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テレビ局アナウンサーという視点から 「表現のプロ」から見た大切なこと 今日から実践できる「伝える力」の磨き方
コロナ禍をきっかけに、オンライン会議や商談など、直接対面で会わないコミュニケーションの機会が一気に増え、ビジネスシーンでも「どう伝えるか」が注目を集める時代となりました。これまでこうしたやり取りと無縁だった方の中には、対面とは事情の違う対応に、苦手意識で悩む姿も。そこで、表現すること全般に関わるプロフェッショナル、アナウンサーとして幅広いジャンルでご活躍の、関西テレビ放送株式会社 コンテンツデザイン本部 コンテンツデザイン局 アナウンス部 専門部長 関純子氏に、正しい伝え方についてお話を伺いました。
関 純子(せき じゅんこ) カンテレアナウンサー
大阪府出身。大阪大学人間科学部卒業。「痛快!エブリデイ」の司会を落語家・桂南光氏と約15年担当。現在「関純子アナのゴーゴー体操」「カンテレ通信」「発見たまご!ころころコロンブス」「カンテレNEWS」などを担当。イベント司会、講師でも活躍。レクリエーション介護士2級取得。一男一女のママアナ。
アナウンサーとして意識するのは「時間と空気を作ること」の大切さ
関西在住の方は、「関純子アナと言えば『痛快!エブリデイ』」とおっしゃる方も多いかと思います。あらゆるジャンルの番組の司会を務める豊富なご経験はもちろんのこと、元気で明るい笑顔が印象的ですが、実は採用面接時のエピソードでの伝説の持ち主でもありました。面接官から1分間の自己PRコメントを求められた際、デパートのいわゆる「エレベーターガール」のモノマネを取り入れるという度胸が目に留まり、晴れて入社したとのこと。アナウンサーという職業には大学時代に、体当たりロケやおもしろコメントで知られたフジテレビの女性アナウンサー(益田由美さん:当時)の姿をテレビで見て興味を持ったそうですが、直接のきっかけは大学の先輩からの誘い。「関西テレビに入社した1年上の先輩から声をかけてもらって、ほぼ準備なしで受けてあの自己PRですよ」と語る表情から、むしろ「運命」で、アナウンサーこそ天職だったのでは?というパワーすら感じました。ご本人いわく「子ども時代も、クラスでスピーチが上手な子を見てうらやましかったぐらいで。入社後も、恥ずかしながら色んな失敗をやらかしてきました」とのこと。新人時代、インタビュー時に大女優の三田佳子さんのことを「これからが楽しみな女優さんですね」と新人女優に声をかけるように言ってしまい、その場が凍り付いた一件は、さすがに苦い思い出に。ただし、失敗したらすぐに反省し繰り返さないためにどうすべきか、失敗を糧に乗り越えてきたからこそ、「失敗は成功のもと」という言葉を実感として深く胸に刻んでいるそうです。そうした経験も乗り越えキャリアを積んだからこそ、「アナウンサーという仕事でのやりがいは、『時間と空気を作ること』だと思っています。良い空気を作って盛り上げると、発言や内容が充実して、より良い時間が過ごせると思うんです」との言葉には納得でした。

