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プランニング NEW2021年10月 6日

「わかったつもり」が一番コワい!解決ポイント解説⑤ 正しく知れば、スレ違いは防げる!「コミュニケーション力」を理解するための基本情報

日々送られてくるビジネス関連情報や、各種ウェビナー開催の案内メール等でも、コミュニケーションというワードが含まれるタイトルや文面もよく見かけますよね。検索サイトで「コミュニケーション/ビジネス」、あるいは「コミュニケーション/仕事」で検索すると、膨大な数がヒットします。しかも、参考キーワードとして上位にあがってくるのは、「苦手」や「不足」など、どちらかというとネガィブなものが目立ちます。ビジネスパーソンの代表的な悩みが、お客様との間及び職場でのコミュニケーション問題である証拠なのかもしれません。それでいて、言葉の本来の意味を「なんとなく」で捉えて使っている方が多いのも事実です。仕事上で、「なぜか会話がスレ違う」「良かれと思ってしたことが裏目に出てしまう」「会話のキャッチボールがうまくいかない」といった現象の背景・原因を、探っていきましょう。

「コミュニケーション」という言葉の理解

 ビジネスパーソンがコミュニケーション問題で悩みを抱えている一方で、就職活動中の学生たちから出てくる言葉は大抵の場合真逆です。採用担当の方は、ピンとくることも多いのではないでしょうか。特に若手の方、ご自身を振り返ってみていかがですか?入社試験でアピールポイントを問われ、「コミュニケーション力には自信があります」と答えた方も少なからずいらっしゃるはず。ところが、晴れて採用され入社後に、自信があったはずのコミュニケーション力の問題で悩むような、皮肉な状況に見舞われることも珍しくはありません。実はここに、すれ違いの原因を解明するポイントが隠れています。
 なぜ仕事上で解釈のミスマッチが生じるのでしょう。カタカナ表記の言葉は、当然ながら外国語由来ですが、発音をカタカナで示しただけで定着している言葉は、例えば「プライバシー」のように元々は日本語(日本文化)にない概念であることも多く、本質的な意味を理解して受け入れるのが正しい姿勢です。ところが、わかったつもりで曖昧に使っていることも多く、解釈にもバラつきが生じやすいのではないかと想像してしまいます。

ビジネス上のコミュニケーション力の正体

 communicationを英英辞典で調べると、一つには、exchange of information or ideas(情報やアイデアのやりとり)と書かれています。exchangeは交換するという意味合いですから、双方向は必然ですね。「そりゃそうでしょう」との声も聞こえてきそうですが、実際いかがでしょう。ふりかえってみて、つい発信する側の視点に偏って考えていた、との心当たりはありませんか?先ほどふれた「コミュニケーション力には自信があります」と迷いなく答える就活生に、具体的なエピソードについて質問すると、「普段から、明るく元気にしゃべる」「仲間うちのイベントで、自分があれこれ仕切っていた」などと答える方もいらっしゃるようです。確かに必要な要素は含まれていますが、exchangeになっていないのは致命的で、ここがスレ違いのもとになっているのです。
 ビジネスパーソンに求められるコミュニケーション力というのは、様々な人を上手く巻き込み、仕事を円滑に進めるために必要とされるもの。相手が理解しやすいよう論理的に伝える力、相手の話を正しく聞き取る力、何か問題が生じた時に交渉する力等が該当します。仕事は大抵、目的に向かって協力し合い成果につなげるものなので、双方向のやり取りの中、相手への配慮や気遣いが大前提となります。  それではここで、よりわかりやすくお伝えするため、ひとつはお客様とのやり取り、もうひとつは職場(社内)でのやり取りの課題を検証しておきましょう。

CASE1 お客様とのコミュニケーション

 「友人も多く、何かと仕切り役を買って出る明るい性格」の営業職Aさんは、新規で受注して以来数年お付き合いのあるお客様とのやり取りが、最近なぜかうまくいかないのが悩みです。思い当たることがなくストレスもたまる一方。信頼関係を深めるために人一倍気を遣い、定期的に連絡を取ったりメールで情報を送るのも欠かさないが、最近はノーリアクション。しびれを切らして電話をすると「今、ちょっと忙しいので」とつれない返事のみ。この空回りの原因は、一体何でしょう?(※わかりやすく伝えるためのフィクションです。以下同様。)

