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これって「常識」?「当たり前」を疑うことで見えてくる① 思い込みで「視界」を遮らないために!ビジネスの現場で役立つ思考法
とりわけここ1~2年で世の中が急速に変わり始め、ビジネスの現場でも様々な変化の波が押し寄せてきているのはご承知の通りです。皆さんにとっても、DXに相当するような大きな変化をはじめ、短期間で既に無意識レベルにまでなじんだ新たな習慣まで、多かれ少なかれ影響があったかと思います。例えば、これまで無縁だったリモートワークが働き方の選択肢として定着したり、チャットなどテキストベースの新たなコミュニケーションの活用頻度が増えたり、というように。そうした手段の変化が一気に進んだ一方、人間の頭の中はなかなかアップデートできず困っているという話もちらほら。そうなんです。わかっているけど、つい従来の考え方が染みついていて、発想の転換まで行きつかない、という状態です。今回は、これまでの「当たり前」だった視点を少し変えることで、これからの世界にふさわしい景色が見えてくる、というお話をしていきましょう。
「変わる」ことに対してネガティブなのか?
仕事で大きな変化を受け入れざるを得ない場合、人は何かしらストレスを感じるもの。「どんなことがあっても平常心でいられる」という方は稀で、多くは次の①~③のいずれか、もしくは混合型のモヤモヤ感を抱えてしまいます(※下記解説参照)。①「なんか嫌だ(しんどそう)」 ②「面倒くさい(これまで通りが楽なのに)」 ③「対応できるのか?(不安だ)」のような。様々な調査からも、日本人は世界でも突出して不安を感じやすい国民性、とも言われています。何事に対しても慎重で、安心して行動できるまでのハードルが高い傾向にある、という解釈でしょう。新しいことにパッと飛びつけない傾向は、グローバル規模で注目されるスタートアップ企業が、残念ながら海外勢だらけの現状からもよくわかります。(一旦こうと決めたら粛々と進めていくのは得意なのですが...)「能力を活かしきれてない?」「学校教育が問題?」「長年の産業構造が影響している?」いろんな言い訳が出てきそうですが、そこはいったんフタをして、なぜ変わることに対してネガティブな感情が働いてしまうのか、ごくごく身近な視点から考えてみましょう。
なぜ変えられない?その根底にあるものは?
「変わりたいのに変えられない」ことへの対応に悩んでいるとの話も耳にします。本質的な問題を探るために、まずは検証から。先ほど挙げた①~③の感情についてはこうです。
①「なんか嫌だ(しんどそう)」という感覚は、素直な気持ちでしょうね。これまで続けてきたやり方での成功体験を持つ方が「変わる」にはエネルギーを要しますし、防御本能が働いてしまいます。
ここで必要なのは、新たな方法を身に付けることで、可能性が広がる!という思考です。自らのあらゆるポテンシャルを引き出すつもりで前に進んでいけますね。
②「面倒くさい(これまで通りが楽なのに)」というのも、正直なところでしょう。ルーティーン化した流れを断ち切り、新たな方法にシフトするだけの値打ちがあるのか?と考えるわけです。でも、価値があるからこそ変わろうとしているので、年齢や職務経験年数に関わらず、初心に返って受け止めるのが賢明な選択だと思います。
③「対応できるのか?(不安だ)」の思いは、従来のやり方へのこだわりゆえに抱きがちです。完璧にやらねば!絶対に失敗したくない!等、ご自身にも厳しい方に多いですね。「最初は多少手間取っても仕方ない、まずは慣れる努力をしよう!」と肩の力を抜くことで、まずは第一歩が踏み出せるのではないでしょうか。
常識を疑え!その1 具体的な案件のアイデア出し会議の場合
