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「わかったつもり」が一番コワい!解決ポイント解説④ 正しく理解すれば自信を持って使える用語「ブランディング」について知っておきたい基本情報
最近、ビジネスシーンにおいて、こういう話を耳にすることはありませんか?未来に向けた変革を進める際にまず社内で浮上する、「今こそ、リブランディングが必要だ」というもの。brandingにreがついたrebrandingは、お察しの通り「再び」という意味が加わりますので、言ってみればブランド再構築といった言葉で表現できます。既に確立された認知度も高いブランドであっても、絶対的価値ではなく、様々な要因の中での相対的価値だからこそ、時代や社会の変化に応じて再構築が求められます。では、再構築の前に、そもそも「ブランディング」って何?いや、「ブランド」の定義ってどう理解しておくのが正解?といろんなことが次々と浮かんできそうです。というわけで、今回は「ブランディング」について、教科書的なお話はさておき、少なくともこれだけ理解しておけば話の迷子にならない!という基本を解説していきましょう。
「ブランド」の語源、「ブランド」のあれこれ!
身近な言葉ほど、その意味の由来や語源について調べる機会がないまま使ってしまいがちですが、この「ブランド」もそうでしょう。この言葉は、「焼き印」に由来するというのが通説です。所有する牛に焼き印を押し、「これは私の牛だ!」と示すことで、他の牛と区別するのが目的でした。他との差別化という意味合いは、まさにここから来たわけです。なお、brandという単語を英英辞典で検索すると、何番目かの意味として「だれが所有しているか示すために家畜に押した焼き印」(筆者訳)というような意味の英文が提示されます。
そんな「ブランド」ですが、ビジネスシーンにおいては、「ブランド価値を高めるため...」だとか、「ブランドイメージの転換施策が...」といった使い方で登場することが多いですね。一方で、「ブラン
ド」と聞くと、日常会話的な話としては「私はこのブランドのバッグが大好き」だとか、「買うのはこのブランドに決めている」といった、具体的なプロダクトイメージが先行しがちで混乱してしまうところ。そこで、ここからもう一段階踏み込んで整理していきましょう。
「ブランディング」を理解する
「ブランド」について大まかに理解できたところで、「ブランディング」の意味にも触れていきます。参考までに、同じく英英辞典を検索すると、「商品を特定の名称やシンボルと結びつけたり、特徴やアイデアと関連付ける等、広く認知してもらうことで購入につなげる活動」(筆者訳)というような意味の英文が提示されます。いわゆる辞書的な定義、つまり先ほどふれた、プロダクトに関する定義としては、実に明快ですね。ただし、「ブランディング」の意味するところのフィールドは、今なお広がり進化し続けています。「セルフ・ブランディング」「パーソナルブランディング」(※いずれも、個人のブランド化の意)という言葉まであるぐらいですので、想像に難くないでしょう。ということで、「ブランディング」については、最もビジネスの現場で出会う可能性の高い2つの代表的なもの、1「コーポレート・ブランディング」と、2「プロダクト・ブランディング」を取り上げます。
1は、企業価値そのものを高めるためのブランディングで、例えばコーポレートロゴのCI・VIも含まれ、CSR、コンプライアンス等も交えた企業イメージや信頼感の向上、社員の士気アップにも関わり
ます。2は商品・サービスを、顧客や消費者に価値あるものとして認識してもらうブランディングであり、競合商品・サービスとの差別化を伝えるための施策を指しています。
CASE1「コーポレート・ブランディング」
スモールスタートしたA社が、ある程度成長してきた段階で、企業としての発信力や信頼感を高めたい場合に、「何から取りかかれば良いのか?」と相談された場合を考えてみます。まずはスタート時の振り返りのために起業動機や目的、さらに中長期計画等を経営層にヒアリングし抽出したキーワードを元に、優先事項を設計していきます。何もかもが初めてという場合は、内部(社員)に対するブランディング思考の浸透も必要だと考えました。(※わかりやすく伝えるためのフィクションです。以下同様。)
●「これを見たらA社を思い出す」象徴として、例えばコーポレートロゴやスローガンを作成し、名刺、コーポレートサイト等の外部発信ツールに反映。社員のモチベーションアップのきっかけとしても重要。
数名で事業を運営している間は、議論・相談を通じて思いを共有するのは比較的容易ですが、企業の成長に伴い、組織を進化させるために「心と心の接着剤的なもの」が必要となります。それが、ロゴやスローガンの果たす役割とも言えるでしょう。目指すものを具現化したシンボルを持つことで、どう情報発信すべきか考える機会も増え、会社案内やコーポレートサイトによって、自らが「こういう会社だ」という統一見解が持てます。さらにふさわしい行動を意識することで、企業としての信頼獲得に繋がります。(※資料1)
CASE2「プロダクト・ブランディング」
とある地方で長年実績のある食品メーカーB社が、全国展開するにあたり新商品を開発。「従来とは異なるマーケットで勝負するにあたり、どういった施策が必要なのか?」という相談があった場合を考えてみます。この場合、地元とは違いB社のブランド力はほぼゼロなので、新商品に特化したブランディングが必要となります。どんな価値をアピールすれば消費者の関心を集め、認知度を高めることができるかを考慮した販促シナリオを作成することが必要だと考えました。(※わかりやすく伝えるためのフィクションです。以下同様。)
●開発時に想定したペルソナに対し、食べるシーンや得られるベネフィット等を掘り下げ、信頼されファンとして愛され続ける商品価値とは何かを理解する。特にマーケティング視点・発想が重要。
プロダクト・ブランディングの場合は、購入という明確な成果を目指すものなので、マーケティングと連動しながらブランドとしての価値を確立していきます。品質や製法のこだわりを正しく伝える各種ツールは、統一感のあるクリエイティブが必須で、商品サイトや、各種広告からのランディングページなど、くまなくチェックが必要です。知ってもらう第一歩となるプレスリリースのタイトルも、SEO対策上外せないポイントであり、SNSでの拡散を狙うにしても、緻密な仕掛けがあってこそ。(※資料2)
[終わりに]
これまで、「ブランディング」は、大企業以外は無縁だと感じていた方もいらっしゃるかもしれません。今まさに認識も新たに、新しい気付きの扉を開くチャンスです。ブランディングの規模感もいろいろなので、絞り込めば今すぐにでもスタートできます。中小企業はもちろん、極端な話、たとえ一人の起業家やフリーのディレクターであろうと、まずは自社・自身の強みを知ることから。不確定要素がうごめく現代にあって、一本ビシッと筋の通った価値を構築し、一貫性のある情報発信をすることは、大きな信頼感につながります。信頼できる人・会社に任せたい、というのは当たり前の話なのですが、そのバックボーンがブランディングであると受け止めておくのもありですね。価値観や社会の仕組みが急速に変化しながらも、人と人とで築き上げる信頼こそが資産となります。それを糧に、次なる目標に向かうことで、強いブランド、ファンに支持されるブランド、戦って勝ち残るブランドというステイタスを手にします。自信を持つことが、ひとつ上のステージに上がる足がかりとなるのは間違いありません。
(株式会社フジプラス)
まとめ
■「ブランディング」の基本を理解すると、ビジネスの現場で見える景色が変わってくる。
■「コーポレート・ブランディング」と「プロダクト・ブランディング」の目的を正しく理解しておく。
■ブランド戦略は、信頼感の醸成やファンづくりの肝となり、これからますます重視される。
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