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マーケティング NEW2022年11月 2日

Z世代もシニアも「自然体」で 令和の"写真"事情3選

スマホのカメラ機能が日々進化し、加工アプリも次々と新しいものが登場している現在。デジタルカメラや一眼レフにも負けないような綺麗な写真や、「盛れる」「インスタ映え」な可愛い写真が個人で簡単に撮れてしまう時代でも、「写真館」は未だに存在感を放ち、特別な場所として人々に愛されています。また、いま若者を中心に写真に対する価値観が変化しているようです。今回は、そんな令和のイマドキ写真事情をご紹介します。

本格機材で自撮り セルフ写真館が大人気

 スマホで簡単に高画質の写真が撮影できる今、苦境に立たされている街の写真館は少なくない。ところが今、東京や大阪などで若い人を中心に「セルフ写真館」が人気になっている。この写真館には、フォトグラファーがいない。撮影スタジオには、三脚に据えた一眼レフカメラがあり、その前には椅子が2脚ある。スタッフが最初に使い方を説明して、あとはお客さん自身が自由にリモコンスイッチでシャッターを切るだけ。
 カメラの絞りや感度、照明は専属のスタッフが設定済み。オートフォーカスになっているため、お客さんはシャッターボタンを押すだけでいい。スマホと違ってプロユースのカメラで特別感のある写真が、プリクラのように気楽に撮影できる。また、他人の目を気にすることなく自由に、自然の表情を写すことができる。

 東京・渋谷にあるセルフ写真館は予約制で、店のサイトで予約を済ませて来店。15分間撮り放題で1人1,900円。写真はモノクロ10枚を選んでスマホに送られる。L版の印刷写真と4カット写真とハーフサイズの写真もセットで人数分もらえる。他にも、15分間撮り放題で1人1,500円、カラーかモノクロどちらかを選択し、全写真がデータで提供される店もある。若い人たちの間では、普段と違った様子のモノクロ写真が人気になっている。

モデルのような美しい遺影を楽しく撮影

 "おばあちゃんの原宿"として有名な東京・巣鴨にシニア専門の写真館がある。利用客の多くが撮影するのは自分の遺影用写真。高齢になると写真は旅行や宴会など大勢で撮ったものがほとんどで、遺影としてそこから切り取って拡大するとピンボケになり、遺族の悲しみが増すこともある。それを避けるため、きれいな写真を撮っておきたいという要望が多い。
 この写真館では、遺影用写真の撮影でヘアとフェイスメイクのサービスをしている。メイクは担当者が一人つき1時間かけて行う。撮影も1時間かけて、いい表情を引き出す。すると、本人も驚くような、自然な笑顔できれいな写真が出来上がる。ただ、困るのはお洒落にしすぎて別人になってしまうこと。本人は喜んでも家族が困惑することもあるので、「変身」させずにポテンシャルを引き出すように心がけている。

 今の75歳以降の人は戦後生まれで、若い頃には人気ブランドが登場し、ファッションに気を遣ってきた人も多く、撮影でお洒落に興味を持つ人もいる。しかし、高齢者が楽しめる服や美容室が少ない。そこで、この写真館では、洋品店、美容室、ネイルサロンも始めた。最近では、シニアの家族が誕生日のプレゼントとして撮影を申し込んだり、家族と一緒に撮影したりというケースも多く、全国各地からひと月に100人以上が訪れている。

Z世代の写真は「自然体」がキーワード

 海外で新たな写真特化型のSNSが流行しはじめている。
 「Poparazzi(ポパラッチ)」は"アンチセルフィー"がテーマのアプリ。友達を撮影してポップ(タグ付け)すると、その友達のプロフィールページに写真がアップされるという仕組みだ。自分のページにも友達に撮ってもらった自然な写真のみが並び、自撮りを投稿することはできない。もちろん、自分が嫌な写真をポップされたときは削除することもできる。

 「BeReal(ビーリアル)」はアプリからランダムな時間に送信される通知を受け取ったら2分以内に自撮りをしなければならない、というユニークなアプリ。内カメラ・外カメラの両方で撮影され、フィルターなどの加工はできない。通知を無視することもできるが、ログが残る上に、自分が撮影するまで友達の投稿を見ることができなくなる。
 この2つのアプリの共通点は「自然体」であること。写真の価値は"盛る"ことばかりではなくなっているようだ。

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