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デザイン NEW2020年8月19日

島根県・石見銀山の町から発信する「根のある暮らし」にこだわって 人の縁が縁を呼ぶモノ・コトづくり発想

株式会社石見銀山生活文化研究所開発事業本部 事業本部長
石田健一氏

世界遺産石見銀山で知られる島根県大田市大森町。人口400人ほどの山あいの小さな町に、「群言堂」ブランドを中心に「根のある暮らしを楽しむライフスタイル」を提案し、広く発信し続ける株式会社石見銀山生活文化研究所の本社があります。「石見銀山の地に根を下ろし、美しい日本の生活文化を、次の世代へ」として、古き良きものから新たに価値を創造する「復古創新」を合言葉に歩み続ける企業です。その魅力を探るべく、東京の"発信地"のひとつ『Re:gendo』にて、開発事業本部 石田事業本部長にお話を伺いました。


ここでしか作れないという価値 自然に学ぶデザインの意味

 古くは16世紀の大航海時代に、石見銀山がある佐摩村にちなみソーマと呼ばれていたこの地。戦国時代から江戸前期にかけ最盛期を迎えた後、山あいで静かに時を経ても、今なお特別なエネルギーを秘めている大森町。代表取締役の松場登美氏は、この地に特別な何かを感じたのかもしれません。1981年に夫・松場大吉氏の実家に帰郷し、「BURA HOUSE」として、手作り感覚のエプロンやキッチン小物等の卸売販売をスタート。「ここでしか作れない、この町に似合うものを」の思いが全ての始まりでした。94年に洋服だけでなく生活雑貨も含めた「暮らし」に着目した新たな「和」をコンセプトとする「群言堂」ブランド、98年には株式会社石見銀山生活文化研究所を設立します。「登美」「根々」などの婦人服ブランド、様々なスタイルの店舗や古民家を再生した宿、さらにスキンケアブランドも加わるまでに成長しました。登美氏のこだわりは、自然に学ぶデザイン。作為的なものより、自然の中の偶然に美しさを見出すのです。石田氏が島根の本社にいた当時、聞いた話で、千利休のもてなしに例えて「庭を掃ききって、客人に気を遣わせてはいけない。相手に意識させない、絶妙な加減にとどめてこそ。デザインも然り」と。「お客様から『何屋さんですか?』と聞かれることが多いのですが、一言で表現できないのがうちの魅力と自負しています」と石田氏。現状の構成比は、概ね婦人服が7割、雑貨・飲食・化粧品の合計で3割とのことですが、時代により変化を遂げてこそ進化なのかもしれません。

銀山の鉱夫たちの健康を守った梅が 梅花酵母として美しさの可能性を切り開く!

 江戸幕府の直轄地として代官所が置かれ、世界有数の銀の産地だった大森は、当時深刻な問題を抱えていました。過酷な労働環境による鉱夫の謎の病死を避けたい幕府にとって、予防は喫緊の課題でした。医者を呼び寄せ行った実地調査で、粉塵による肺の病が原因だと判明。そこで、絹の布地に柿渋を塗って二重にし、潰した梅の実を挟んだところ、粉塵の侵入を防ぐことができました。当時、発明されたマスクのようなものは「福面」と呼ばれました。「梅は体に良い」と近隣に広まり、多くの梅の木が植え続けられたことで、今や梅の花が春の風物詩となりました。ある時、食品開発の際、「昔から身近にある梅から酵母がとれないだろうか」という夢に。「何年かかるかわからない」とも言われる中、島根県産業技術センターの全面協力により自然酵母を発見、味噌やお酒の商品化に成功し、化粧品の原料としても注目される酵母の可能性を信じて研究を重ね、 梅花酵母を使ったスキンケアブランド 「MeDu」(めづ)が誕生します。登美氏 の「きれいと美しいは違う。きれいは 表面的なもの、美しさは内面から湧き上がってくるもの」との考えにも重なります。肌の美しさには、体を慈しみ育む腸内環境が重要です。「MeDu」には、食べて腸内に働きかける商品もあり、根本から整える発想が基本。肌を美しく整えることで自信が生まれ、お気に入りの洋服を着て出かけたくなる前向きな気持ちが大切なのです。大森の人々を見守り続けてきた梅、その花由来の梅花酵母が今や美しい生き方への指南役となっているのも、偶然ではないでしょう。


