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デザイン NEW2020年8月26日

【デザインの現場から】異なるポイントを理解し、有効活用へ!デザインにおける紙とWEBの「ちがい」とは

デザインに関する様々な考え方やスキルをお伝えしてきた本連載も最終回となりました。最後のテーマはずばり「紙とWeb」。広告媒体として並び立つ両者ですが、実は制作作法は大きく異なります。レイアウトやフォントなど、これまでの連載でひも解いてきたデザイン手法をベースに解説していきます。


考え方から必要なスキルまで 異なる点は幅広くある

 紙のデザインとWebのデザイン。クリエイティブな分野として同じ括りですが、考え方や注意点から必要なスキルまで、幅広く様々な相違点があります。その理解が足りないまま制作を進めてしまうと、情報を正しく、意図したとおりに伝えることはできません。紙とWebの「ちがい」について、レイアウトと視線、そして、フォントの3つのポイントから見ていくことにします。

①「レイアウト」の考え方がちがう
 紙は、用紙のサイズやページ数、文字数などの制限があります。そのため、どこを一番大きく目立たせるか、どこを小さくまとめるかなど、限られたサイズの中で「引き算方式」でレイアウト決めをしていきます。一方Webは、展開の方法で様々なレイアウトが可能なので、目立たせたい部分のために何かを削る必要はありません。情報がある限り膨らませて見やすく整えていく「足し算方式」のレイアウトになります。ただし、最近の調査によると、情報盛りだくさんの縦に長いWebサイトよりも、ファーストビュー(最初の画面)で完結させたWebサイトの方が、コンバージョン率が向上したという結果も出ていて、いろいろなケースを想定しておいたほうが良いようです。

②意識する「視線」がちがう
 紙媒体は読む人の視線を意識した「Z型」のレイアウトが一般的ですが、Webは縦方向のスクロールを意識した「F型」のレイアウトが基本です。Z型とは、左右に読み進める形のことで、F型は縦に見る形のことです。
 また、紙媒体は、比較的可読性が高いので、最も伝えたい情報が目に飛び込むようなデザイン展開が好まれます。一方、Webは縦にスクロールして見ることから、読み進めてもらうためには、サイトを訪れた人が最初に目にするファーストビューのデザインが重要です。

③「フォント」がちがう
 紙媒体では、自由にフォントの種類を選ぶことができます。しかし、Webの場合は、データ形式や環境によって見え方が異なるため、一般的にゴシック体で統一することが推奨されています。また、紙媒体では当たり前の字詰めや長体も、Webでは制作側が調整することはできません。そのため、どんな環境でも見やすいよう配慮する必要があります。

 解説②に例を挙げました。紙の代表はハガキDM、Webはランディングページ(LP)です。解説①にある「ちがい」が明確に表れているのがおわかりいただけると思います。

感性や表現力を磨く姿勢はそのままに変化に鋭敏に対応していく

 そのほかの「ちがい」で言えば、表現できる「色」が挙げられます。紙(印刷)における色はCMYK=C(シアン)・M(マゼンタ)・Y(イエロー)・K(ブラック)で表現されます。一方Webで用いられる色の表現方法はRGB=R(レッド)・G(グリーン)・B(ブルー)です。ライトの発光を利用して表現するもので、鮮やかに表すことができます。
 このように紙とWebは、制作過程から技術面を含めてまったく異なる特徴を持っており、デザインの現場ではその「ちがい」と特性を理解してデザインを進めています。ただ、冒頭でも述べたように、特徴や技術面は異なっていても、媒体を通して情報を受け取る人に購買や参加といった「アクションを促す」という目的は、どちらも変わりません。そして、私たちがその目的達成のために、常に最適なレイアウトやフォント、色を追求し続けることもまた、変わらないことです。
 時代の移り変わりとともに、デザイナーの表現ステージである媒体・メディアは変化していきます。私たちデザインの現場では、変化に鋭敏に反応・対応しながら、一方で感性や表現力を磨き続けることで、デザインの目的達成に向けてまい進しています。

(株式会社フジプラス)

まとめ

■紙とWebでは、デザインの考え方や有効なテクニックが異なるので、その「ちがい」を理解しておくことが大切。
■情報の受け手に「アクションを促すデザイン」を目指し、感性や表現力を磨くとともに、時代の変化に即応し続ける。

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