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マーケティングの成功者は動画活用のプロであるべき理由 動画がもつマーケティング発展の大きな可能性
動画視聴はあらゆる世代において今や生活の一部となり、動画を起点に多くの流行や新たな購買体験が生まれています。生活者の消費活動に限らず、B2B企業の分野でもリードジェネレーションやリードナーチャリングの有効な手段として動画活用が加速しており、もはやどんな企業もビジネスに動画を活用しない手はありません。本記事では、動画活用の傾向と注目ポイント、今後の発展分野について紐解きながら、いかに企業のマーケティング活動に動画を活用し、成果を最大化できるかを探求していきます。
1. 動画のマーケティング活用における現状
「動画元年」といわれる2014年から10年が経ち、企業における動画の活用は大きく変化しました。かつて企業の動画活用はテレビCMが中心でしたが、今や若者だけではなく中高年もYouTubeなどの動画を日常的に視聴するようになり、様々な場面で動画が広く活用されるようになったのです。イギリスとアメリカを拠点とする動画制作会社Wyzowlの調査レポート(Wyzowl Video Marketing Statistics 2024)によると、2023年には企業の91%がマーケティングに動画を活用していると回答。2017年の63%から30%近くも伸びており、今やマーケティング活動に動画は必須と言っても過言ではありません。これを後押ししたのは、通信技術の発展、デバイスやアプリの多様化、ソーシャルメディアの世代を超えた普及、そして感染症の拡大によるリモート生活の浸透などでした。とりわけ、近年定着した企業のデジタルトランスフォーメーションとリモートワークがB2B企業における動画活用を促進しています。
この流れに取り残されることなく、マーケティング活動に動画を採用する企業は増え続けていますが、一方で多くの企業がその費用対効果に困難を感じているのが現状です(資料1)。

2. B2Cマーケティングにおける動画活用方法の変化と発展
B2C市場での大きな変化の一つは、これまで視聴率や露出数という指標でしか評価できなかったテレビ広告に「運用型出稿」という手法が現れたことです。地域を特定してCMを出稿したり、特定の会社名や商品名などでWeb検索される「指名検索数」をリアルタイムで計測することが可能になり、広告と検索の連動性が成果として見えるため、より効果的な広告キャンペーンを展開できるようになりました。
次に、ソーシャルメディアの拡大が挙げられます。2021年にTikTokが史上最速で10億人ユーザーを獲得したのは記憶に新しいことですが、同年夏に人気のTikTokerが筒井康隆氏の小説『残像に口紅を』を動画で紹介したところ、初版から30年以上の時を経て大ブームとなる現象が起こりました。書店に注文が殺到し、本が売れないと言われる時代に6回の重版を重ね4カ月で11万5千部が増刷される「TikTok売れ」につながったのです。そして、TikTokやInstagramなどSNSのアプリが普及するに伴い、ユーザーのスクロールに適した効果的な広告手法として注目されるようになったのが縦型動画です。モバイルファーストを重視するB2Cマーケティングにおいて、ソーシャルメディア専用のクリエイティブが開発されるようになったことは大きな変化だと言えます。
さらに、動画視聴において顕著なのが視聴時間の短縮です。TikTokの動画は基本的に15秒程度。縦型のショート動画は簡単に制作できるため、コンテンツの投稿数も膨大です。そんな中、ユーザーがTikTok画面をフリックするスピードは1秒前後と言われ、最初の数秒が勝負の分かれ目となります。マーケティングで動画を活用する際は、最初の数十秒で視聴者の心を掴むことが重要だと心に留めておかなければなりません。
また、動画活用の拡大エリアとして注目されているのが「コネクテッドTV」と呼ばれるインターネットに接続されたテレビです。以前は、若年層の間で「テレビは見ないけれどYouTubeは見る」という人が多数いましたが、今は年齢を問わずTVerやYouTubeなどの動画コンテンツを自宅のテレビ画面で視聴するライフスタイルが定着してきました。
効果測定のできるテレビ広告、ソーシャルメディアでの洗練された動画活用、コネクテッドTVの拡大は、いずれも今後の発展が確実視される分野だと言えます。
3. B2Bマーケティングにおける動画活用方法の発展
