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ユーザーの声を活かした企画・開発 モノづくり発想を活かしてオリジナル商品で「働く車」をサポート
株式会社パーマンコーポレーション 代表取締役 社長
中部 祥元 氏
日本の物流を支える基軸の一つとして、もはや欠かすことができない存在であるトラック。このトラックを代表とする「働く車」のドライバーの皆さんが、日々の仕事を安心安全かつ便利・快適にこなす上で必要なものは、荷物を確実に固定するツールから、足回りと呼ばれるタイヤ関連まで様々です。今回は、トラック・自動車用品、物流用品の企画・開発から販売までを担う株式会社パーマンコーポレーション(以下パーマン)代表取締役 社長 中部 祥元氏に、ダイレクト販売先駆けとしての立場から、変化の波が押し寄せる業界の現状と影響、未来展望を語っていただきました。
ターニングポイントはダイレクト販売の開始
2017年の社長就任以来、改革を行ってこられた中部氏は当初、金融出身の立場から、まず物理的なモノが動いてゆく様子に感銘を受けたそうです。同時に、こうもおっしゃいました。「創業者の吉原雅郎氏が、当時、新規参入にあたり海外でオリジナル商品の生産委託先を必死で探し出したわけです。だからこそ今も取引先やお客様と強い信頼関係を築き上げ、今なお感謝され続けているのです」。
創業者が開発したギアレンチ(資料1参照)、つまりナットを締めたり緩めたりする工具は、運送業界で知名度アップの切り札となりました。ギアレンチを原点に、コスパの良い商品開発にこだわった商品展開で信頼を得る中、創業者のアメリカ訪問によって大きな転機を迎えました。「35年ほど前のこと。アメリカでダイレクト販売を見て、パーマンもダイレクト販売を始めました。自分たちでチラシを作って、メーカーから直接仕入れてユーザーさんに直接届けるやり方です。ここからいっそうモノづくりの信念を持って商品をそろえていきました。ユーザーさんの声を聴きながら、より便利なものを作るので、通常の通販会社とは違う!単に仕入れて売るのではなく、安全面もよくわかっている人間が商品を確認しながら提供するから、信頼されるのだと思っています」。
パーマンショップ東京店
事業領域を明確化し 共有ユーザーの声を大切に!
「事業発展計画書を作って、毎年4月に私から発表・説明しています。創業者の思い、DXやGXを前提とした世の中の動きを伝え、社内的にはISOの項目をベースに各部門に対し課題を振り分け、進捗確認を行うというやり方です。お客様にとって本当に役立つことだけ、正直に一生懸命に!とやってきました」と中部氏。
「なんでも、では勝負できませんから、勝負する事業領域として『働く車』としました。輸送・物流に関連するところに特化し、商品開発していこうと。分野を絞り込んで勉強し、英知が結集すれば密度が高くなり、パーマンの得意分野がわかりやすくなりますから」と、ビジョンとしてドメインをどこに定めるかの大切さを説明してくださいました。社員への説明は、毎年環境変化に対応しながらも、軸がブレないよう、こう説明するそうです。「パーマンは『セレクトショップ』ですから、当社が自信を持って選んだ商品をユーザーさんにおすすめします。ヒット商品は必ず他社に真似されるの
で、小さなヒットでもいいから細かく重ねて、だれも真似できないものをたくさん持っている状態が理想」。オリジナル商品開発のための情報収集も重視し、各拠点には、ユーザーを直接訪問してヒアリングするための営業を配置しています。
「自社商品が想定外の使い方をされていることに驚くこともありますが、大変勉強になります。お叱りを受けることもありますが、信頼関係を築くには、お互いを知ることも必要なので、声になっていない不満を会話から拾うのも大切だと思っています」。
時代の変化の波を受け止め 真摯に商品開発を続ける