●お付き合いの期間が長くなると起こりがち。年月と共に、お客様の要望も変化して当然。同じ調子での一方的な提案・情報提供では現状とギャップが生じる。もっとお客様に関心を持って、情報のアップデートも必要。

 「これまでこうだったから」と過去の成功体験を踏襲するだけの、ルーティーン化された営業スタイルに陥るとこうなりがち。双方向の情報共有とは程遠く、自分の都合だけで情報を押し付けています。お客様の信頼を得るどころか「こちらの事情も考えてほしい」と心も離れていくばかり。相手の立場で考えるのは、コミュニケーションの基本です。社会・経済状況に変化があれば、最優先課題も入れ替わります。常に「今」を捉えるよう努め、本当に望まれること提案する姿勢こそが、信頼につながるのです。(※資料1参照)

CASE2 社内でのコミュニケーション

 以前から、細やかな気配りができると評判だった内勤の事務職Bさん。コロナ禍以降、社内でのやり取りのもどかしさとモヤモヤが溜まり続けています。対面での会話が少なくなり、ちょっとしたことも正しく伝わりにくく、以前のような仲間内の「あうんの呼吸」が通用しない環境を嘆くばかり。他の人はチャットやいろんなツールを使いこなし、さほど不都合もなく対応し、仕事にも影響していないように見え、さらに落ち込む日々です。(※わかりやすく伝えるためのフィクションです。以下同様。)

●対面中心のコミュニケーションでの成功体験が、新しい形での対応を阻む原因であるこだわりはいったん捨てる。相手を気遣う気持ちがあれば、状況の変化に合わせて自ら変わる努力をする切り替えが大事。

 まじめで優秀な方ほど、これまでの成功体験とは違うことをしようとする際の抵抗感が大きいのかもしれません。どうしても、100%を目指して考えてしまったり、失敗を極度に恐れるあまり、変化に対応しきれなくなる、という傾向です。ただし、社内で円滑に仕事をするのに必要なコミュニケーション力の基本を思い出しましょう。まず、相手ありきですよね。自分の殻に閉じこもって嘆くよりは、新しいコミュニケーション・ツールのメリットに注目し、伝える努力と工夫のために自ら動くのがベストです。(※資料2参照)

[終わりに]

 仕事をする上で必要な、コミュニケーション力について、基本的な考え方を解説してきましたが、いかがでしたか?知らなかったこと、意外だったことも含め、前向きにとらえるのがポイントです。そもそも、人間だれしも完璧ではないので、勘違いだと気付けば、知識の微調整を行うまでです。厄介なのは、わかったつもりでいる自分の中での定義を、周りに押し付けてしまうこと。あるいは、本人は良かれと思って発言したり行動したりした結果、周囲とぎくしゃくしてしまうことです。「社会人として必要なのは、コミュニケーション力!」という言葉が独り歩きし、かえってミスコミュニケーションが起きているという現象を見ると、言葉の本質を理解して行動する大切さを実感します。
 日本文化は、「空気を読む」といった表現があるように、文脈理解が重視されるハイコンテクストな文化ですが、言外の情報を共有するカルチャーが、大きな誤解やスレ違いの原因にもなっています。ですからせめてビジネスの世界では、論理的思考を軸にして進めたいもの。正しいコミュニケーション力を身に付けることが、より良い関係への近道なのですから。

(株式会社フジプラス)

まとめ

■コミュニケーションという言葉を正しく捉え、双方向の意味合いを理解することが大事。
■お客様や職場の仲間に対して、何らかスレ違いを感じる場合は、思い込みを捨ててみる。
■ビジネス上のコミュニケーション力として、相手への配慮や気遣いは重要かつ必須項目。

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