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大阪の地で、建築金物卸売業「松本六郎商店」として大正10年にスタートして以来、創業者の思いを継承しながらも、時代に合わせてしなやかに変化を遂げてきたマツ六株式会社。今や、高齢者が快適に暮らすためのリフォームという視点から、住宅関連資材の開発販売、業界初の流通サービスの開発といった実績、さらに積極的なプロモーション戦略でも注目を集めています。
2021年には創業100年を迎えるマツ六株式会社。歴史ある企業として歩んできた道のりは、時代ごとの風景を反映するものでした。高度経済成長当時は、松本金物株式会社という社名からもわかるように、建築金物なら何でも揃うことから「建築金物のデパート」と呼ばれていた時代。その後「何でも売れた」バブル期に、いったんビジネスの多角化を進めたものの、バブル崩壊後には本業回帰の動きへとシフトしました。「多方面に膨らんでしまった取扱カテゴリーの中から、成長可能性のある商品だけを残すという戦略です」と語る松本社長。建築に無関係なものはやめ、建築周辺に絞り込むという、シンプルでわかりやすい施策を実行しました。折しも、90年代も終わりを迎えようというタイミングで「これからは、リフォームと高齢者!」と専門性を高める舵を切ります。ターゲットを絞った品揃えでサービスの充実を図ったのがバリアフリー建材で、結果として、住宅用手すりへの注力へとたどり着きました。2000年の介護保険制度スタートをきっかけに、世の中は急速に手すりを求めるように。そういった社会の動きが、偶然とは言え、追い風となっていきました。
ただ、介護保険制度が始まったとはいえ、従来の金物を扱う企業が、すんなり住宅用手すりを扱ってくれたわけではなかったようです。バブル崩壊後かなりの年数が経っていたにも関わらず、かつての新築重視傾向は変わらず、リフォームへの注目度はまだまだ低調。専門性を高めて細やかに対応しようとすると、手すりだけでも様々なモデルが存在することになり、在庫リスクで躊躇されます。そこで、発想の転換を迫られ、新たな事業部を立ち上げることに。今ではおなじみの、オフィス用品通販の仕組みを参考にされたそうです。「協調互敬」の創業以来の経営方針に沿う形で、新しいビジネスモデルとしてスタートできる、まさにうってつけの方法でした。お互いを敬い合い、仕入れ先も販売先も、みんなに恩恵があってこそ、という考え方です。つまり、街の販売店を特約店にして、その先のお客様である事業所から直接注文を受け、直接届けるというスタイル。こうして、2004年にファーストリフォーム事業が始まりました(資料画像参照)。インターネットの時代でも、決して効率優先ではなく、従来の理念に基づきながら、手法だけ新しくする道を選択した格好です。「小石を積み上げるように、小さな商いをたくさん集めなさい」という創業者の思いはそのままに、形を変えて今に息づいているという理想的な姿です。また、さらに、ダウンロードして名前を入れるだけで、施主さん向けのチラシができるサービスも提供。後に、「ファースト事務」という仕組みも取り入れました。市町村への介護保険申請やお客様への見積書など、多くの事務処理の負担を軽減することで、施工業者様の利便性向上を図るものです。単に「モノ」を届けるだけでなく、商品+サービスという「コト」を提案するビジネスへと大きく変貌を遂げるに至りました。
住宅用手すりが、室内、屋外、浴室(水回り)と、ひと通りオリジナルで出揃ったことで、プロモーション強化を図ることに。まずは、高齢者を転倒から守り、健康寿命の延伸を目指すため、「転倒予防ナビ」サイトを立ち上げました。要介護になってからの介護保険頼みでなく、元気なうちに手すりを付けて転倒予防する大切さを啓蒙するものです。高齢者は、転倒による骨折が原因で、寝たきり、要介護になる可能性も大。高齢者が安心して自立した生活を送る住環境を整える大切さがわかります。このサイトのキャッチとして動画を活用するアイデアに至り、あの鉄拳さんのパラパラ漫画と大塚愛さんの楽曲で構成された「母の辛抱と、幸せと。」という動画が生まれました。「マツ六と言えば、住宅用手すり。親のために手すりを付けるなら早めに、と理解してもらうのが主な目的です」とのことですが、実際、動画公開後に手すり設置の引き合いも増えているそうです。2018年1月から、関東エリアでラジオCMもスタート。大切な人を守るのに必要なものは何か、を広く発信する目的で、高齢者の家庭内転倒事故の意外な事実紹介と、転倒予防の商品情報で構成されています。
「人」を大切にする姿勢は、創業以来変わらない価値の1つだそうです。例えばファーストリフォームは、手段としてITを活用しつつも「人」との関わり方はいたってアナログ的。数字的な実績だけで判断せず、東京・大阪で年1回開催される『BAUHAUS優良施工業者認定会』で、お客様から直接意見を聞く時間を大切にしています。また、新たな視点での商品開発にも注力し、大阪拠点のクリエイティブユニットgrafさんとのコラボから生まれたLOHATES(ロハテス)。手すりを家具として日常に溶け込む高いデザイン性と軽さが特長の、ポータブルタイプの手すりです。こうした挑戦は、実は伝統あってこそ可能。「専門分野を盤石にした上で領分をわきまえ、時代に合わせた工夫がキー」と笑顔で語る松本社長。「最初の扉を開くのは怖いが、開けないことには何も始まらない。ただ、一度扉を開くと、次の扉、さらに次と進んで、思いのほか遠くまで来ていると気付くのです」という言葉は真実味があります。チャレンジした結果、これまでとは違う景色を目にした感動は計り知れないでしょう。
「超高齢社会のあるべき姿としての正解はどこにもなく、未来は自分たちで作るべきもの」という視点で常に新たなアイデアを携え、住宅関連資材を扱う専門商社として、機能的で感性にすぐれた商品・サービスを追求する強固な社会的使命感が伝わってきます。高齢者やその家族が、より快適で豊かな住宅環境を求めるニーズが高まるこれからの社会の中で、マツ六ブランドの存在感はいっそう増していくでしょう。斬新な発想で業界をリードし続ける頼もしい姿が、そこにありました。
(シルバーラボ/株式会社フジプラス)
マツ六株式会社についての詳細は、こちらでご覧いただけます。
http://www.mazroc.co.jp/
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