これまでも、法規制など時代の変化によって、多くの新商品が生まれてきました。例えばアイドリング禁止条例の時はエアコン無しでも快適に過ごせるグッズ、荷台からの転落防止の法規制時は安全対策関連商品が一気に注目を浴びました。また、少子高齢化の影響によるドライバー不足という課題に対し、働き手を守る目的で厳しくなる残業時間の法規制への対応も迫られています。他にも、どうすれば多様なドライバーに安心して働いてもらえるのか、に対応した商品も次第に増えつつあります。例えば、ショーリング・バー(荷物が動かないよう固定する棒状のツール)や、転落防止のためトラックにかけるステップ等も、軽くて扱いやすいアルミ製がよく売れているとのこと。さらに、「トラック事故のニュースを聞くたびドキッとすると同時に、どうすれば防げるのか?と考えます。今ある商品で危険はないか、改良すべきところは?新たにどんな商品が必要か?常に当事者意識をもつと、情報に敏感になるものです。近年では、環境対策の視点から、ディーゼルエンジン車の排ガスにアドブルーという液体を吹きかけて無毒化するのですが、これを受けて「パーマン・アドブルー(※)」として商品化しました。ポンプなど関連商品も揃えています。ユーザー様のことを考えたら、コスパや利便性を高めるための商品も必要です」と中部氏。
これらは全て、「創業時から、現場の声を吸い上げる仕組みを大切にしてきました。単なる物売りではなくて、困りごとや相談ごと等の声を集めてオリジナル商品をつくるのにつなげているんです」という信念を体現するものでしょう。なお、商品開発の中心は開発部門ですが、良いアイデアは、所
属部署を問わず採用されるとのこと。また、女性ドライバーの増加の影響もあり、開発部門で女性メンバーも活躍中。時には女性トラックドライバーのYouTube動画を観てヒントを探ることもあるそうです。
※パーマン・アドブルーは、アドブルー(AdBlueR) を使用したパーマンオリジナル商品です。
※AdBlueRはドイツ自動車工業会(VDA)の登録商標です。
ブランディング戦略を進めつつサービス提供を強化
パーマンがドメインとする「働く車」をめぐる社会環境も、刻々と変化しています。社会が求めるDX、GX、運送・物流業界の2024年問題(働き方改革関連法に関して)の解決に貢献する視点も必要でしょう。「お客様の困り事をとらえて、私たちがお役に立てることを考えなければなりません。ユーザーさんの困り事を解決するため、今後ECサイトをもっと活用します。事業発展計画書にも『当社のカタログ、ECサイトは運送業者様が中心に見ていただける存在として定着している。この無形資産・強みを活用し、物販に限らず、お客様のお役に立つサービスや情報を届けるプラットフォーム化を推進する』と記しています。パーマンのサイトが必要とされる情報窓口になるのが目標です」と中部氏。
クラウドを使ったパーマンオリジナルサービス提供にも注目!アルコールチェッカー点呼システム「アル・コール」、位置情報確認サービス「どこなん?!」などコスパの良さが特長です(※資料参照)。「モノ売り発想だと、気付けないことも多い。どんな商品が必要かを探るヒアリングで、お客様の率直な意見を伺う際、直接欲しいモノ(商品)は何かと質問しても答えづらいでしょう。『何をしたい?』という動詞で考えると本質が見えてきます。例えば、『機能に特化してくれたらいい』という意見が多ければ、スペック優先で機能性向上を追求します。実際、『たまにしか必要ないツールは、使いたいけど買えない』という意見をヒントに、レンタルサービスを始めました」。常に柔軟な発想でお客様の声を受け止める姿勢が、現在のパーマンをつくってきました。まだまだ掘り起こせばたくさん眠っている、本当に必要なサービスを追求すべく、未来を見据えて熱く語っていただきました。
(株式会社フジプラス)
まとめ
■「働く車」をドメインとし、オリジナル商品をダイレクト販売!
■様々な変化の中でも、ユーザーの本音と向き合う商品開発こそが最大の強み。
■ コスパにこだわり、おすすめできる商品だけを提供して信頼獲得
株式会社パーマンコーポレーションについては、こちらからご覧いただけます。
https://pa-man-w.com/
※所属及び記事内容は、2022年10月当時のものです。
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