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イノベーション NEW2024年10月10日

競うのではなく共創こそが正しい道 社会課題と向き合い続け 「ありがとう」で満ち溢れた社会を目指す

株式会社ギフトパッド 代表取締役 園田 幸央氏

 とても身近でありながら、人と人とをつなぐ大切な言葉「ありがとう」。みなさんは、最近どんなことで「ありがとう」と言われましたか?あるいは言いましたか?企業のミッションの一部として、「ありがとう」で満ち溢れた社会へと謳い、小売、ECの先にある新たなプラットフォームを創造する株式会社ギフトパッドに注目!社名にもある「ギフト」の概念は、時代と共にますます進化しています。2011年の創業以来、常に様々な夢を実現し続ける原動力や背景、さらには新たな取組みや未来展望等について、代表取締役 園田 幸央氏を訪ね、じっくり語っていただきました。

創業のきっかけと社名の由来は?

 現在事業として展開しているのは、オンラインギフトサービスを軸にした、法人、自治体のDXに貢献するITプラットフォーム事業[※資料1参照]ですが、創業のきっかけとなったのは、コンサル時代の起業家向け講師の経験です。たまたま結婚式の引き出物に関する相談があって、ギフトという分野につながりました。神戸の三宮近辺は結婚式の二次会会場も多く、オーナーから「『紙のカタログが重い』と置いて帰るお客様も多い」という話を聞いて、エコの観点からも「Webのカタログギフトを作って、カードを引き出物として渡し、選んでもらう仕組みを作ればいい」と思いつきました。ギフトパッドという社名もそこからです。実は、リブランディングでギフトという言葉を社名から外す案もありましたが、あえて残しました。ギフトには、贈答品だけでなく、感謝の気持ちをつなぐ意味合いもありますから。私たちのソリューションは、法人でも個人でも、何かを渡したい誰かがいて、受け取る誰かがいるのが前提。広義で言えばそれもギフト、というところに落ち着きました。

ずばり御社の強みとは?

 シェアを取る、他社に勝つ、という感覚は、私たちのDNA的にないんです。取引先にも感謝しつつ仲間を増やすやり方が大きなビジネススキームの中にあって、ミッション、ビジョンで表現しているのはそこなのです。「三方よし」の考え方が基本ですから。インタビューで必ず「強み」について質問されますが、私自身、自社の優位性を特には意識していません。ただし、地域通貨のregionPAYというアプリのように、累計ダウンロード数1,000万超えの大きなプラットフォームを持っているのは、結果として「強み」になっていますね。
 もっと言えば、「強み」より「違い」を意識しています。他のベンチャーとの根本的な違いは、協業パートナーの数でしょう。業種業界を問わないネットワークは、技術面以上に価値あること。人と人とのご縁でここまで来たようなものです。東京に進出してきた当初は、ほぼだれも知り合いがいない、まさにゼロからのスタート。前職のツテやご紹介で、ひとつひとつ積み重ねてきました。人から人へというカタチで、この10数年の間にナショナルブランドや金融系パートナーが次々とできたのは、今の日本のいわゆるベンチャーのエコシステムの枠組みとは違う、ビジネスの本流を意識してきたおかげです。「違い」は、ビジネスパートナーとのネットワーク構築の方法もしかりです。

新たなアイデアはどんな発想から?

 ひとつは、現状に満足しないこと。先人方もおっしゃいますが、私も9割は失敗です。Webのカタログギフトを始めた頃は、スマホで画像一枚読み込むにも時間がかかる3G環境だったので、営業先のホテルで「こんなの使えるわけない」と一蹴されました。当時は、4G、5Gの時代やSNSの台頭、スマホで何万円もの決済をする時代がやってくるという発想は持ち合わせていませんでした。ただ、現状に満足せず、ここはおかしいんじゃないか?と疑問を持ち続けたことで課題が見つかり、行動し、アイデアが生まれたのです。もうひとつは、思い込みや妄想の中でサービス開発をしないこと。事業者や自治体が抱える課題に対して開発着手する、つまりニーズを掴んだうえで進めるのが鉄則です。もちろん、マインドとしては将来こうなるだろうという仮説は立て続けながら。
 「これをやりたい!」という社員からの自発的な提案も尊重します。ここは大企業との違いでしょうか。当然、金銭的なことは協議の上で、ですが、いきなりアイデアを潰すようなことはしません。ビジネスの本流、日本企業の良い部分を活かしつつ、ベンチャーの良い部分も取り入れるハイブリッド型です。若い頃のアメリカ生活がチャレンジ精神に影響していると思います。若手でも手を挙げてチャレンジできる環境づくりは、大切にしていますよ。社員も増えて、私が全員と直接話せる機会は少なくなりましたが、寛容な空気や社風のようなものを、部長たちに引き継いでもらって社員とコミュニケーションとってほしいですね。私は「園田さんは悪い人じゃなさそう」ぐらいに思ってもらえたら十分です。(笑)

「Giftpad space」出店の狙いは?