「局アナ」としての豊富な経験から伝えることの意味と本質に迫る
アナウンサーの視点から、ビジネスシーンで一般的な話し方の悩みへのアドバイスを伺ったところ、実に明解でした。「声にコンプレックスがあっても自分らしさだと認め、声質・声量に合わせた話し方の工夫が大事。マイクを使う時は、どう向けると集音しやすいか知っておけば自分で調整できるし、自信を持って話せますよね」と。最近では、マスクをつけたままマイクを使う場面も多いので、事前の音声チェックは特に大事です。「当たり前の話ですが、声に出すのは人に伝えるためなので、早口でまくしたてるのは論外。滑舌に自信がなくても、大切な個所を区切ってゆっくりクリアに発声するだけでも伝わり方が違います」。
例えば司会の場合、限られた時間で密度の濃い内容にするため、ムダのないシンプルな表現を心がけているそうです。「最近多いのは、進行台本での『させていただきます』のオンパレード。担当者の確認をとってから、流れを崩さない範囲で書き変えることもあります。」と関氏。確かに、会議や商談でも『させていただきます』の多用は気になるもの。スムーズに伝えるためにも、時間管理の意味でも、細かい配慮の積み重ねが不可欠ということです。もう一つの切り口は、漢語と和語、例えば「ご着席ください」と「お座りください」の使い分けです。漢語は重厚な、和語は柔らかい印象を与えますので、ビジネス系イベントでは漢語を多め、幅広い層を集めるイベントでは和語を多め、を意識するそうです。企業がセミナー(リアル/オンライン)を開催する機会も多いですが、「台本上では分からないこと
も多いので、通しリハーサルは必ずやるべき」とのこと。また、イベント、番組、会議、商談のいずれであっても、関わる全員への配慮が進行をスムーズにし、良い成果をもたらすそうです。司会の仕事の
前には、その場に集う方々の属性、話のテーマやカテゴリー、時間帯、会場、スタジオセットを事前確認し、声のトーン、衣装・アクセサリー、ヘアアレンジを想定するというお話は、プロ意識とは決して手を抜かない、基本の積み重ねだと理解しました。
オンライン・コミュニケーションも怖くない!新常識さえ理解できれば基本は同じ
伝えるプロとしての極意は、一般のビジネスパーソンにも当てはまる時代が到来したと実感しました。対面での会議や商談が制限される状況では、「阿吽(あうん)の呼吸」「暗黙の了解」が通用しなくなり、以前は当たり前だった技が発揮できず苦労する方も多く、個々の「伝える力」が交渉の行方を左右するようになりました。これに加えて、マスク問題です。「マスク生活が長くなって顔の表情に無頓着になると、感情が見えにくくコミュニケーションが難しくなります。せめて目は笑顔で!とか意識しないと感覚が失われるので要注意です」。こんな時代だからこそ、感情表現も大切。それと関連するのが、オンラインで「リアクションがわからない問題」ですが、「ちょっと大きめにうなずいたり、手の動きをつけるのも良いですよ。画面という限られたスペースでの伝え方・見せ方のノウハウとして、手持ちフリップを使うテレビのニュース番組も参考になります」との見解でした。また、「コミュニケーションは双方向のやり取りなので、一方的に投げつけるような話し方でなく、相手を思って投げ合うキャッチボールでなくては」とも。
オンライン会議に慣れている方はご承知でしょうが、マイクの音声や受信映像などのトラブルも珍しくないため、「事前の音声チェックや照明の準備などが、直接会えない相手への気遣いとして受け止めてもらえる」との意見にも共感しました。「話をするためにこれだけ準備しましたよ、時間を使っていますよ、という事実は、信頼関係を築く第1ステップ。恋愛でも、デートを盛り上げるため一生懸命考える姿は相手の心を動かしますよね。相手を気遣って行動する意味では、ビジネスでも同じ」との見解も、ごもっともです。こんなにも「画面を意識して過ごす日常」が新常識として短期間で押し寄せた驚きと共に、「伝える力」の新たなリテラシーが語られる世界が出来上がっていることを、改めて実感しました。
今や、テレビ局も例外ではない!新発想で既成概念を超えてゆく
昨今、各業界でビジョンやブランドの再定義が話題ですが、テレビ局も例外ではありません。広く情報発信する従来の役割にとどまらず、直接視聴者の方と触れ合う試みも進んでいます。そのひとつがレクリエーション介護士の資格を取得して臨んだ2020年10月スタートの朝の体操番組『関純子アナのゴーゴー体操』です。シンガーソングライター・円広志氏の作詞作曲によるオリジナルソングに合わせたスタジオでの体操と、高齢者施設への訪問で構成(※コロナ禍の制限の中、配慮しながら実施中)。地域密着型コンテンツとして、ふれあいを通じて元気を届けるまでが一連のストーリー。「私の親世代の方々が、『いつもテレビで見てたよ~』と気さくに接してくださいます。一緒に体操したり、昔の映像を見ると皆さんいい表情です」という効果も出ているそうです。

『関純子アナのゴーゴー体操』 毎週土曜 午前5:55~6:00
シニア世代から小さなお子さんまで楽しめるオリジナル体操!
円広志の作詞・作曲・歌のオリジナル体操ソングにも注目♪
楽しく元気になる体操を皆さんに提案します!

『カンテレ通信』 第3・第4日曜 午前6:30~7:00
関西テレビの番組や社としての取り組みについて、より多くの、より掘り下げた情報を提供し、視聴者の皆様の声に耳を傾け、さらに身近な放送局となるための情報提供番組です。
2021年3月末には、ラジオ大阪の深夜枠で、関西テレビ・アナウンサーがラジオパーソナリティーをつとめる『カンテら!』がスタート。リスナーとの距離の近さの醍醐味や、声の表現力など改めて学ぶことも多いそう。「数年前の『超えろ。カンテレ』キャンペーンの時、自分の枠や考えを超えろ、と意識してきて、私もアナウンサーの仕事を超えたのかな?」との、ご自身の感想でした。誰もが、メディアを使って発信できる時代、巷(ちまた)にも面白い動画が多い中、テレビ局はどうあるべきかは大きな課題かもしれません。ただし、私たち素人が情報発信にトライして、やはりテレビ局のノウハウ、プロの仕事は違う!と気付かされるのも事実です。今回語っていただいた、「表現のプロ」としての知見については、実務経験に基づく貴重なお話ばかりでした。私たちも、ますます求められる「伝える力」を、いろんな角度から学んでいきたいものです。
(株式会社フジプラス)
まとめ
■「表現のプロ」アナウンサーのノウハウが、ビジネスシーンにも活かせる時代。
■「伝えること」の本質はわかりやすさ。伝えたい相手に対する心遣いが全て!
■テレビという枠を超え、地域密着で視聴者とふれあう新しいカタチに進化中。
関西テレビ放送株式会社については、こちらからご覧いただけます。
https://www.ktv.jp/
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