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イノベーション NEW2022年2月 2日

QR・ARとは違う使い方次第でさらに広がる スマホを「かざすだけ」で通信ができるNFC普及のカギとは?

「かざすだけ」で便利なNFCとは

 NFC(=Near Field Communication)とは、無線通信の国際規格のひとつで、Nearの言葉のとおり近距離無線通信技術です。その名前が示すとおり、通信距離は10センチほどに限定されておりますが、この距離の範囲内であれば対応機器をかざすだけでデータ通信、情報のやりとりが可能です。例えば、NFCを搭載したスマホを、NFCを搭載したデジタルサイネージにかざすだけで情報を取得出来たり、NFCを搭載したプリンターにかざすだけでスマホ内のデータをプリントアウトすることができます。このように、NFCの最大の魅力は「かざすだけ」という手軽さでしょう。今後NFCの普及が進めば、従来のようにアプリをインストールしたり、URLを入力したり、QRコードをスキャンすることなく、簡単にデータ通信が、情報のやりとりができるようになります。
 ここでポイントになるのが、NFCチップとスマホの対応状況かもしれません。NFCチップにおいては、一般的なのはNFCタグシールです。わずか数センチ四方のICチップが貼り込まれたシールは、すでに市販されており1枚数十円で入手することができます。また最近では、NFCタグが埋め込まれた対応用紙もあります。具体的には一般的な用紙と用紙の間に挟み込まれて、合紙された状態になったものです。これは対応している印刷機であれば、その用紙を使って印刷することができます。
 あと、スマホの対応状況においては、iPhoneはiOS 13.1以降であれば、NFCタグを読み取れるようになっております。Androidにおいては、初期の段階(OS2.3以降)から既に対応できるようになっているので、まず心配はありません。ただし、これらは全て端末自身が機能を持ち合わせている前提となります。iPhoneは7以降、Androidは各社メーカー製品の仕様次第となり対応はまちまちなので、その点での理解が必要です。

NFCが有効なシチュエーション

 NFCがもっと普及して、NFC搭載機器やNFC通信規格対応のICチップが街の中に増えてくると、どのようなことが起こるでしょうか。例えば、駅貼りの交通広告ポスターにNFC搭載ICチップを搭載すると、スマホをかざすだけで紙面には掲載しきれない多くの情報を伝えることができます。他にも、ポスターにスマホをかざすだけでクーポンを取得出来るとなると、興味のあるユーザーは気軽にスマホをかざすはずです。これにより、商品やサービスに興味のあるユーザーにダイレクトにクーポンを配布可能となり、高い販促効果を期待できます。
 また、広告だけでなく、公共サービスにもNFCの活用事例は多々あります。例えば、観光地の観光マップ。印刷物や看板は表示できる面積に限りがあるため、限られた情報しか掲載できません。しかし、NFC搭載のICチップがあれば、より詳細の情報を提供することが可能となります。観光地であれば、外国人観光客の利用もありえます。NFCを活用して、多言語の案内を提供することができれば、多くの観光客が自分のニーズに合った情報を受け取れ、より高い満足感を提供できるでしょう。また、言語だけでなく、画像や音声、画像コンテンツを合わせて提供することで、世界観やイメージ等をより豊かに伝えることも可能です。
 NFCの活用においては、あくまで「非接触」と「利便性」がポイントになるでしょう。考えられるシチュエーションとしては、出先であり、どうしてもパッとサッとかざしたくなる場合に特に有効でしょう。

NFCとFeliCaの違い

 NFCの技術は、一般的にはFeliCa(フェリカ)で知られております。FeliCaはNFCの技術の1つであり、SuicaやWAONなどのICカードで使われております。主に決済手段のカードとして多く用いられていますが、最大の特長は、一般的なNFCより通信速度が速いことです。一方、FeliCaが活用されているのは日本や香港などのごく限られた地域だけになっています。
 この両者、実際には規格が異なり、NFCには「TypeA」や「TypeB」が一般的で、FeliCaは「TypeF」です。よって、FeliCa対応のスマホが必ずNFCタグが読めるわけでは無いのです。ちなみに「TypeA」はタバコ購入時に使うtaspo等で、「typeB」はマイナンバーや運転免許証などに採用されております。


 NFCを使えばただ「かざすだけ」でいいという手軽さなのですが、現実的にはまだまだ普及までには至っていないという印象です。むしろわざわざ使うだけの有益なアクションさえあれば、発信者・ユーザー双方にとって大きなメリットであると言えるでしょう。その点、何のためにデジタルへ誘導するのか、これまでのQRやARなどとは違う発想が求められています。

(株式会社フジプラス)

まとめ

■NFCは「かざすだけ」でデータ通信ができ、対応機種であればわざわざアプリのインストールも必要が無い。
■NFCにおいては、出先でパッとサッとかざしたくなるための「非接触」と「利便性」の有効性が問われる。
■FeliCaはNFC技術の一種ではあるが、規格が異なり、主に交通や決済の手段に活用されている。

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