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「乗り越える力」を鍛える大切さ ビジネスパーソンのためのマインドセット管理とレジリエンス向上術
「変化が激しい時代」と言われ続けている中で、変わるために何から取り組めば良いのか思い悩む管理職の方も多いかと思います。それぞれ業界や個々の企業の状況によって事情も様々でしょうが「これだけは共通して言えますよ」というのが今回のテーマです。ビジネスシーンに限らず教育現場やアスリートの世界でも注目されるマインドセット及びレジリエンスについて改めて定義を振り返ったうえで、「こうすれば何かが変わる!」という参考情報としてご紹介します。
答えが見つかりにくい時代に求められるものとは?
ビジネスパーソンが直面する課題が複雑化の一途という事実は、皆様も日々実感されていることでしょう。問題解決のために努力を重ねても、そもそも解決すべき問題の本質から変容していく時代ですので、追いつけない、でも追いかける、やっぱり追いつけない、という事態も発生します。ここで求められるのは、従来型の問題解決能力にとどまらず、自己管理的な意味でマインドセットのマネジメントと、逆境にあっても乗り越えていくレジリエンスだと言われています。マインドセット(mindset)は「心のあり方」、レジリエンス(resilience)は、「困難なことが起きても立ち上がり乗り越える力」といった意味合いです。
注目すべきはこの2つ!【その1】マインドセット
マインドセットの概念は、キャロル・ドゥエック(Carol Dweck)博士によるモチベーション関連の研究を機に知られるようになりました。博士によると、固定型マインドセット(Fixed Mindset)、成長型マインドセット(Growth Mindset)の2つに分類され、個人の成長や成功に関して心理的枠組みがいかに重要かを示すものとなっています。これをテーマに分かりやすく特徴をまとめると下記の資料1の通りです。
一般的にだれもが固定型と成長型の双方を持ち合わせています。違いはその割合で、意思決定の質、リーダーシップ、コミュニケーション等に影響します。リーダーが固定型だと失敗を恐れ新しいアイデアや挑戦を控え創造性が停滞し、成長型だとその逆の現象が見られます。
実践!ワークショップ入門編Ⅰ 自らを知ることで身に付ける成長型マインドセット
ワークショップⅠの目的は、参加者が自分のマインドセットの傾向を理解し、皆で成長型マインドセットへシフトすること。同じ事象に対しても、捉え方の個人差を体感し、お互い学びながらチームとして成長型マインドセットを獲得していくものです。例えば下記の①~③の手順で実施します。
注目すべきはこの2つ!【その2】レジリエンス
レジリエンスは、トレーニングによって高めることができるのが特徴です。仕事が全て順風満帆というのは、あり得ませんので、だれもが備えておくべき力ですね。困難な状況でも現実を受け入れ、自らの力で回復・適応し、学びを得て成長していく能力、とも言えます。カレン・ライビッチ(Karen Reivich)博士によると、個人のレジリエンス向上に必要な、「レジリエンス・コンピテンシー」と呼ばれる6つの要素はこうです。
1 自己認識
2 自制心
3 精神的柔軟性
4 楽観性
5 自己効力感
6 人とのつながり
リーダー層にとっては、率いるチームのメンバーに与える影響も大きいため、特に重視すべき要素です。レジリエンスの高さが不可欠な理由は、6つの要素のポイントから見ても明快です。その重要性を具体的に示すと下記資料2の通りです。
実践!ワークショップ入門編Ⅱ 逆境に負けないためのレジリエンス向上を目指す
続いてワークショップⅡの目的は、困難に直面した時のストレスの原因を把握し、逆境を乗り越えるためのスキル獲得が中心です。ストレス管理能力によってパフォーマンスが安定し、どんな時でも冷静に行動できるよう促すものです。例えば下記の①~④の手順で実施します。
終わりに
いきなり完璧を目指さなくても、まずは自分の思考のクセを把握できれば大きな進歩です。それを元に、壁にぶつかった時の対処法(思考法の調整のようなもの)を考え準備できる、と考えると前向きな気持ちになれますよね?ワークショップで得た知見の活かしどころです。手始めに、職場のメンバーとワークショップを実施し、体感すべき理由はそこでしょう。グループディスカッションや、メンバーからのフィードバックを通じ、他者視点から得る気付きの価値は大きく、継続することで、行動変化につながります。実務を通じて学びを深化させ、意識を高めることで、個々のメンバーが変わるだけでなく、組織全体に波及することも付け加えておきましょう。小さなことでも、従来とは違う取り組みを積み重ねるうちに、大きな変化につながりますので、マインドセット管理とレジリエンス向上は、並行して取り組むことが重要です。何が起きても諦めず立ち向かっていける思考法を鍛えておけば、必ずや、メンバーと連携して乗り越える力を獲得できるはずです。
(株式会社フジプラス)
まとめ
■「想定外が当たり前」となった今、「乗り越える力」を鍛えることが何より重要。
■マインドセット管理とレジリエンス向上は、同時進行で取り組むと効果が高まる。
■小さな努力を積み重ねて継続すれば、個々の成果から組織へと効果が広がる。
<参考>
Carol D weck博士(著)
マインドセット「やればできる!」の研究
原題/ Mi ndset:The New Psychology of Success
Karen Reivich博士(著)
レジリエンスの教科書 逆境をはね返す世界最強トレーニング
原題/The Resilience Factor
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