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業務改善から業務変革へ BPM視点で見直す業務マニュアルによる可視化とDXの必要性
BPMと業務マニュアルによる可視化
多くの企業において、様々な業務におけるプロセスが存在しています。このプロセスは、機械的に行えることもあるものの、人力でしか行えないことも数多いのではないでしょうか。機械の場合には仕様書や説明書が存在しますが、人力の場合は業務マニュアルが無いとその人や業務に精通した人でなければすぐに属人化します。そして、その人ありきの仕事のやり方はいつまでも特定社員のスキルに依存するため、やがて組織としてのリスクに変わります。
また、最近ではビジネスプロセスも多様化し、継続的な見直しを迫られています。このような取り組みはBPM(Business Process Management)と呼ばれ、業務プロセスを整理・分析し、標準化することで業務の効率化、生産性の向上を果たす取り組みとされています。BPMでは、まず業務全体の可視化をしますが、どの業務も様々な業務プロセスが絡み合って構成されているため一筋縄ではいきません。しかしながら、まずは可視化し全体像を把握しなければ、問題点の把握や改善といった次のアクションに繋げることができません。業務の可視化を行い、現状の業務プロセスの流れ、それぞれにかかる工数や人数といった事を認識するところから始まります。
そのためにも、まずは全ての業務においてマニュアルを用意する必要があります。しかし、仮に業務マニュアルが用意されていたとしても、マニュアルとして機能していない事もありがちです。例えば、その人が見ないと分からないようなマニュアル、全体像がよく分からないマニュアル、用語が分からないマニュアル、手順が変わり更新されていないマニュアル、そうならないような運用が求められます。
業務マニュアルの作り方
では、BPMを踏まえたうえで、どのように業務マニュアルを作成すればよいのでしょうか。最初にすべき事としては、業務の棚卸しです。実際に誰がどのような業務を行なっており、それが単体の作業なのか他にも連動する作業なのか。項目を洗い出して、KJ法などを用いて業務カテゴリとして分けるのも手っ取り早いです。カテゴリ分けをする際、どの業務にも共通して発生するような作業があるかもしれません。その場合は、共通作業などのカテゴリを作っておくとよいでしょう。
業務カテゴリごとに分けると、その中で作業手順があると思います。作業手順については、フロー図を使ってどのような流れで進めるべきかを整理しましょう。そうすることでその業務の全体像が把握できます。このように整理が進むと、余計な業務や不要な手順が見えてくる場合もあります。業務にかかる無駄を省き、人的工数の削減にもつながります。また逆に、作業を行ううえで判断業務のような難しいものがあれば、具体的にどうすればよいかを詳細に記入する必要性も見えてきます。
業務マニュアルにおいて他に課題となる点としては、①用語の説明がないと分からない、②用語の表記が統一されていない、③業務によって手順やルールが異なっている、④業務マニュアルごとに体裁やまとめ方が異なり理解しにくい、⑤業務マニュアルの内容そのものが異なっている、などです。これらも整理すると見えてくる不都合であり、進めながらでも方針を決めながら注意したい点になります。
業務マニュアルの継続的な運用方法
業務マニュアルが整理され全体の可視化ができたとしても、BPM視点だと継続して維持・運用ができなければなりません。BPMでは、業務プロセスのPDCAサイクルを回して業務の成果を上げることを目指します。しかしながら、そういった仕組みが無く難しい場合はどうすればよいでしょうか。
まずひとつは、担当者が異動や退職される際に、どれだけ確実に業務マニュアルをメンテナンスし、次担当者に引き継ぎができるかでしょう。そのためにも、業務マニュアルは誰もが把握している所定の場所にデータで保存されていることが重要です。あと可能であれば、Microsoft Office OnlineやGoogle Workspaceのように、Word(ドキュメント)、Excel(スプレッドシート)、PowerPoint(スライド)といった機能が含まれているクラウドツールを使えば、ブラウザ上でいつでもどこでも素早く共有しながら更新ができるようになります。あるいは、マニュアルを作成・管理するためのクラウドサービスも複数存在します。マニュアル運用における負担も一気に減ることでしょう。
他にも、業務マニュアルには業務品質の均一化といった目的もあるはずです。業務マニュアルを見直すタイミングとしては、ミスやトラブルが起きた時です。本当に業務マニュアルが機能していたかどうかを徹底的に調査することになりますが、想定外の事があったり、判断が難しい事であったり、そもそも業務マニュアルを確認しながらだと作業そのものが困難であったり、業務マニュアルだけ因らない課題が浮き彫りになることもあります。この場合、業務マニュアルの更新だけでなく使い方も考えないといけませんし、改めてその作業自身を機械的なものに置き換えられないかといった検討にも関わってきます。
DXの必要性と業務変革
業務マニュアルで業務が可視化されても改善しない場合、改めてプロセス全体から業務そのものを見直す必要があるかもしれません。そもそも、殆どの場合は過去の業務慣習を引き継ぎ整理されただけであり、その業務の中にどれだけデジタルの恩恵を生かしきれているでしょうか。DXにはデジタル技術で進化させていくという考え方が含まれますが、例えばRPA(Robotic Process Automation)などを使えば作業だけでなくプロセスそのものを自動化し大幅に削減できることもあります。
これまでの方法で改善できない場合は、最終的には業務変革の発想が必要です。業務変革は、これまでの常識を壊すところから始まります。しなくてもいい業務、しなくてもいい方法を考えたうえで、全く別の手段でこれまで以上の成果を生み出すことを考えます。そのためには、業務担当者だけでなく、部署を越えた関連する担当者、デジタル技術に詳しい担当者などが集まり、一から考え直す必要性があるのではないでしょうか。これは継続的にPDCAを回すBPM視点と、可視化された業務マニュアルの運用によって、ようやく開かれる道なのです。
(株式会社フジプラス)
まとめ
■継続的に変化する業務においても、常に業務マニュアルで業務を可視化する必要性がある。
■業務マニュアルは、個別業務のマニュアル化だけでなく、業務の全体像を把握できるようにする。
■継続的な運用や変革を求めるには、クラウドやRPAといったデジタル技術を有効活用し、これまでの常識にとらわれずに進める。
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