[5]梅花酵母から生まれた『MeDu』ブランド

「食」も「宿」もぬくもりとともに 新しい暮らしを彩る「復古創新」の心

 今回お話を伺った「Re:gendo」は、東京・西荻窪にあり、昭和の風情と木のぬくもりが伝わる、やすらぎのスペースです。そこかしこに丁寧な仕事が施された証を感じる、やさしい空気が流れています。石田氏によると、「ここは大森の町を感じる入り口としての役割もある」とのこと。五感で実感してもらうことで、理想の暮らしのイメージの理解につながると考えているそうです。細部にまでこだわったリノベ―ションの意味はそこにあるのです。自然を感じるこだわりのインテリア、額縁に収まったオリジナル服地のはぎれアート、写真集を思わせる装丁のメニューブックの趣。原点を忘れまいという決意すら感じられます。平日は、ほぼ女性客が占める一方、土日はカップルも多く、年齢層も広いようです。時には、テラス席で勉強しながら過ごす学生たちも。ここで大森町を疑似体験した方々が、次は現地を訪れてみたいと思う時、最終地点にあるのは「他郷阿部家」という宿。その名には、もう一つの心の故郷になれますように、との願いが込められています。築230余年の武家屋敷を長年に渡って手入れして再生した、石見銀山生活文化研究所の集大成とも言えるでしょう。登美氏自ら理想の暮らしを追求した、日本の美しい暮らしに出会える1日3組限定の宿で、隅々にまで「復古創新」の精神が息づいています。


[2]根のある暮らしを楽しむライフスタイル提案の本拠地


[3]大森の街道沿いにある「群言堂」石見銀山本店


[4]暮らす宿「他郷阿部家」のダイニングキッチン

「人」の生かし方で無限大に広がる ライフスタイル提案の可能性


[6]広報誌『三浦編集室』Vol.1 表紙

 ライフスタイル提案という言葉は一般化していますが、キッチンやリビングの1シーンを切り取って「こういうテイストはいかが?」という訴求方法だと誤解されていることも多いようです。「人は自然の中に生かされている、と素直に感じ取れるかどうかが大事。感謝を忘れず、自分の志をどう実現出来るかを感じられて初めて、ライフスタイル提案と言えます」と石田氏。公式サイトにあるメッセージ、「根のある暮らしから、心ある『衣・食・住・美』を求めて」が、まさにそれでしょう。スタッフの間では、常に「この町(大森町)を遊べ」という発想が軸になっているそうです。自ら楽しめてこそ、魅力を発信できるということですね。その一つが、広報誌『三浦編集室』。各店舗にも置かれていて、紙面上には人や町に関する 情報コンテンツだけで販促は一切なし。人材活用の考え方も独特。通常は、部署に人を当てはめますが、うちは「彼(彼女)の強みを最大限に活かすには、こういう仕事がいいんじゃないか。だったらこういう部門を作ろう!という考え方です」と石田氏。個々のポテンシャルをボーダーレス感覚でとらえることで、可能性を無限大に広げていくイメージですね。さらに、「個性的で魅力ある町に導かれた新卒社員、あるいは都会の大企業で数年働いて、ふと立ち止まった時に、縁あって入社となる転職組も多いんです」。こういったコメントの通り、個性豊かな若い世代が集い、会社の活性化につながり、大森町の魅力や企業価値を高めるという好循環が生まれています。幅広い人材が特色ある土地と結びつくことで、心に響くライフスタイル提案が可能になる、ということでしょう。島根県は、縁結びの神様ゆかりの地でもあり、こうして様々な人やものをある種の「縁」によって、未来への希望をも紡がれていくのかもしれません。

(株式会社フジプラス)

まとめ

■世界遺産で知られる島根県・石見銀山ゆかりの地発信の、今注目のライフスタイルブランド。
■自然を愛し人と人とのつながりを大切にする「根のある暮らし」を軸に、百貨店等で全国展開も。
■昔からあるものをそのままに、でなく、手間を加えて価値を高める「復古創新」の精神を大切に。

株式会社石見銀山生活文化研究所(群言堂) についての詳細は、こちらでご覧いただけます。
https://www.gungendo.co.jp/

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