 KITTE大阪は、関空からJR特急はるかも乗り入れるJR大阪駅直結という好立地ですし、ビジネス上のご縁から提案もあったので検討を始めました[※資料2参照]。ディスカッションの結果、ギフトパッドのサービスを実感できるDX体感スペース、常設展示スペースのようなものを作ろうと。出店した2階フロアが各地のアンテナショップということもあり物販的な店構えですが、目的は物ではなく「つながり」です。場所柄様々な方が行き交う場所なので、ビジネスパーソンからインバウンドまで、まずこのサービスを知ってもらうことが狙いです。まだ試験段階なので、良い出会いの場になればいいなと。ギフトパッドのプラットフォーム全体を体感してもらうには、「三方よし」が欠かせません。カタログ事業者、ECサイト、小売業界と、私たちとの違いは、1つのデータベースをあらゆるところでアウトプットできる点。取引して初めて納得していただけるロジックです。商品情報をデータベースに登録すると、それがカタログ・ソーシャルギフトになり、法人のノベルティにもなります。アウトプット数によって広がっていく世界観を、利用企業や自治体、あるいは生産者やメーカーにも分かってもらうための場所として位置付けています。

未来展望のキーとなるものは?

 リアル(店舗)は遥かに長い歴史があって、続いてECが急速に広がりましたが、私たちはその先を見据えています。消費者が認知しているものを買いに行くのがリアル(店舗)、一定のマーケットに呼び込んで買ってもらうのがEC。インターネット全盛の時代の今は、特定の「経済圏」の消費者に向かって「買ってください」と言う世界です。こうした「通常の商流」を超えたいわけです。生産者の提供する商品が、いきなり企業の株主優待で採用されるような。私たちがプラットフォーマーだからできることですが、現行のECのプレイヤーの一部もその魅力に気付いています。
 究極に目指したいのは、競争でなく、共創というビジネスモデルの構築です。日本の少子高齢化の流れの中で、パイの奪い合いではダメなのです。海外と比べるとイノベーションを起こしにくい日本の課題でもあります。勝ち負けより「周りにこれだけ仲間がいる」「同じ思いの人がこれだけいる」ことが大事。日本の良さや魅力、例えば、伝統工芸、食の安全性、ツーリズムなどを正しく理解して、オールジャパンの認識で若者が声高に叫んだっていいわけですよ。
 責任が伴うから発言しない、みたいな発想はやめることです。勇気を出して言えば、応援する人も出てきますよ。事実、私たちは「大きなこと」を言って注目されるようになりました。ベンチャーは、大手と提携する時にパーツになろうとしがち。でも、視座を高く持てば、大手が持つリソースの活かし方に気付くのもベンチャーならではです。インバウンド観光客に対するニーズや課題についても、エリアや業種を超えて、オールジャパンでのぞみたいですね。国外からのインバウンドマネー獲得には、冷静な判断が重要です。価値あるものを集めて大きな価値を生み出すことができれば、日本は自信を取り戻せるはずです。

おわりに

 時には大胆に声を上げる勇気を持つべき、というメッセージは、「失敗を極度に恐れることはやめよう」という全世代に向けたエールとして受け止めました。「みんな、仲良くしたらいいんですよ」との笑顔でのコメントも、園田氏の明るいお人柄もあいまって、共創の神髄として心に響きました。狭い視点でのせめぎ合いより、オールジャパンで前に進む大切さ。園田氏の描く未来地図は、まだまだ広がっていきそうです。

(株式会社フジプラス)

まとめ

■日本のマーケットがシュリンクする中、仲間を増やす発想が正しい道。
■オールジャパン発想をもつことで、新たな社会課題解決に向け正しく動ける。
■価値あるものを届け「ありがとう」が増えたら、日本がもっと元気になるはず。

フジプラスは、ギフトカード製作にあたりサポ―トを行っています。

株式会社ギフトパッドについては、こちらからご覧いただけます。
https://giftpad.co.jp/

※所属及び記事内容は、2024年10月当時のものです。

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