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データを「溜める」から「繋げる」で変革を ビジネスを加速させる切り札となる商品情報管理PIMとは
商品情報管理PIMとよくある課題
PIM(Product Information Management)とは、その名のとおり商品情報を集約して管理する仕組みのことです。目的は、企業内に散在している商品情報を一元管理し、その情報を必要とする様々なメディアやシステムに正確かつ一貫性のある情報を、高い鮮度を保った状態で供給できるようにすることです。メーカーや総合通販、総合商社などで導入されることが多く、多種多様なブランドを抱えて商品点数が数千~数万点と多く管理していたり、ワールドワイドで事業展開していて多言語での情報管理をしていたり、販売チャネルやツールが多岐に渡る場合に威力を発揮します。
ただ、PIMはまだまだ日本国内には取り入れられていないのが現状です。仕組みとしては単に一元管理できるデータベースにデータを溜めるものと思われがちですが、今日議論も活発化しつつあるDX(デジタルトランスフォーメーション)視点で考えると本来関与すべきはずの関係者が関わっていなかったり、部門横断できる組織体制になっていなかったりします。それにより、全体最適で考えられておらず部分最適のみとなっていたり、中には存在意義が薄れて陳腐化し、老朽化している(レガシーシステムの対象である)場合もあります。
よくある例として、紙媒体を扱う部門とWebやECを扱う部門とが分かれているような場合があります。それにより、システム上で情報共有がなされておらず、どちらかが先行して取り扱われ足並みが揃わないのです。他にも、商品の企画・開発を担当するMD(マーチャンダイザー)や、商品の仕入れ・販売を担当するバイヤーには、そもそも共有されていない場合も見受けられます。そして、今度はステークホルダー(利害関係者)が多すぎると、管理すべき情報が複雑になりすぎて、方向性が決められずプロジェクトが進まないといった悪循環に陥ります。
これにより、情報発信の足並みが揃わず、販売における機会損失が生じやすいです。いまは消費者の購買行動もWebから購入したり、カタログ・テレビやラジオのCMから、あるいは直接店舗でといった感じでタッチポイントもさまざまです。それをカバーするためには、まずはこのPIMの本質を理解する時期が来ているのではないでしょうか。
PIMの全体像を考える
ここで改めてPIMの役割を整理すると、PIMは商品情報管理なので、スペック情報、キャッチコピー、商品画像、価格情報、ブランドロゴ、仕様書、図面などが該当します。一方、似た概念に①PDM、②PLM、③ERP、④SCMなどがあります。
①PDM(Product Data Management):製品開発や製造工程の管理システム。②PLM(Product Lifecycle Management):特定のITではなく、商品のライフサイクルに関わる取り組みや情報そのもの。
③ERP(Enterprise Resource Planning):統合基幹業務システム。販売情報などもこの中で管理されていることが多い。
④SCM(Supply Chain Management):供給側から最終顧客までの生産・流通におけるプロセス管理。
これらは、いずれもインプット側のデータに関係しております。それぞれの役割がありながらも、PIMに必要となる項目も一部含まれていることがあります。あるいは、組織の歴史的な理由でこれらのデータが分散せざるを得ないのかもしれません。そうなると、PIMは個別のデータベースでは成り立たず、あくまでこれらの①~④のような別システムと連携(コネクト)ができ、データを引用できてこそ本領を発揮します。
一方、アウトプット側の展開先の話をすると、これも基本は連携前提になります。例えば、カタログやパンフレット、チラシなどで言えば、制作システム(例として、Adobe InDesign)にどう連携するかであったり、WebやECなどでも、いわゆるCMS(Contents Management System)や各種EC(ECにも自社ECのクラウドか、Amazonや楽天などのモールなどもある)にどう連携するかになります。
そう考えると、PIMの役割は一部のデータを持つ必要もありますが、本質的にはいかにリアルタイムにデータ連携できるかが鍵になると言えそうです。
PIMを活用するメリット
ここからは、PIMを活用することによるメリットについていくつか挙げてみます。PIMの導入は、スモールスタートで少しずつ確実に進めるのが良いでしょう。少しずつデータ連携作業を進めることで、これまであった部門間の壁を徐々に取り除くことができるかもしれません。
連携ができると、情報がワンストップで効率化が進み、スピードが速くなります。市場に情報が早く出せるようになるので、デジタルファーストでの施策が打てるようになります。これまでカタログファースト(紙ファースト)だった企業からすると、社内のワークフローそのものの調整も多少必要ですが、劇的な変革と本質的なコスト削減が期待できます。そうなると、これまで媒体やチャネルそれぞれでの施策だったものが、全体最適でのマーケティング施策が考えられるようになります。おそらく、本来すべき仕事や役割が明確になり、その時間が捻出できるようになるでしょう。
PIMを考え始めると、大切にしないといけない事があります。それは「モノ」を買ってくださるお客様がどういった人で、その「モノ」を理解したうえで分かりやすく説明するために「コト」をどのように伝えるかだと考えます。お客様目線だと「コト」の重要性が理解できますが、どうも自社都合で「モノ」を優先して考えがちになってしまいます。PIMを活用すると、「モノ」の情報が集結するので、「コト」をいかにして訴求するかがしっかり議論できるようになります。
このように、PIMはDX本来の目的である新しいビジネスの創出に繋げられる可能性を持っています。それは単なるデジタル利用や効率化にとどまらず、あらゆる立ち位置の人がデータを有効活用できることで生まれる新たなチャンスなのです。
(株式会社フジプラス)
まとめ
■PIMは、いかに部門横断させて全体最適でデータ活用を目指すかがポイントです。
■DX的に考えると、データベースにデータを「溜める」のではなく、データどおしをどう「繋げる」かが本質的に求められます。
■データ連携が進むとこれまで以上に効率的になり、多くのタッチポイントでお客様目線での「コト」売りが考えられるようになります。
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