近年注目されているとはいえ、日本のB2Bマーケティングは多国に比べて著しく浸透度が低いのが現状です。デジタルマーケティングに専任担当を置いているB2B企業はわずか18.7%(※)に過ぎません。これは、日本企業の経営者の多くが営業出身であり、営業中心の事業展開に重きを置いているという背景が一つの要因でしょう。新規開拓よりも既存顧客の維持などのアプローチが重視され、戦略なき戦術の積み重ねで成長してきた結果、B2B企業では戦略的なマーケティングの導入が遅れてしまったのです。今後は、営業活動のデジタル化、すべての活動におけるWebサイトの活用、商談化促進への工夫、CRM/SFAの導入の組み合わせによるマーケティング力に加え、上流の顧客戦略策定、中流のマーケティング施策の最適配置など、本格的なマーケティングの導入が企業の競争力を決定する重要な要素となるでしょう。
B2B企業における動画の活用範囲は、B2Cと同じくテレビCMやソーシャルメディア(B2Bでは主にYouTubeとFacebook)ですが、それに加えてオンラインセミナーやリードナーチャリング分野も広がっています。製品・サービスの説明やデモ動画や事例紹介動画などは、テキスト情報よりもわかりやすく、端的に伝えることができる上に印象にも残りやすい。どこにいても見られるというメリットもあります。
面白い例に、BUZZMAFF(資料2)という農林水産省の動画があります。職員が自ら出演し、個性を活かして農林水産物の魅力を発信するという斬新な取り組みで、これまでにはないアプローチに一躍注目が集まりました。職員の人柄が溢れる動画は、普段なかなか知りえなかった情報を楽しく伝え、視聴者に親近感を与えると共に好感度や認知度アップに貢献しています。

オンラインセミナーやオンラインイベントはコスト効率が高く、参加者の利便性も高いため、コロナ禍のリモート対応で多くのB2B企業で活用が進みました。一方で、リードナーチャリングにおける動画の活用は、まさにこれからのテーマといったところでしょう。テレビCMとは異なり、ユーザーが能動的に情報を得るWeb動画は、広告主である企業が地域や属性、興味分野などを絞り込んでターゲティングがしやすいと言えます。それには、MA(マーケティングオートメーション)やSFA(営業支援)ツールとの連携が重要です。例えば、「どの動画をいつ誰がどれくらい視聴したか」というデータを営業チームに連携すれば、動画を見た人にフォローアップのコンタクトを図る、追加情報をE-mailで送るなどのアクションが可能になります。さらに、見込みの深度に応じて表示する動画を変えたり、ある動画を見た人には次にこれを勧めるなど、MAやSFAと連携しながら統合運用ができれば、動画の活用も本格化するでしょう。
また、顧客理解を深めるためのデータ解析が進み、AIのリコメンデーション機能を活用すれば、適切な動画を適切なタイミングで自動的に送信することも可能になります。これらの技術を活用していかにマーケティングを実践していくかが、今後B2B企業の経営とマーケティングに求められる課題であり大きな差別化の機会だと言えます。
(※)https://markezine.jp/article/detail/19783
4. 忘れがちな視点、そして最も大切なこと
米国のフォレスター・リサーチ社のジェームズ・マクベイ(James McQuivey)博士による2014年の発表では、1分の動画から伝わる情報量を文字に換算すると180万語に及ぶとの研究結果が示されています。Webページに換算するとまさに3,600ページ分。動画は、短時間で細部まで魅力を伝えられることに加え、五感に訴えかけるため記憶にも残りやすく、共有や拡散がされやすいと言われています。より短い時間で効果的に情報を伝えたいマーケティングで動画が中心になるのは当然の流れでしょう。動画は、製品やサービスの認知拡大、ブランディング力向上、販売促進、ファンづくりなどに今後も大きな期待ができますが、重要なのは動画を使うか否かの判断ではありません。マーケティングの本質は、顧客を理解し、ニーズを見出し、それに対して価値を提供して関係を構築すること。そして、それをいかに売上や利益につなげるかです。顧客を理解したうえで最適な動画を届けなければ、情報はただのノイズにしか過ぎません。忘れてはならないポイントは以下の3点です。
- 事業戦略からきちんとマーケティング戦略に落とし込むこと
- マーケティング戦略を実現する「実行群」として施策を認識すること
- この時点でROI設計とKPI設計に落とし込んでおくこと
動画は、単体の成果を見るのではなく、様々な顧客接点の中の一つとして位置付けるべきですが、わかりやすく結果を求められることが多いため、視聴数だけを稼ごうとするような活動もまだ多く見られます。マーケティング活動を経営の一部に組み込み、売上や利益に貢献させるためには、マーケティング部門が乗り越えなければならない壁がそこにあると言えます。その壁を乗り越えてこそ、マーケティングが企業の経営に根付いていくのでしょう。表現力豊かで、かつ手軽になった動画は、B2CとB2Bいずれの分野においても、施策の中心として今後益々活躍するはずです。
(アイデアウイルス編集部)
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