温厚な性格で面倒見も良く、コツコツ仕事をこなしてきた営業職Aさん(真面目さゆえに③のパターン)。仕事のノウハウも積み上げ、自信がついてきたタイミングでコロナ禍に。「攻めの姿勢で!」と部内でアイデア出しの機会が増えたものの、従来の枠を超える発想は苦手。「まずは発言を!」と言われ答えても、「別の角度からの意見は?」との要求に行き詰まりがち。自分が経験したことからしか発想できないのは自覚しており、新しい動きについていけず落ち込む日々が続きます。(※わかりやすく伝えるためのフィクションです。以下同様。)
●慣れないことにも挑みつつも行き詰まるのは、過去の成功体験へのこだわりも一因。目的が変われば方法も変わって当然。「前はこれでうまくいった」という前例の呪縛から解き放たれると、視界も広がるはず。
変化への順応力には個人差もありますが、まずは「なぜ今新しい視点が必要なのか」を納得いくまで考えたかどうかで大きく差が出ます。腹落ちしないまま会議に参加しても、「新たな目的達成のために幅広くアイデアを出し合う」という思考に行きつきません。会議のあり方も変化しました。上司の意見や多数派意見を忖度して発言を控えたり、言うにしても「皆が考えそうな無難な意見」という時代ではありません。現状を正しく捉えることが、「モノ言う会議メンバー」への第一歩です。(※資料1参照)
常識を疑え!その2 お客様への企画提案にあたって
販促関連の企画に携わるBさんは、長年お付き合いのあるお客様から、「ガツンと目新しい提案がほしい」と依頼されました。これまで担当者と「あうんの呼吸」でやってきたとしても、陳腐化してしまう危険性も含んでいたことを改めて認識。これまでほぼ一人で仕切ってきたプライドが邪魔して、苦手な分野が絡む提案を躊躇してきた経緯がある(この場合は①と②の混合型)ため、協力を依頼するにも二の足を踏む状態です。(※わかりやすく伝えるためのフィクションです。以下同様。)
●様々な専門分野のメンバーを巻き込むのがベスト。社内で改めて見回すだけで気付きがあるはず。「この仕事は自分しかできない」というのは錯覚で、新たな挑戦を機にチームワークで戦う術を磨くのも有効。
時間をかけてでも、とにかく自分でやり切る!というのも場合によっては「あり」かもしれません。ただし、お客様の言外の本音を正しく捉えて対応できなければ、納得していただけないどころか、「もう他の会社にお願いすることにした」という状況もあり得ます。自分一人でできるという思い込みは捨て、より幅広い視点で企画できるよう、全く違う分野のメンバーを加えて発想することで、一層お客様のためになる、誠意ある企画提案を実現できるはずです。(※資料2参照)
[終わりに]
「これまでの常識を疑え!」と言われても、「具体的にどうすればいいのかわからないから困っているのに...」という意見が出てきそうです。変わらなくては!の焦燥感と、答えが見つからない漠然とした不安で、立ち止まったまま動けなくなることだけは避けたいものです。個人の努力や能力だけに丸投げするような形では、うまく機能しなくて当たり前でしょう。ビジネスのスタイルや求められるものが変化した中で、前例主義はもはや危険な発想とも言えます。答えが一つではなく、自分でつくりあげることも求められる今、協力しながら進める姿勢と、明確に言葉にしながら適切にコミュニケーションをとり、歩み寄る勇気が大切になってきます。
ビジネスの現場では、立場を超えて、よりフラットに意見を言える環境こそがカギになってきそうです。つまり、「意見を言える仕組み」ですね。今や「これまでにない発想」が求められる時代。当たり前を疑うことから始め、多様な考え方の人が集まって知恵を絞り、いろんなアイデアを生み出していく、というスタイルが定着していくのが進化への第一歩になるはずです。
(株式会社フジプラス)
まとめ
■押し寄せる「変化」の波には、過去の成功体験や前例に捉われない姿勢で対応。
■お客様が望むもの(目的)が変われば対応方法も変わる!そこがアイデアの起点。
■多様な発想で意見交換しながら、新たな答えを作っていける環境づくりが大切。
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