 人が集うコミュニケーションは、今の時代となってはオンラインが中心であり、オフラインによるコミュニケーションはより貴重で特別なものになりつつあります。そもそも旧来から意味する「コミュニティ」は、ご近所付き合いから地域の集いなど、主にエリアが制限されるものでした。それが、インターネットが登場してからは、エリアの制限も無くなり、共通の興味や関心によりオンライン上で形成されるようになりました。その点、かつてはコミュニティに関わる意味が"所属"だったのに対し、今では"参加"となり、受動的なものから能動的なものに大きく変化したと言えるかもしれません。
 その時代の変化を受けて、昨今のコミュニティには必ず明確な「目的」があり、参加する人それぞれにメリットが享受できる「仕組み」があります。その背景には、多様化する社会やライフスタイルが影響しており、興味・関心が細分化されたことでより近い者同士が集まりやすく成立するようになりました。むしろ、マスマーケティングのような大衆相手を一括りにするほうが、今となっては困難なのかもしれません。
 このような興味・関心が共通している者を見込み客としてみなし、コミュニケーションを通じて何らかの購買や参加等に引き込んでいく手法をコミュニティマーケティングといいます。入り口としてはオンラインによるSNSを活用されるケースが多く、殆どの場合は事前の認証がありますが基本はオープンに運営されています。メリットとして、一般的なSNSが使用できるので費用をかけることなくすぐに始められます。BtoCであれば圧倒的にX(旧Twitter)、動画配信が絡む場合はYouTubeや各種ライブ対応しているもの、ゲーマーが多くボイスチャットにも対応しているDiscordなどがあります。一方、BtoBであればFacebookページや、テクノロジー系が多いSlack、パートナーづくりに最適なcommmune(有償)などがあります。
 コミュニティを構築するにあたって、BtoCとBtoBではコミュニティの位置づけが少し異なります。例えばBtoCでは、主に関連テーマのファンを集めるためにコミュニティが作られる場合が多いです。料理やファッション、趣味とかインテリアとか、ブランディングがまだ十分でなくこれからブランドを「認知」してもらう方法としてカテゴリから入ったコミュニティ構築が有効です。一方、BtoBでは、製品やサービスをより深く知りたいコアなファンが中心となってコミュニティが作られる場合が多いです。ブランドとしては既に「認知」されており、より継続的に使っていただくためのファンを醸成させるための施策として有効です。
 いずれにしても、コミュニティマーケティングにおいては、情報発信などのコンテンツ投稿や課題解決してもらえるような双方向性が維持できる取り組みが不可欠であることは言うまでもありません。その上で、仮にコミュニティが運営の手から離れていても、ユーザー主体で意見交換やイベント企画が進むことで勝手に盛り上がる「自走」するコミュニティ作りが最終的な理想となります。

具体的な運営方法など

 まずは、オンライン上でコミュニティを立ち上げるためのツール選定からになります。これはコミュニケーションの種類により、合ったツールを選定しないといけません。ユーザー側の具体的な行動として、双方向性のフォローなのか、つながりに不可欠なハッシュタグ利用を有効とするのか、スピーディーなチャット形式が必要なのかなどを想定します。
 その上で、初動として注意したいのがメンバー選定です。商品・サービスのコアファンやヘビーユーザーであったり、興味・関心における世界観に共感してくれるメンバーなどが良いでしょう。そうとはいえ、細かな趣向や意見の違いなどもあるので、初動メンバーの人数はあまり多すぎない方がいいのかもしれません。
 また、コミュニティ運営においてはコミュニティマネジャーを決め、コミュニティを安全な場として管理しないといけません。コミュニティで大事なことは、自由な意思で参加ができ、居心地の良い空間が提供されていることです。その中で、誰もがいつでも発言でき、積極的にコミュニケーションがとりたくなるような場を維持します。そのためにもコミュニティにおけるガイドラインを策定し、禁止事項なども明確にしておきます。
 それと一番気をつけたいのが、コメント返信です。参加者が発言したことに対し、何の返信も無ければコミュニティは活性化しません。そのためにも、コアメンバーがスピーディーに返信し、参加者のモチベーションが下がらないようにします。かつ、単に回答に終わらず、他の人も引き込みながら会話が続けられるような発信内容を心掛けることも大事でしょう。
 コミュニティの熱量が下がらないように持続するために、時にはオフラインの場を提供したり、象徴となるシンボルやキャラクター、オリジナルグッズを制作するなどの工夫をします。単調にならず、あらゆる方法で相手と向き合うことが求められます。

事例から見るコミュニティマーケティング

 いくつか事例を見ていきますが、主にBtoCで展開するとある通信事業者では、他社との価格競争に巻き込まれないように常にユーザーの「声」を吸い上げられるようにアイデア募集をしています。ユーザーとの双方向コミュニケーションを行ない、コミュニティの存在が解約率を下げ、紹介率を上げる工夫となっているようです。
 他にも、生活雑貨・食品などを多店舗展開で取り扱う企業では、ユーザーとの間にモノづくりのためのコミュニティがあります。ユーザーであるファンが参加できる商品開発を実現し、中にはヒット商品も発出できているとのこと。また、既に販売している商品の改良や再販などの要望を受けるためのコミュニティも存在し、ブランド力の強化に繋がっているようです。
 一方、BtoBで展開するクラウドサーバー等を提供する企業が運営するコミュニティでは、初動メンバーは数十名程度でスタートするも、いまでは1万人以上の参加者がいるとのこと。情報収集がしやすいだけでなく、年間約300回も開催されるミートアップがあり、このコミュニティから次世代のサービスやテクノロジーなども誕生しているようです。
 また、とあるクラウドサービスが展開するコミュニティでは、ハウツーや技術情報の共有ではなく、ユーザー同士を繋げ人脈が広がるように設計されているとのこと。これはユーザーの本質的な目的を具体化したものであり、サービス利用の活性化にも繋がっているようです。


 ビジネスでのコミュニティ構築においては、時間がかかり、成果が計測しにくいデメリットなどもあります。ただ、ブランディング観点で自社を認知してもらい、ファンに醸成していく過程において、ユーザーの"声"ほどビジネスに有益なものはありません。周囲からの意見を受けながらオープンに成長を目指す企業にとっては、この"声"が直接聞ける仕組みづくりに取り組んでおけば、それはやがて会社の財産とも言える存在になることでしょう。

(株式会社フジプラス)

まとめ

■コミュニティマーケティングは、オンラインを軸にユーザーとの双方向なコミュニケーション環境を共に作り上げていく取り組みである。
■運営のための手順として、ツールの選定、初動メンバーの選定、コミュニティマネジャーの擁立、ガイドラインの策定などがある。
■常に相手と向き合い"声"が直接聞ける仕組みとして機能させるための運営が必要である。

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