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有意義な会議にはコツがある!② メンバー全員で「参加型」会議に変えるための発言や考え方の工夫とは?
発表を傾聴し、質問による具体化こそがポイントに
前回「有意義な会議にはコツがある!① 工夫ひとつで大きく変わる 目的達成のための会議を行なうには?」では、会議の目的や種類の確認、生産的な会議にするための工夫、「対面会議」と「オンライン会議」の違いなどについて触れました。デジタルツールも豊富な今の時代、会議を有意義にできる工夫も変化し続けています。今回は、会議メンバー1人ひとりに参加してもらうためのちょっとした "ルール" について触れていきたいと思います。
冒頭から大変失礼ながら、皆さん実は会議に参加した気分になっているだけということはありませんか?人の発表を聞いて(1)うんうんと頷く人、(2)メモを一生懸命に取る人、(3)ご自身の発表の順番がまだなのでメンバーの発表を聞きつつも発表準備をしている人、と様々です。でも、できれば(2)と(3)は避けたいですよね。メモは、せめてキーワード程度にしておきましょう。必要に応じて録音して、どうしても思い出せなければ後から聞き返せばいいのです。また、ご自身の発表は、会議中にあれこれ考えるのではなく、事前準備にて臨みましょう。「うんうん」と頷き "傾聴" して、自分事として内容について理解しましょう。まずこれが大前提です。
次にやっていただきたいのが、発表に対する "質問タイム" です。会議ではつい発表ばかりに時間を割いてしまいますが、内容はどちらかといえば主観的なものとなりがちで、メンバーからの客観的な意見こそが会議をより有意義なものにします。質問の方法もいくつかありますが、一般的には5W1H(When=いつ、Where=どこで、Who=だれが・だれに、What=なにを、Why=なぜ、How=どのように)が使えると思います。発表内容では、これらが不明なまま話が進められていることがあります。他にも、「〇〇〇の具体的な内容についてお話いただけますか?」とか「(何らかの行動予定に対して)何か弊害になるような懸念点はありますか?」とか「(何らかの結果に対して)次は具体的にどのようなアクションをしますか?」とか、実は発表者が気づかなかった、あるいは触れたくなかった内容が、いくつも出てくる場合があります。ただ、この質問タイムにて具体化することで、多くの意見がもらえるようになり、悪かった事も困った事もメンバーからのヒントにより「次、どのように進めればよいか?」が明確になってきます。
どんな種類の会議であっても、双方向での会話が存在する会議が望ましいです。皆それぞれに頭を使って知恵や経験を引き出し、それを意見として反映させてこそ充実した会議になるでしょう。
「チャンキング」による思考の具体化
会議における双方向での会話や議論は、テーマにおける意見や方向性を具体化させるのに有効です。しかし内容を具体化するにあたって、最終的には自分自身で細分化したり集約したりして納得するために、考えを取りまとめる力が必要になります。1つの手法に「チャンキング」があります。
チャンキングとは、頭の中にあるバラバラの情報をグループ化して記憶に留める思考法です。チャンキングには、「チャンクダウン」と「チャンクアップ」とがありますが、「チャンクダウン」は主にHow(どのように)で物事を細分化し、課題を具体化していくときに使います。一方「チャンクアップ」は主にWhy(なぜ)で議論の目的や意味を問い、議論をより抽象化して全体の方向性を確認するときに使います。
いくつか簡単な例を見てみましょう。仮に「移動」をチャンクダウンしていくと、大きくは「人」と「モノ」とに分けられます。また「人」をさらにチャンクダウンすると「電車」「自動車」「バス」「バイク」「自転車」などに分けられますし、「モノ」をチャンクダウンすると「郵便」「宅配便」「バイク便」「トラック便」などに分けられます。他に、もう少しビジネス寄りの例を見るとして、「新規顧客獲得」をチャンクダウンすると大きくは「プッシュ型」と「プル型」とに分けられます。「プッシュ型」をさらにチャンクダウンしていくと「テレアポ」「飛び込み」「紹介依頼」「展示会出展」などに分けられますし、「プル型」をチャンクダウンすると「Web(EC)サイト運営」「SNS運用」「メール配信運用」「広告運用」などに分けられます。
実際にはマス割りによる分解かツリー状にして、書き出しながら進めるとより理解が深まります。書き出したものを見ながら皆で議論するのも一手でしょう。
新たな発想や気づきをもたらす「リフレーミング」
とあるテーマについて議論を続けていると、徐々に「こうだ!」「ああだ!」と特定の方向に縛られてしまうことがあります。ただ、実際の物事の見え方は様々であり、枠内には捉われない新しい思考や展開が必要なこともあります。そういう時は視点を変えて物事を見る「リフレーミング」という手法があります。
リフレーミングとは、テーマに対して同じ視点から見るだけでなく、上から見たり、横から見たり、遠く(高い位置)から見たりするようなイメージです。最終的には自分自身の物事の見方のコツとして習得できることが理想ですが、まずはこのリフレーミングも議論中の質問に取り込むことで、メンバーから気づきをもらうようにします。
では、具体的な視点の変え方ですが、①自分から相手方(あるいは全く別の人)の視点に変える、②立場や意見として反対側の視点に変える、③今ではなく時間(基本的には未来時間)を変えた視点で見てみる、④関連した別テーマの視点から見てみる、⑤否定を肯定に変えて見てみる(その逆もしかり)、などがあります。例えば、「もし○○さんだったら、この場合どのように考えるでしょうか?」とか、「相手にとっては、この件をどのように見ているでしょうか?」、「仮に3年後だったら、このテーマに対してどのような判断をするでしょうか?」などです。こうして視点を変えて考えてみることで、視野を広げて新たな発想でテーマに取り組むことができるようになるのではないでしょうか。
このように、会議における議論は様々なメンバーからの「発表に対する深堀り」こそが醍醐味であると感じていただけたのではないでしょうか。ただ、その発表内容の深堀りにはいくつかのコツがあるので、こういった「発言」や「考え方」のテクニックを事前に共有して会議の進め方に組み込んでおくことで、よりメンバー全員が参加し発言するような有意義な会議に変わっていくことでしょう。
(株式会社フジプラス)
まとめ
■会議中はメンバーの発表を傾聴し、後の質問タイムで発表者の内容を具体化する。
■チャンクダウンで課題を具体化し、チャンクアップで全体の方向性を確認する。
■リフレーミングであらゆる視点から物事を見て、常に新たな発想でテーマに取り組めるようにする。
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