「アクティブシニア」ホントのところ

2019年2月14日

vol.4
シニア×外食

※写真はイメージです

シニアにとっての外食も実にさまざま

シニアが外食するシーンと聞いて、どんなイメージを持ちますか。「シニアって言ったって、いろんな方がいらっしゃるわけだから、イメージって言われてもパッと思い浮かばないでしょう」と思った方、はい、それも正解なんです。何事も、先入観なく考えることが大切ですから。定期的に「またあの和食屋さんに食べに行く?」という話から始まる外食もあれば、「あのお店は有名シェフがオーナーだそうよ」とワクワクしながら初めて出かける外食もあり、はたまた「とりあえずこの隙間時間にササッと食べれるものなら何でもいいわ」という都合優先の外食まで、実にさまざまです。だれと、何の目的で、どんなタイミングで、何を食べるかのバリエーションは、シニアだからといって若い世代とそう大きな違いはないように思えます。むしろ、若い世代よりも、おいしいものへの関心が高いシニアも。そうです、ここでも年齢よりも、ライフスタイルなのです。

外食も時には「コト」消費になり得る

別の観点から見てみると、例えば、前回のデパートでふれた、デパート上層階のレストラン街がシニアでにぎわっている話についてこんなことも。 食事自体を味わう楽しみは当然として、「仲良しの〇〇さんと一緒に、評判のフレンチを食べる時間が楽しい」だとか、「たまにはおしゃれな空間で、ちょっとだけ贅沢すると気分転換になる」といった体験を求めているケースも多いのです。知り合いのスイーツ好きな60代ご夫婦は、ホテルのパティスリー巡りが趣味で、ケーキを食べながら「フルーツが違うね」「生クリームの甘さがちょうどいいわ」などと話も弾むそうです。また、最近のシニア世代は、実にいろんなタイプのお店を利用されていますね。趣味や習い事の仲間と、カフェでサンドイッチを片手に話が盛り上がっている方々も。ステーキに特化したカジュアルタイプのお店でも、シニア男性もそう珍しくはありません。こうしたシーンを目にするたびに、「私たちも本当は、こういう楽しみ方が好きなんですよ!知ってました?」と問いかけられているようにさえ感じてしまいます。

よくよく考えると実は合理的な現象?

一方で、とにかく素早く食べられるところだとか、コスパ優先のシニアも当然いらっしゃいます。常にゆったり時間をかけた食事を好むとは限らず、カウンターで丼ものをさっと食べるのが好きだったり、お孫さんの子守りを頼まれた‶おばあちゃん″が、孫のためにファミレスを選ぶことだってあるでしょう。その店にたどり着く理由は複数あれど、そこで食べる合理性としては共通しているわけです。最近では、ファストフード店でも、店舗によってはシニアスタッフも働いている相乗効果なのか、同世代のお客さんも増えているようです。若い頃からハンバーガーを食べ慣れているシニア世代も増えて、抵抗感がないのでしょう。大人ターゲットのこだわりハンバーガー店で、ビールを飲みながら、手軽に打ち上げ的な集まりをしているグループを見かけたこともあります。また、シニア女性が、心おきなく一人ごはんを満喫する姿も珍しくありません。食べることを心から楽しんでいる表情が特徴です。いずれの場合も、もともと好きだったことの延長で、変わらず自由に楽しんでいるシニアが増えているということでしょう。

外食が非日常だった世代からのシフト

こんな話もあります。知り合いの80代女性に聞いたところ、その方にとって外食という言葉から連想されるのは、かつては「おしゃれしてレストランに行く」という非日常の風景だったそうです。確かに、ハネムーンに行くにも男性はスーツで女性はワンピース、という世代にとっては、現代と比べ物にならないほど日常と非日常、ハレとケの区別がはっきりしていました。ところが、この世代と、今の70歳前後の方との間には大きな違いがあるのです。それは、男女共にジーンズをはいたり、ハンバーガーを食べ始めた世代だということ。自分なりのこだわりを持って人生を歩んできて、周囲から「シニア」とくくられる年齢になっても、例えば今話題のフルーツサンドとカプチーノのセットを楽しむことはその方にとって、これまでのこだわりの延長線上にある「普通」なのです。これまでの型にはまらないからと言って、特別視するのは大きな誤解のもとですね。こうして、「シニア」と呼ばれる方々の価値観も少しずつ変化しており、従来の価値観からの大転換を牽引していくのでしょう。

人との関わり方で外食スタイルも変化する

従来のシニアとは明らかに違うライフスタイルを確立したシニアは、知識欲や社会と関わっていたい思いが旺盛であるがゆえに、年齢に関係なく新しい習い事を始める方も多く、いわゆる生涯学習という考え方も定着しています。これをきっかけに、年を重ねてからでも新たな人付き合いが増え、一緒に外食する機会にもつながり、シーンが多様化すればするほど、外食の幅広いバリエーションが必要となってきそうです。家族構成にとどまらず、人とのコミュニケーションに積極的かどうかで、外食のとらえ方にも差が生じてくるのだと思います。意外とシンプルな法則がここにありました。一人でも、だれかと一緒でも、食事をして笑顔になれる場所であり時間である、という基準で選ぶシニアが増えると良いですね。

ココに注目!

今回取り上げた外食については、シニアのライフスタイルや価値観の変化をヒントに、目的やシーン基準でセグメントすることで、これまでイメージしてこなかったような、実に幅広い利用者像が浮き彫りになりました。シニアだからこうだろう、の勝手な思い込みは、外食に関しても大いに裏切られることになります。日々暮らしていく中で、特に「食」カテゴリーに対する姿勢と、食べることで解決されること、という観点から紐解いていくと、これまで気付かなかったストーリーにたどり着きました。

そこで、シルバ―ラボでは、独自の視点でシニアをカテゴライズし、傾向を割り出していわゆるペルソナ、つまりサービスや商品(ここでは外食)の典型的なユーザー像をまとめたシートを作成しました。vol.4「シニア×外食」がこちらです。例えば、この分類をベースに、実際には商材によってさらに絞り込んだり、ペルソナを細かく設定したりしながら販促のシナリオづくりをすることで、より現状に沿った施策が可能になります。

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