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DXプロジェクトを例に考える メンバー全員で成功させるためのプロジェクトマネジメントとは
改めて考える「プロジェクト」とは?
皆さんの社内では、「プロジェクト」をどのように進行し、管理されていますでしょうか?基本的に、プロジェクトは期限を区切り、ゴール(達成すべき目的)を明確にしておく必要があります。でも中には、期限の無い、ゴールが明確でないものもあるかもしれません。それは例えば、これまでに社内では経験の無い取り組みであったり、それこそ世の中には存在しない新しいモノやコトへの取り組みだと、期限やゴールを設定することが難しいのかもしれません。ただ、期限やゴールが無いと、プロジェクトのコントロールができず失敗に終わってしまうことがあります。
しかし何故、プロジェクトは社内に存在し、必要とされているのでしょうか?それは、本来の業務を行なうための組織とは別に、特定の部門には限らない(あるいは判断が難しい)ような大きな目的がある場合、その目的を達成するために適任と思われるメンバーを部門横断して招集する必要があるからです。もし、部門を横断していないプロジェクトがあるのなら、あまり会社全体を俯瞰した大きな内容ではない、単なる「タスク」レベルなのかもしれません。
ここで「プロジェクト」と「タスク」の違いを確認するならば、「プロジェクト」には複数の「タスク」が存在するように、大きさが異なります。プロジェクトを確実に進行させ、完了させるために、1つ1つのタスクに細分化し、それをプロジェクトに参画するメンバー全員が確実にこなすことでプロジェクトは進行します。
これはあくまで経験からですが、プロジェクトの初動は人数が少なめのほうが進行がスムーズです。役割が重なっていたり、タスクを割り当てられることなく参加するメンバーがいたりすると、士気が上がらず、スピードが低下します。あと、タスクで止まってしまうことがあれば、メンバー全員で助言なり補助なりをしてあげることも必要でしょう。
共通認識として持っておきたい「プロジェクトマネジメント」
ここからの話は、プロジェクトリーダーだけでなく、プロジェクトに取り組むメンバーにとってぜひ共通認識として持っていただきたい、プロジェクト推進における「プロジェクトマネジメント」についてです。プロジェクトマネジメントとは、プロジェクト自身をどのように進めるかの計画を立て、プロジェクトの目的を達成できるように調整していく作業をいいます。そのため、目的を達成するための "プロジェクトの成功" が何かをしっかり定義しないといけません。そして成功のためのシナリオをしっかりと描き、どういう道筋や手順であればいいかを想定し、メンバーに常に共有しておくことが重要です。
プロジェクトマネジメントの要点を理解しておけば、プロジェクトの成功率がグンと上がります。例えば、ゴール(達成すべき目的)が不明確で、一人でも同じ方向に向いていなければ失敗するかもしれません。あと、ゴールの設定が遠すぎると、途中で迷走しゴールを見失うこともあります。よって、適切なゴール設定が大事なのです。
また、適切なプロジェクト管理ツールを使うといいでしょう。以前はExcel等の表計算ソフトを使って管理することが主流でしたが、いまはプロジェクトや関連タスクの設定、期限決め、タスクごとの責任者設定、関連する通知機能等、便利な機能を持ったクラウドサービスが様々あります。単に、自分のタスクだけを見るのではなく、周囲がどんな動きをしているか、行動に困っていて止まっていないかを可視化することで、タスクにおける手詰まりを解消しやすくなります。
他にも、プロジェクトマネジメントに欠かせないのがドキュメント等での内容管理です。会議などで議論した事、自分自身が行動(アクション)した事、みんなで決めた事など、簡潔に分かりやすい内容で残しておく必要があります。プロジェクトの場合、実務から離れた内容であることが多いため、内容があやふやにならないように工夫しましょう。
あとは上記を踏まえ、予算管理と品質管理をしつつ、ステークホルダーの理解を得ながらプロジェクトを進めていくのがプロジェクトマネジメントであることをメンバー全員が理解しておきましょう。
大胆かつ繊細なDXプロジェクトの例
例として、最近多いと思われる社内のDXプロジェクトについて考えてみたいと思います。いま、社内DXなどでビジネスを変革していこうという動きが本格化しています。ただ、DXの場合「具体的に何をしていけばいいのか?」と、そもそものゴール設定が難しいこともあります。単にデジタルツールを導入~活用するのは、正確にはDXではなく、意味合いも異なってきます。
DXの場合だと、既成概念における大きな課題に対し、どのようなアプローチ(すなわち解決するためのタスク)でゴールを目指すのかという動きになります。この"既成概念における大きな課題"とは何か?例えば、自社のビジネスや取り組みに対し「世の中の動きと比較してどうか?」、はたまた「大手企業や競合他社と比較してどうか?」とこのようなこびりついた常識とか既成概念に気づくところからがスタートになります。DXでは "自社をどのように変革するのか?" という目的設定が非常に難しいところです。
次に難しいのは、経営層への説得や社内の理解です。経営層にとっては「自社の新たなビジネス創出になるかどうか?」「取り組むことで収益が見込めるのか?」が判断基準となります。DXはすぐさま結果の出る取り組みではなく、あぶり出した状況に対し "何に取り組むか?" となるため時間のかかる作業となります。そのためにも、具体的な取り組みとしては、本質を突きつつも、無理のないシンプルなものからがいいでしょう。
なお、DXではITツールの選定・導入が不可欠になりますが、①目的(課題解決)と合致しているツールであること、②利用にあたっては簡易で手間がかからないこと、③将来的な安定性と連携機能等の拡張性があること、などが選定基準として大事です。
このように、DXプロジェクトの例に限らないことですが、プロジェクトを運用するためにはその分野におけるリテラシー(知識や能力を活用できる力)が求められます。そのため、プロジェクトを成功させるためのメンバー選定はとても重要ですし、仮にめぼしい人員がいない場合はリスキリング(技術革新やビジネスモデルの変化に対応するために、新しい知識やスキルを学ぶこと)が必要になってきます。すなわち、プロジェクトをメンバーで運営するにも、プロジェクトで知見を共有するにも、日頃からの「学び」を無くしては成功できないのです。
(株式会社フジプラス)
まとめ
■プロジェクトは、従来の枠組みを超えた取り組みであり、大きな課題に対しゴールを明確にして活動することである。
■「何をもって成功なのか?」「どうすれば成功できるか?」をメンバー全員が考えるためにはプロジェクトマネジメントを理解しておくとよい。
■DXなどのプロジェクト推進においては、取り組む分野におけるリテラシーが求められ、人材育成にはリスキリングが必要になってくる。
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