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「こんなはずじゃなかった!」を防ぐ "企画迷子"にならない社内プロジェクトの進め方・動かし方
仕事上もしばらくオンラインでのやり取りが中心だったのが、ここにきて対面(リアル)での会議の機会が増えた!と感じている方も多いのではないかと思います。中でも、新しい動きをするにあたって、社内プロジェクト(※以下PJと表記)チームを立ち上げるようなケースは、対面(リアル)の価値を実感する代表例でしょう。ちなみに、いわゆる大規模PJはいったん忘れてください。ここでは、数名レベル(場合によっては2~3名)の小規模イメージでご想像ください。何度か経験された方は、タイトルを見てピンと来た方もいらっしゃるかもしれません。意気揚々とスタートするも、なぜか思うように進まない、形にならないのはなぜでしょうか?事情に通じたメンバーが集い、各々の知識を活かして成果を出す姿を思い描いてスタートしたはずが、時間だけが過ぎ、報告もマンネリ化し...、という負のスパイラルにハマると出口を見失ってしまいます。そこで、今からすぐにでも軌道修正できる、進め方・動かし方のヒントになるお話を、ご紹介していきます。
目的・目標は、とにかく具体的かつ明確に!
「カッコいい」PJタイトルを付けると、奮起するきっかけにはなりますね。それはそれで良いのですが、内容をズバリ表現できないことも多いため、ぼんやりしがち。よって、本来最初にすべきことは、目的・目標をはっきりさせることなのです。全メンバーが、第三者に同じように説明できるレベルであれば、まずはOK!〝迷子〟の予感があったり、既に〝迷子〟を自覚している場合は、勇気を出して振り出しに戻りましょう。何のため?何をすれば達成できたことになる?の確認です。具体的な指標として、数字で示せたらベストです。ブレスト的にアイデアを広げていくのは良いのですが、広げたまま勢いだけで走るのは危険です。軸になるものを常に意識しておかないと、本来の目的・目標から大きく離れてしまいがち。メンバー同士のチェック機能を持たない限り、「何がしたかったんだろう?」「何で形にならないんだろう」と悶々とする日々がやってきます。目的・目標が正しく共有できたら、次に重要なのはスケジュール管理です。イベントでも、事前の企画・構成と、当日のタイムマネジメントの両方があって初めて成り立つのと同じ。そこで、次に確認すべきこととして、目標達成までのシナリオづくりからスケジュール作成までのポイントを挙げておきます。
目標達成までのシナリオづくりのココが大事!
チームとして気持ちを1つにするには、最低限のルール作りも大切です。やはり、PJと名が付く限りは、リーダーを決めたいもの。「みんなでフラットに話をしたいから」という思いと矛盾するものではありません。話し合いはフラットでOKですが、何かを決める際にイニシアチブを取る存在を決めておかないと、永遠に決まらない!なんてこともあり得ます。多数決ではまとまらない、あるいは多数決が適さない状況も出てくるので、リーダーシップを発揮する仕組みを用意しておくことのをお忘れなく。
【シナリオ】
PJの目的達成のため、いくつかのステップに分けて考えます。確実に成果につなげるには、進捗確認しやすい「仕組み」を設定すること。まずはこうする、そのためにはこれが必須、さらにここで実践すべきはこれ、と可視化し共有します。
【役割分担】
役割が曖昧だと、メンバーとしてうまく機能しません。「だれかがしてくれるだろう」と何もしないメンバーが出ないよう、ここでも「仕組み」が欠かせません。必ず明確にし、スプレッドシート等でも良いので、各自が定期的に記録を残すことも大事です。
【スケジュール】
達成状態から逆算して、計画を立てます。ある程度の負荷をかけるのは良いとして、あまりに現実離れした計画は避けましょう。途中で軌道修正することも想定し、まずは7割程度の完成度を目指すイメージで。いきなり完璧を目指すと、計画時点で停滞し、全く進まなくなってしまいます。
「困ったな」事例 その1
部署横断的な多様なメンバー構成の場合
