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DX NEW2021年9月15日

厳しいビジネス環境を乗り越えるために パートナーシップで取り組むBPOとアウトソーシングとの違いとは

アウトソーシングとBPO

 ビジネスにおいて、アウトソーシング(外部委託)を活用されている企業は多いと思います。傾向として、人材不足ながらも売上増加している企業ほど、アウトソーシングを多く活用されているようです。またアウトソーシングの目的において、企業(事業)の「成長・拡大」を狙いとする場合と「安定・維持」を狙いとする場合とに分かれておりましたが、特に近年は「成長・拡大」を狙いとして一部を外部の専門家に委託して本来すべきコア業務に集中させることが主流になっております。
 アウトソーシングにおいては、何を内製化しどの部分を外部委託するかの判断を事前にしっかり決めておく必要があります。例えば、マニュアル対応が可能な一般業務、戦略策定などが必要無く専門としていない業務、利益を生まないノンコア業務などはアウトソーシングに適しているといえます。具体的な業務として、①見込み顧客の開拓(テレアポ)、②営業やマーケティングに関わる事務作業(電話対応、提案などの資料作成等)、③コールセンターやカスタマーサポート(サービス)、④設計・開発、⑤製造の委託(OEM)、⑥在庫管理・梱包・発送、⑦店舗運営、⑧社内システムやインフラ等の運用・保守、⑨給与計算・労務管理、⑩経理・会計などが挙げられます。
 アウトソーシングは、業務の効率化が狙いとなり、業務上必要な資源やリソースを外部から調達し、競争力を強化するための、いわば裏方的な役割を依頼します。一方、BPO(Business Process Outsourcing)と呼ばれるものは、アウトソーシングの一種ではありますが、業務プロセスの丸ごとを契約企業に委託・移管し、委託元はより高度な業務領域に集中するための経営戦略におけるパートナーシップとして考えられております。
 ちなみに、最近ではフリーランスや主婦などさまざまな人材をインターネット上で委託するクラウドソーシングとか、ベトナムやインドなど海外の企業に委託をするオフショアアウトソーシングなどがあります。

BPOのメリット・デメリット

 BPOには、当然ながらメリットとデメリットの両方があります。それぞれ3つずつ挙げてみます。

  • メリット①:業務の標準化
    バックオフィスとしてのBPOでは、基本的な方法や流れが決まっているルーチンワークでないと依頼できません。作業が属人化していたりすると、作業内容がブラックボックス化していて引継ぎなども困難になります。BPOする際にはその業務をマニュアル化し、明確化して無駄を削ぎ落すことで、業務を標準化することができます。
  • メリット②:コストの削減
    社内で対応すると、社員への給料や設備投資・維持などで固定費として費用がかかってしまいます(実はここもブラックボックスになっていることが多い)。これをBPOにすると固定費が変動費に変わり、環境変化などによる変動的な調整が可能になります。それにより、余分なコスト削減につながります。
  • メリット③:企業競争力の強化
    競争力を強化するには、独自のノウハウやスキルを磨き、競合を越えた顧客価値を提供することが重要です。その顧客価値を向上させることこそがコア業務であり、集中することで人的リソースの不足などにも対応できるようになります。そのためコア業務とは異なる部分をBPO導入により競争力を高めます。
  • デメリット①:元に戻しにくい
    一度BPOで委託してしまった業務は、元に戻すことが難しくなりがちです。一度標準化されたとはいえ、継続する中では新たなノウハウなども発生し、そのノウハウが蓄積されていないとなるとリスクに変わり動かせなくなります。逆に、急遽戻さざるをえない事態になった際には、部門再編、人材育成、インフラ再構築などで多くの経営資源を新たに割く必要が出てきます。
  • デメリット②:適正コスト判断
    業務プロセスの丸ごとを中長期にわたり委託することから、時間が経つと費用対効果が悪化している場合があります。現在はAIやRPAなどを活用したデジタルBPOと呼ばれる分野もあることから、判断や自動化などデジタルでできる標準化・無人化なども急速に進んでおります。そうなると、適正コストの判断が難しくなるため、委託先が定期的な改善を可能とする環境であることが望ましいと言えます。
  • デメリット③:情報漏洩リスク
    たとえNDA(秘密保持契約)を締結しているとはいえ、外部に業務を委託するうえでは、必ず情報漏洩リスクがつきまといます。BPOでは業務プロセスの全体を委託する性質もあることから、殆どの場合は機密情報や個人情報などが絡むことが多いです。委託するパートナーのセキュリティ体制がどれだけ強固であるかを調査し、信頼おけるパートナーであるかどうかを十分に注意しないといけません。

BPOとパートナーシップ

 BPOはいわゆるアウトソーシングとは違い、委託する側が「業者任せ」といった考え方だと上手くいかないでしょう。お金のやりとりをする契約だと、どうしても支払う側が優位になってしまいます。しかしこれが本当にパートナーシップであれば上下関係は無く、受け手も十分なメリットを提供すれば対等な関係が築けるでしょう。そのためにも、お互いの得意分野や価値が尊重でき、目指すべきゴールも共有できる関係性であるべきです。
 1つ知っておくべき考え方として、コストセンターとプロフィットセンターの違いを理解しておくといいかもしれません。一般的にはコストセンターは利益を生まない部門を指し、プロフィットセンターは売上や利益を生む部門を指します。そうなるとプロフィットセンターは「営業部門」のみのように思われますが、仮に「製造部門」もプロフィットセンターと位置付けるならコストの安い製品に注目するのではなく、利益率の高い製品に注力をするようになります。よって、この考え方をBPOのパートナーシップとして当てはめるなら、お互いがプロフィットセンターとしてどう戦略を立てられるかが鍵となります。


 さいごに、いまDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進する組織も増えつつありますが、BPOの本質を正しく理解できていないことからDXが進まないという声もあります。DXを推進できている企業とBPOでパートナーシップを組めば、その取り組むBPOそのものが変革の起爆剤となりビジネスに必要な新たなアイデアを生み出す共創パートナーとなれるでしょう。

(株式会社フジプラス)

まとめ

■アウトソーシングは企業の「成長・拡大」のために活用されることが増えており、一部では業務プロセスを丸ごと委託・移管するBPOという手段もある。
■BPOには業務の標準化やコスト削減、企業競争力の強化にメリットありますが、一方で業務を元に戻しにくいことや適正コストの判断、情報漏洩リスクといったデメリットもある。
■BPOはパートナーシップで取り組まれるべきであり、双方がプロフィットセンター化するための戦略を立てることが望ましい。

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