Vol.04 - 「諦めない」がキーワード

発想を変えるだけで社会も変わる!高齢者の人生に寄り添うスペシャリストたち

多かれ少なかれ、加齢によって体に様々な影響が出てくるのは、想像に難くありません。高齢者が急速に増加した現代日本においては、社会全体としての対応が急がれています。そこで、手助けを必要とする全ての方々に役立つモノとコトを提供する、川村義肢株式会社について、今回は特に超高齢社会の現状に寄り添う実例をご紹介します。高齢者問題をどうとらえることが「正解」となり得るのか、どうすれば高齢者にとって快適な社会を作っていけるのか、そのヒントとなる情報と共に、ビジネスとしての在り方について、経験と実績に基づいて幅広く語っていただきました。

義肢装具からスタートして
今や暮らし全般のサポートを担う

川村義肢株式会社は、1946年に設立された川村義肢製作所が前身。社名にもある義肢装具はもちろん、補助器具、リハビリ関連、住宅改修まで、幅広く安全安心を提供し、暮らしをサポートしています。冒頭に、川村社長が「装具を売るのが仕事ですが、必要なくなったらそれでいい。解決したら、違うサポートをしていくだけ。我々の目的は、困っている方の体を楽にすることですから」と語られたのが印象的でした。ロゴマーク(資料1参照)や、従業員を「ソウルパートナー」と表現し、人として対等な立場で尊重し合う(資料2参照)姿勢が、その全てを象徴しているように思えます。

使命に掲げる「3Life」という言葉は、Q.O.L.(クオリティ・オブ・ライフ)の3つのこと。(資料4参照) 「生命」「生活」「人生」という「3Life」の質を高める意味は、高齢者の方々に当てはめてもわかりやすいでしょう。ただ生きている生命レベルではなく、いかに自分でできることを維持できるか、さらに、やりがいのあることを続けられるか。たとえ不自由な箇所があっても、やりがいを感じている高齢者は、装具などの力を借りて出来ることを増やし、自ら未来を切り開いていけるのです。






本人のポテンシャルを引き上げるのが使命。仕事も高い理想を持ってのぞむことが重要!

高齢者の方で、「いずれ歩けなくなる、寝たきりになる」と思っている方は少なくありません。「できること」よりも「できなくなること」に注目し、諦めてしまっている状態です。障がい者スポーツを提唱したグッドマン博士の「失ったものを数えるな。残されたものを最大限に生かせ」という考えをヒントに、Think Possibilityというフレーズを掲げるようになったそうですが、この視点は高齢者にもそのまま当てはまります。

寝たきりになってしまった方にはベッドを売ることが対処方法になりますが、出来る限り寝たきりを防ぐ、というのが基本。実際、理学療法士との連携で、寝たきりから車椅子に、車椅子から装具を付けて歩けるように、と回復した例もあります。当然ですが、介護をする側が楽だから、合理的だから、という理由で、その方の運命が決まるような判断は避けられるべきです。人間の尊厳に関わる問題に直結しているからです。

こうした高い理想を掲げて仕事に取り組む中で、同時に、たとえいい仕事をしても会社をつぶしてしまっては意味がないのもまた事実。利益も最大限にあげて、なおかつ社会貢献度も最大限を目指して、やじろべいがちょうどいいところで釣り合うのが理想です。「だいたいこんなもの」という姿勢ではなく、パーフェクトを目指してベストにたどり着けるようにする、とのことです。(資料1~5参照)

大切な情報はシェアする時代!地域との連携から始まる未来

川村義肢株式会社では、会社見学ツアーも実施しています。より多くの人が正しい情報を知ることで、世の中の流れも変わっていくもの。健康意識を高めたり、高齢者問題を理解するための啓発活動を通して地域連携を重視します。直近では、2017年7月1日(土)に、第3回地域包括ケアを考える講演会・シンポジウム「笑顔いきいきフェスタ」を開催。高齢者福祉を語る上で不可欠の地域包括ケアがテーマの住民参加型イベントです。高齢者やその家族を引きこもり状態にさせない意味でも、イベントは大切。外出機会を作り、地域である大東市で成功事例を示し、やがて大阪府、近畿圏、日本全国へと広がるのが夢だという。

三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)に行政を加えて「四方よし」のビジネスが目標。そのツールが売れる、寝たきりにならない、医療費の削減で税金負担も減少、行政の取り組みとしての成功、という流れです。「在宅介護にこそいろんな問題があるので、自立につながるものなら何でもしますよ。問題解決の方法をコーディネートするのが我々の仕事!売っておしまい、ではありません」と語る表情は、キラキラ輝いていました。

様々な課題の向こうに見えるのは思いやりとやさしさに包まれた社会

フルレンジでサポートできる強みを生かして各々にベストなサポートを提供すること、段階的な自立への創意工夫は、視点の高いソウルパートナーの存在によるところが大きいといいます。介護される本人のことだけでなく、その家族を思いやる心から、自然と「介護される方が疲れなければいいですね」という言葉が出てくるそうです。急性期医療の場合、2週間のビジョン、リハビリも数カ月、ケアになったらエンドレス。そこをどう支えるかも重要で、家族の介護を理由にやむなく退職する介護離職を防ぐためのサポートも課題だという。

KAWAMURAグループは、3つの夢を掲げていますが、わかりやすく解説すると次の通りです。

①世界中から、いろんな人が勉強しに来たり、遊びに来たりする会社。いいことだけでなく、厳しい意見も指摘してもらい、欠点さえ愛おしく思われる会社に!
②ソウルパートナーのお子さんたちが家で仕事の話を聞いて、お父さん、お母さんの会社で働きたい!と言ってもらえるように。
③我々の働きざまを見て、いじめや戦争がなくなったらいい。諦めない人たちを増やすことに貢献したい。

それは、全ての人々にやさしい社会につながる指標です。地域との結びつきの中で、高齢者を心から理解すること、心から人生に寄り添うサポートを実践すること、人として心を磨くことの大切さが伝わってきました。

(シルバーラボ/株式会社フジプラス)

川村義肢株式会社についての詳細は、こちらでご覧いただけます。
http://www.kawamura-gishi.co.jp/