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プランニング NEW2022年3月 2日

PDCAを「仕組み化」する "階層式PDCA"で解決する成果を上げるためのPDCAの本当の回し方

PDCAとよくある問題点

 あなたがビジネスマンであれば、PDCAについて一度くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。PDCAは「Plan」「Do」「Check」「Action」の頭文字であり、【計画→実行→評価→改善】を1セットとして、この順序を繰り返すことで継続的な業務改善を図る手法をいいます。最近では、成果を確実に素早く実現するために、このPDCAサイクルをどれだけ高速に回せるかという"高速PDCAサイクル"が求められています。その最大の理由としては、世間や周囲の変化が速くなっていることが挙げられます。気づけば状況が一変している...なんてことも経験した記憶はございませんか。まずは、この4つの作業について改めて確認したいと思います。
「Plan」では、目標を設定し、それを実現するために仮説を立てつつ計画をします。よく新規事業等を計画するときにも取り上げられますが、5W1H(何を・何故・どれだけ・どのように・誰が・どこで・いつまでに)などを意識して考えるようにします。
 次に「Do」では、「Plan」で計画したことを実行していきます。実行した具体的な内容やプロセス、その詳細は明確に記録して残しておきます。単に「できた」「できなかった」ではなく、後のプロセスで客観的に確認するためにはその詳細の記録が必要になってくるのです。
 その次の「Check」では、計画どおりに実行できたか、その成果は当初想定していたどおりになっているかを評価します。よくチームでタスク管理が停滞することなどは無いでしょうか。殆どの場合、この「Check」の段階で「なぜこのようなことになっているのか」「なぜできていないのか」といった振り返り(あるいは検証)が行われておりません。その原因を探る作業になります。
 最後に「Action」ですが、Action?行動?実行?と言葉の意味だけを捉えると少し混乱してしまうかもしれません。ここでの「Action」は「Check」で振り返ったことを踏まえ、PDCA全体の目標や仮説、計画そのもの、実行内容の細分化などをして調整作業をします。そのうえで、改めて「Plan」に戻ってPDCAサイクルを回すことになります。
 何となく回せるけど、何のために回しているのかを見失ったり、計画が曖昧でつまづいて止まってしまったり、気がつけば単なるタスク管理で終わっていたりと、これらの事がPDCAの問題点としてよく挙げられます。そうならないためには、どのようにこのPDCAに向き合えばよいかを考えていきます。

PDCAを「仕組み化」するコツ

 おそらくですが、前述にあるようなPDCAの一般的な定義しか伝わっておらず、本来のPDCAを使いこなせていないのが現状なのかもしれません。誰もがPDCAを使いこなせるようにするためには、PDCAを「仕組み化」することをお勧めします。ここでは、当社であればこんな感じに「仕組み化」するという前提でその項目を列挙していきます。

  • Plan(計画)
    ①目標を数値化・定量化する(KGI化)。
    ②現状と目標のギャップを数値で確認する。
    ③ギャップを埋めるための課題を、現状の数値を含め3つ挙げる。
    ④現状の課題数値に対して、それぞれの目標数値を定める(KPI化)。
    ⑤目標数値を満たすための解決策を、それぞれさらに3つ程度ずつ挙げる。
  • Do(実行)
    ①Plan(計画)で決めた解決策に対し、具体的な実行内容を決める。
    ②その実行内容が「手軽か」「短時間か」「効果大か」で評価する。
    ③実行内容の評価をもとに、優先順位をつける。
    ④実行内容に対して、達成したか判断するための目標数値を定める(KDI化)。
    ⑤目標数値を踏まえて具体的な実行をする。
  • Check(評価)
    ①KGI、KPI、KDIの達成率を確認する。
    ②KDIについて、時間をかけたか・かけなかったか。
    ③KPIについて、行動できたか・想定したとおりだったか・仮説と合っていたか。
    ④KGIについて、そもそもKPIと連動しているか・ギャップや課題と連動しているか。
    ⑤それぞれ、失敗要因だけでなく、成功要因を明確にする。
  • Action(改善)
    ①KGIに関わる目標レベルを調整する。
    ②KPIに関わるギャップ課題レベルを調整する。
    ③KDIに関わる解決策・実行レベルを調整する。
    ④必要に応じて各所(特に成功部分)の引き上げ案を検討する。
    ⑤必要に応じて各所(特に失敗部分)の中止案を検討する。

複数のPDCAをゴリゴリ回すには

 これもよくある話ですが、PDCAサイクルは何も"1つだけ"という訳では無いという誤解です。前述のような「仕組み化」をしようとすると、実は上中下それぞれのレイヤーにおいて複数のPDCAを回すことで目標に向けて動き出すことがイメージできるかと思います。
 「え?そんなに複数のPDCAが回ると、時間なんて無いよ。」と言う人が必ずいます。でも考えてみてください。これまで特にPDCAを意識しないで取り組んだプロジェクトがあったとして、目標到達においては絶対に複合的な要因あるいは行動が重なり合うことで成功していたのではないでしょうか。
 PDCAをゴリゴリ回すためには、いくつかの思考法を取り入れると分かりやすいかもしれません。例えば、物事をチャンク・ダウンして考える思考法です。チャンクとは「塊」を意味しており、人は過去の経験や思考を「塊」にして記憶する傾向があると言われています。これを解きほぐして具体化する際に5W1H的な質問を相手(例えばプロジェクトリーダーから)にしてもらうことで、より具体的な解決策や行動が見えてくるかもしれません。また、チャンク・アップ(チャンク・ダウンの逆)は目標や解決策からズレていなかったか、上位レイヤーを検証する方法でもあります。
 他にもリフレーミング(視点移動)の思考法があります。これは物事の捉え方や見方が、普段は一方向からしか見えず、「これしかないかも!」と人は思いがちです。例えば、人や関係を見直したり、反対の発想に変えてみたり、時間や期間を変えてみたり、さらなるプラス方向を見てみたりと、物事を俯瞰的に見たり見てもらうことによって得られる気づきがあります。
 あとは、そもそも「時間なんて無いよ」という場合、その発想もリフレーミングしてみましょう。「時間が無い」のではなく「時間を作る」のです。それも定期的に、短時間で、繰り返しできる環境をつくるのです。例えば、週1回の振り返りミーティングであれば週2回にしましょう。1時間もの時間をかけて振り返り会議をしているのなら、30分以下に減らしましょう。チェックシートの記入が多すぎるのであれば、10分程度で書けるものに変更できませんか。それらの工夫の積み重ねで、複数のPDCAが徐々にゴリゴリと回り始めます。


 これまで慣れ親しんでいたPDCAサイクルも、このように「仕組み化」することできっと企業の財産になります。リソース不足で誰もが多忙になっていく世の中を確実に自走するためには、このような考え方と仕組みがあることで、人は集中力が芽生え、これまで以上に好奇心を持って取り組めるようになっていくことでしょう。

(株式会社フジプラス)

まとめ

■世間や周囲の変化が速くなっているため、これまで以上にPDCAは高速で止まらないように回さなければならない。
■PDCAを「仕組み化」するためには、具体的なすべき項目や手順を決め、目標=KGI、課題解決=KPI、実行内容=KDIで数値化して可視化する必要がある。
■PDCAをゴリゴリ回すために、チャンク・ダウンやリフレーミングなどの手法を取り入れ、多く、素早く、確認し合える環境を整える必要がある。

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