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プランニング NEW2021年4月 7日

ちょっとしたコトが一大事に! これだけは知っておきたい身近な知的財産モンダイあれこれ

ここ数年で、知的財産関連の報道も増えてきているのを実感します。ビジネスに関わる以上、何らかトラブルが生じると、内容によっては企業としてのモラルが問われ信用が失墜するなど、ブランドイメージに関わる重大事案になりかねません。もちろん、名誉だけでなく、賠償請求やその後の余波を含めた経済的損失が生じる可能性もあります。そういった視点から、全体的な説明に続いて、どなたでも実感しやすい具体的なケースを挙げて、知的財産関連でおさえておくべきポイントを示しておきましょう。

「知的財産権」ってどんなもの?

 企業を取り巻く環境としては、コンプライアンス(法令順守)という言葉が一般化して、企業人としてあるべき姿を意識する機会は増えてきてはいるものの、法律は遥か遠くにあるもの、という意識の方もまだまだ多いはず。そんな中、知的財産関連で、実はこんなにも多岐にわたる法律が関連するという事実を知っておくだけでも、日頃の発見のきっかけになるはずです。

 一般的に、知的財産でイメージしやすいのは、特許や著作権、商標等に関わるものでしょう。特許に関しては技術的な範疇なので、ここでは割愛するとして、販促分野で関わってくる法律は、主に著作権法、商標法や、不正競争防止法といったカテゴリーでしょう。おそらくこういうことだろう、という漠然としたイメージはある、もしくは、実際に注目された裁判(最近の例では、某有名腕時計ブランドと日本のメーカーとの間で争われた商標権に関するもの)等で断片的な記憶はある、という方も多いはずです。企業がらみの著作権や商標権に関わるニュース報道を目にする機会もあるかと思いますが、その内容 に至っては、ピンとくる範疇も業種等によってまちまちでしょう。
 だからこそ、一般常識的な感覚として、あるいは最低限のリスク回避のために、一定の目安を持っておくことが有効だと思います。「そんなことになるなんて知らなかった!」では済まされません。とっつきにくいと思われがちな法律問題ですが、せめて身近なところだけでも敏感になっておくことが、いざという時に役立ちます。

こういう場面に遭遇したことありませんか?

ビジネスの現場で起こり得る事例を、わかりやすくまとめてみました。似たようなシチュエーションに出くわした際に、「これって大丈夫なのかな」と気付くきっかけになればということで紹介しておきます。(※当該ケースは、あくまでもわかりやすく伝えるためのフィクションです。)

【Case1 録画したテレビ番組映像の使用】

メーカーの自社製品がマスコミでも注目を浴び、テレビの情報番組でも取り上げられました。そこで営業部としては、展示会で録画した番組映像の一部を活用することに。自社製品の紹介部分を、出展ブースのモニターで流し続けるというものです。「話題の商品ですよというアピールをすることで、受注につなげようと考えてのことでした。

アウトです!
たとえ自社製品を扱った映像であっても、映像としての著作権者(ここで言えばテレビ局)からの許諾がない限り、プロモーション目的で使用できません。

【Case2 カメラマンに依頼した撮影画像の流用】

会社の創立20周年記念誌を制作するにあたり、広報担当者が「印刷物用に、中に掲載するビジュアル」としてカメラマンに撮影を依頼しました。結果、納得のいく誌面に仕上がり、「せっかくなのでホームページにも使おう」という上司の指示に従い、「確認しなくても、特に問題ないだろう」と、画像を流用する形でホームページにアップしました。

アウトです!
あくまでも印刷物で使用するということでカメラマンに依頼している場合、二次使用の際に確認が必要です。最初に、流用も含め契約しておけば問題ありません。

【Case3 自社技術に関する無報酬での講演】

システム関連会社に勤務するエンジニアが、旧知の友人から、休日に開催されるビジネスイベントでの講師を依頼されました。現在の担当業務でも携わっている最新技術についての簡単な講演です。報酬をもらうわけでもなく、旧知の友人からの依頼というのもあり、特に会社に報告も相談もせずに、ボランティア的な気分で請け負いました。

アウトです!
会社員として業務上知り得た技術・情報は、会社の知的財産だと認識していれば、守秘義務に該当すると気付くはず。就業規則等にも明記されているはずです。無報酬であることとは全く別問題です。

【Case4 パロディ商品で人気にあやかる作戦】

人気商品にあやかって、類似した自社商品にパロディ的なネーミングを施してはどうかという話になり、パッケージ等もやや寄せた印象のデザインにして発売しようと準備中です。紛らわしいというクレームを防ごうと、キャッチコピーで、差別化を図りました。口コミ効果を狙って、社員がSNSで話題にしようと計画中です。

アウトです!
パロディに関しては、そのオリジナル側の判断によるところが大きいですが、モラル的に も模倣品はNGでしょう。SNSでの拡散も、この場合思わぬ炎上に繋がり、かえってデメリットに!

【Case5 SNSの個人アカウントでネタバレ】

自らが開発を担当したリリース前の自社製品に関する情報のごく一部を、個人のSNSアカウントでつぶやきました。まだ世の中に出ていない情報なので、会社が特定されないように注意していたつもりでしたが、本人の過去の投稿から会社を推測されて、コメントで指摘されてしまい、ライバル会社に情報が洩れることにつながりました。

アウトです!
SNSで呟くリスクに対して無防備すぎます。しかもリリース前であれば就業規則違反にも関 わります。あらゆる情報から個人や所属組織や居住エリア等を特定される可能性があることを意識することが大切です。

OtherCase

最後に、「もしかして問題になるのでは?」と心配になる事案の中で、実はこういう場合は問題ありませんよ、という事例も紹介しておきます。

  • 社内報用に社員からプライベート写真を募集するのは、よくあるケース。写真についてちょっと気になることはありませんか。例えば、屋外に設置された著名な作家のアート作品(ブロンズ像、オブジェ等)と一緒に写した写真。同行者に依頼して撮影してもらったものを、本人が希望して掲載する場合、何ら差し支えありません。
  • 会議を重ねて考えた、デザイン性とハイスペックが特徴の美容家電の商品名が、偶然にもすでに市場に出回っている旅行関係の雑誌の名称と酷似していることが判明しました。紛らわしいのではないか、という意見も出るかもしれませんが、基本的には大丈夫です。商標登録する際も、類似する商品・役務でない限り、大丈夫です。

まとめ

■自分には縁がないと思いがちな知的財産権も、実はごくごく身近な問題にも関わってくる。
■ビジネス上のリスクに敏感でありたい。「もしかしたら問題あり」と気付けることが第一歩。
■様々な事例を理解しておけば「芽の段階で周りに発信でき、早めに対処が可能。
■基本的なことを理解しておけば、少なくとも過剰に不安な思いから解放される。

(株式会社フジプラス)

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