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プランニング NEW2021年4月 7日

単なる「提案型営業」にならないために コンサルティング営業のためのヒアリング力とパートナーシップの重要性

求められるコンサルティング営業とは

 皆様にとってのお付き合いする営業の人とは、どのような場面で"頼り"にしていますか?いつでも気軽に連絡がとれる、困った事があればまずは相談できる、対応や反応が早い、きっとこのような期待をされていることでしょう。一方、営業としては、自社の商品・サービスを売り込み、売上を上げることが最優先な人もまだまだ多いかもしれません。
 ただ、売上アップばかりの強い思い込みは、クライアントや消費者とのギャップがどんどん大きくなってしまいかねません。背景には、市場の成熟化と縮小傾向、そして競争の激化やエリアの広域化(グローバル化)、さらにはニーズの多様化やスピード化など、挙げるとキリが無いほどに世の中は変化し続けております。顧客との人間関係は、出会ってから徐々に構築することになりますが、まず最初に求められることは、顧客が抱える課題や達成すべき将来ビジョンなどについて、丁寧にヒアリングすることです。
 こういった顧客の「困り事」に耳を傾ける営業姿勢、そしてその解決方法を提示して相談に乗ることをコンサルティングといいます。本来、コンサルティング営業を行なうコンサルタントは、得意な専門知識だけでなく、さまざまな顧客先(企業)にて課題解決を行なうための広い知識や経験を持つことが求められます。
 どんな分野であれ、コンサルティングを進めるにあたっては市場におけるマーケティング環境を把握するための3C(市場環境・自社環境・競合環境)分析や、製品やサービスにおけるプロモーションによる態度変化~購買行動の戦略を考えるための4P(製品・価格・販売チャネル・プロモーション)分析をすることが基本になります。そして計画を策定し、成果を定め、何らか「提案」という形式を経て進めるにあたっての合意を得ることでようやくプロジェクトとして始めることができます。
 一般的な営業と異なる点を挙げるなら、コンサルティング営業は必ず経営層などの上層部の人と対等なレベルで接することが求められます。それは単に予算感をクリアするだけでなく、経営的な戦略面に関わる規模感になることも多いからです。これは、単に自社の製品やサービスを売り込んで終わるのではなく、あくまで顧客の課題に対して営業やプロジェクトにアサインされたメンバーが伴走する形で進めていきます。

顧客の課題を把握するヒアリング力

 さて、コンサルティング営業を実践するにしても、「提案」で合意を得られなければ何も始まりません。ありがちな例として、目標や解決手段のみが示されている「提案」です。この場合、大抵は事前のヒアリングが不足しており、潜在的な課題や達成すべき目的が把握できていないのです。具体的な目標を定めるためには、必ず目的が明確になっていないとブレてしまう危険がありますし、何より顕在化した課題だけでなく潜在している課題まで掘り下げて合意を得ないと、話を進めていくうちに別の視点に変わったりして成果や対価の設定がうやむやになってしまいます。
 では「提案」の質を上げるためには、ヒアリング力を高める必要性が見えてきました。そこでヒアリングすべき項目について考えると、先述した3C(市場環境・自社環境・競合環境)や4P(製品・価格・販売チャネル・プロモーション)に関わることは事前に調査はしつつも把握できないことは突っ込んで聞いてみて、可能な限り相手と同じレベルで理解しておきます。そして現状把握や課題解決イメージとなるSPIN(現状・問題・示唆・解決)を丁寧に聞きます。あと、ビジネス面ではいわゆるBANT情報(予算・決裁者・必要性・時期)は押さえておくべきでしょう。
 特に「提案」のシナリオを考えるうえで肝となるSPINは、綿密にヒアリングを行なうところです。現状(S)は、誰がどこで、どんな役割で、どのような事をしているか。問題(P)では、具体的に起きている課題、そしてそれが何故課題なのか。示唆(I)で、実際の起きている無駄や損失、他との比較での気付きなど。そして解決(N)では、それらの困り事が解決されている理想の将来イメージの共有、確認をします。
 また、これらのヒアリングは、2つの側面から行なうと良いでしょう。1つは顧客課題の全体像を常に意識するためにも高い視座から俯瞰的に物事を見ながら行ないます。もう1つは課題を具体化するための個別の事象などを深堀り(チャンクダウン)していきます。そうすることで、単に顕在化している課題が明確になるだけでなく、潜在的な課題なども見え隠れするようになるでしょう。

お互いのビジネスを強くするためのパートナーシップ

 「提案」して受注・成約したくても、仮に提案の質(内容)が良くても駄目になる場合があります。例えば、結局は競合との価格比較で認めてもらえない場合や、キーマンは押さえていてもオーナーの一声で別の企業に発注されたりする場合、そもそも企画倒れになる場合だってあります。それだけに、内容だけでなく経過を把握するために人的なコミュニケーションにおいてもしっかり掴んでおく必要があります。
そのようなすれ違いが起きないように、パートナーシップについて理解しておく必要があるでしょう。パートナーシップとは、ビジネス上での価値観やゴールを共有できる協力関係であることです。要点として、対等な関係性で円滑なコミュニケーションができ信頼おける相手かどうか、ハイレベルかつ重要なビジネス課題を丁寧に共有してもらえる相手かどうか、短期的ではなく長期的な関係が構築できるような相手かどうか、などです。これらが欠けるようであれば、場合によっては提案依頼をお断りをしたほうがよいかもしれません。

 話を進めていく上で、一番に「誰」と「何(目的)」をするかを考えておくべきです。コンサルティング営業をするなかで、遠慮しがちな事が多ければ多いほど、成果は出しにくいです。対等な関係で課題を自分ごととして理解し、他社には開示しにくい必要な情報を出してもらえる、そのような相手との壁を越えられる関係こそが、互いに必要な存在になっていけるパートナーシップを構築できるでしょう。

(株式会社フジプラス)

まとめ

■変化し続ける世の中においては、営業がコンサルティングできる能力を身に付ける必要がある。
■コンサルティング営業をするうえで、様々な項目や視点からヒアリングできる能力が求められる。
■提案の質だけでなくパートナーシップで取り組むからこそ、お互いのビジネスを成功させ強くできる。

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