別部署に所属する数名で構成されるPJも、比較的よくあるパターンですが、普段接点がなく「直接話をするのは初めて」という場合、こんな「困った」が起きやすくなります。そもそも意見が出にくい(様子見で発言を控える)、出ても意見がバラバラでまとまらない(自分視点のみで語る)、という状態から抜け出せず、皆が「だれか決めてほしい!」と他力本願になる現象です。そもそも何から解決していけば良いのでしょう?(※わかりやすく伝えるためのフィクションです。以下同様。)
●熱意だけでスタートしても、企画が定まらず何ひとつ決まらないというパターン。元々の接点がないチームだからこそ、役割分担の明確化が先決。その上でチームとしてPJの目的・目標を共有し、異なる意見が出ても都度調整しつつ進めるのが理想。
変な遠慮や忖度など、PJがうまくいかない要因は様々です。多様な視点を活かして成功に導きたいとの思いで部署横断的メンバーを集めても、役割が不明瞭なままの見切り発車だと、どうしてもかみ合わずギクシャクしがち。そんな時は、潔く仕切り直すのが賢明。役割を明確にするだけで、各自分担してのリサーチや資料作成等も捗るはず。ある程度進むと、目標到達に何が足りないかが見えてきて、次に何をすべきか絞られ可視化されるので、次第に自走できるようになるはずです。
「困ったな」事例 その2
似通った属性のみで構成されたメンバー構成の場合
同じ部署に属している同世代、同性等、一見まとまりやすそうなメンバー構成のチームにも、実は「落とし穴」があります。仲間感覚で意見が出やすいメリットはあっても、その後が問題です。活発に意見は出るものの、話が逸れてもしばらく気付けずゴールを見失ったり、だれかの意見にノリで賛成して進めたものの、結論にたどり着かずループし続けたり。深掘りが不十分で行き詰まってしまった場合、どうすれば良いでしょう?(※わかりやすく伝えるためのフィクションです。以下同様。)
●いきなり全員一致するような意見は、疑ったほうがいい!というのが鉄則。十分なリサーチもなしに根拠に乏しい思い付きから始まったアイデアは、極めて危険。「本当にそうなのか?」と立ち止まり検討・熟考が必要。
語弊を恐れず言うならば、常識ほどいったん疑ってかかって検討すべきでしょう。この点は、かのドラッカーも言及していますよね。結果、「やっぱりこれで良い」との判断に至れば良いのですが、大抵は、重要な点を見落とし、都合の悪い事実に目をつぶり、勘違いしている、というケースです仕事は仕事!リラックスした雰囲気で意見を出し合うのは良いとしても、けじめが肝心。互いにシビアに検証し合える緊張感も必要です。また、時には上司を含めた別視点の方に、参考意見を聞いてみるのも有効です。
[終わりに]
それぞれのPJごとに適した方法があるはずなので、「これが正しい」という公式はありません。ただし、一般論的であっても目安になる対処方法を把握しておけば、壁にぶつかった時、解決への近道にはなるはず。〝企画迷子〟になるのを避けるため、あるいは〝企画迷子〟に陥ってしまっても、自力で抜け出すヒントとして思い出していただけたら、と。せっかく時間と労力を費やして企画しても、実情に見合ったものでなければ単なる自己満足です。成果につながる企画の実現には、自分たちを俯瞰的に見つめる視点が欠かせません。チームプレーの利点を活かすならば、基本や常識をまずは正しく理解した上で、常識を超えたアイデアで成果につなげていくことです。発想は自由に。でも、プロセスはかっちり正確に!です。ついつい一気に問題解決できるようなミラクルアイデアを望みがちですが、それはごくごく一部の方のみがなせる技。一発勝負的発想に頼らず。メンバーで検証・協力しながら地道に進めていくのが、こうした小規模PJのあるべき姿だと思います。
まとめ
■スタートが肝心!リーダーを決定し、目的・目標を具体化しメンバー内で共有。
■数値目標に向けた実施シナリオを作成し、スケジュール管理の徹底が重要。
■フラットな立場で意見交換し、いきなり完璧を目指さず調整しながら進める。
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