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「顧客の声」を形にしてヒットした事例4選
「もっとこうだったらな」「こんなものがあればいいのに」企業や店舗では、そんな顧客からの声が直接、もしくはSNS等から間接的に集まることがあると思います。皆さまはこうした大切な意見を上手く活用できているでしょうか?今回は、顧客の声に耳を傾け、個人ではできないことを実現させて話題を呼び、集客に成功した事例を4つご紹介します。
「あったらいいな」という声を形にする店
大阪のファッションビルでは、"こんな店があったらいいな"という声を形にした期間限定の「妄想ショップ」が人気となっている。
第1弾は、インスタグラムに寄せられた「大人になると、あんまり褒めてもらえない」という小さな悩みから生まれた「ほめるBar」。1回500円で店員がお客さんの話を聞いて、ひたすら褒めてくれる。4日間限定で開催したところ連日満員となった。
その後、お客さん固有の魅力を一緒に見つけ出してキャッチコピーをつけてくれる「キャッチコピー相談所」(1回1,000円)、事前に自宅のクローゼットにある洋服(10アイテム程度)の写真を送るとスタイリストが1週間分のコーデを考えてくれる「コーディネート屋さん」(予約制・1,000円)を開催。イラストレーターがSNSのアイコン用に似顔絵を1枚3,240円で制作する「アイコンショップ」も好評だった。
そして、「毎日が退屈なわけではないけどあまり驚くこともなくなった」という声をヒントに、マニアの人がそれぞれのジャンルの面白さについて教えてくれる「大人の学校」が開催された。授業は、一風変わった館主たちが運営する観光館を世界1,000か所以上を巡ったマニアによる「初めての珍スポット入門」、観光地にある顔出しパネルの魅力を伝える「顔出しパネル入門」など個性的なジャンルで編成。3日間、13授業が開催され、どれも予約でいっぱいとなった。
「一度やってみたかったこと」が体験できる店
普段できないが、テレビや雑誌などで見て、一度はやってみたいこと。それを実現できる店がある。
■瓦割りのできる店
空手のパフォーマンスで行われる「瓦割り」をできる店が東京・浅草にある。瓦はパフォーマンス用ではなく、屋根に使われる本物の瓦。料金は瓦1枚500円、5枚で2,000円、10枚だと3,900円になる。空手の修行も訓練もしていない素人でも割ることはできる。割り方がわからない場合は店の人が教えてくれる。空手の道着の貸し出しもあって、気分が盛り上がる。日本人だけでなく、外国人観光客にも人気のスポットになっている。
■のんびりハンモックに揺られて
ハンモックに揺られて寝ると気持ち良さそうだが、家の中にかけることができない...という人のためのハンモック・カフェが、東京・吉祥寺にある。店の客席は全てハンモックで、ゆっくりくつろげる。ギャラリーやイベントスペースとしても使われていて、月に1回ほどライブも開催される。営業時間は午後12時から夜10時まで。ただし、ゆっくりしすぎてしまうため、1時間半から2時間ほどの時間制限がある。また、東伊豆や北軽井沢で移動ハンモック・カフェとして、野外にハンモックを吊るして料理を楽しむイベントも開催している。
"絶メシ"を弁当で再現するスーパーマーケット
後継者がいなくて絶滅(廃業)した飲食店、あるいは絶滅しそうな店には絶品な料理が多い。その料理を「絶メシ」という。まだある店は閉店する前に食べておこうと思った客が集まって人気が出たり、廃業してしまった店の味を懐かしむ人も多い。「絶メシ」をリストアップして案内している町もある。
石川県輪島市にあるスーパーは、「絶メシ」を弁当にして評判となっている。その第1弾は同市内の定食屋で出されていた名物カレー。1958年創業で、家庭的ながらもうま味があるルーが人気だった。しかし店主の高齢によって2006年に閉店した。しかし、今でもかつての常連客から復活を願う声が多い。
そこでこのスーパーでは元店主からカレーの作り方を教わり、試験的に限定15個で販売したところ瞬く間に完売。再販のリクエストもあり、カレー弁当を1食500円で、毎週火曜日に30個作り、また名店の味が楽しめると好評を博している。このスーパーでは想定を上回る反響に驚き、今後、第2・第3弾の発売に向けて関係者と交渉を進める予定だ。
街の人々に愛されつつも失われた料理を復活させることは、地域の食文化を継承することにもつながる。弁当や惣菜の開発に知恵を絞り工夫を凝らしているスーパーマーケットにとっては、新たな展開になるかもしれない。
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