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2016年6月 6日

印刷ジャーナル記事掲載:マーケティングオートメーション活用、その効果は?

平成28年5月25日発行の印刷ジャーナルに、マーケティングオートメーションのマルケトを導入して得られた効果事例として当社が記事掲載されました。

マーケティングオートメーション活用、その効果は?

 コミュニケーションプロバイダーを標榜する不二印刷(株)(大阪市北区南森町、井戸剛社長)は、サービス多様化に伴う営業手法の見直しや顧客管理の一元化、紙DM・メールのコンテンツ評価といったマーケティング課題の解決手法としてマーケティングオートメーション(MA)に着手。2015年6月にMAツール「Marketo」を導入し、デジタルマーケティングと紙を複合的に組み合わせることで様々な効果を弾き出している。

 同社は、2012年1月からマーケティング情報誌「Idea4U」を2ヵ月間隔で発行。現在はVol.27となっており、顧客の行動や属性によって冊子送付とメール配信を使い分けている。
 これらの取り組みの背景には、サービスの多様化がある。同社の江藤直軌営業本部ソリューショングループ次長は「従来の営業手法だけでは顧客に情報を届けるのが難しくなってきたことから、新たなチャネルが必要だった」と振り返る。さらにサービスが増えると、営業マンの知識不足も露呈する。「新しい情報を発信してお客様の『売るお手伝い』をする」ということをドメインに掲げる同社で、「Idea4U」はその勉強ツールとしての機能も担っている。

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「Idea4U」の発行を受けて、顧客からは「もっと具体的な話を聞きたい」などの要望も寄せられ、2013年7月からはセミナー開催も行うようになった。さらに社内メンバーが講師をつとめるワークショップの定期開催、今年2月には初の東京開催も行った。
 このセミナーの集客活動を見てみると、2013年7月は、営業によるアプローチが中心で、紙DMやメール配信はほぼ反応なかった。2年目の2014年7月は、メール配信と営業アプローチによる集客だったため、参加者が前回の2倍近くに膨れ上がった。3年目は、マルケトを活用したメール配信で集客。殆ど営業アプローチなしで狙ったターゲットに絞って集客ができた。

 同社でのマーケティング課題は大きく分けて以下の3つ。
 ▽この取り組みの継続自身が不安定だった。
 ▽施策をじっくり考えている時間がない。
 ▽プロジェクトの成果が見えない。

 これに対する解決方法は以下の通り。
 ▽営業ツールや外部情報の積極的な連携(眠っている豊富なコンテンツの再活用や具体化)
 ▽発行にかかる手間の軽減(余った時間を施策検討・実行に割り当てる)
 ▽KPI指標の設定による段階的な評価(金額や案件受注数だけでない指標の確認)

 その結果は、直ちに数値として表れた。

 まずメールの配信数。メールを個別に配信していたのが208件だったのに対し、マルケトで初回メール配信したのが1847件。各営業が所持していた名刺や顧客リストを集約。すべて一括管理して有効なメール配信先を整理した結果である。
次に、メール開封率。25%から42%に向上した。タイトル(件名)表示の工夫や配信時間の工夫、さらにルーチン化、一部のメールでは担当者の私信風メールにすることで開封率は向上した。
次に案件受注までに掛かる時間が4ヵ月から2ヵ月半に短縮された。これはマーケティング活動で得られた情報を如何に精度高く営業に引き渡すことができるかにかかっている。例えばスコアリング設定による見える化、アンケート設問による見える化、営業への情報連携など。
次に名刺獲得数。直近の一年間で有効な名刺を約1700件獲得できた。SanSan名刺管理などでリード情報を素早く登録。メーリングリストで週次報告を実施し、継続的な取り組みを行ったほか、顧客に対する見込みの有無を明確にした結果だ。
最後は受注件数。こちらも直近の一年間で約600件増加した。リード数の増加に伴い受注件数もアップ。見える化で、見込みのある顧客に対してアプローチがしやすくなったほか、属人的なアプローチだけで終わらなくなった結果である。

 マルケト導入で良かった点について江藤次長は、「営業コンテンツが充実するきっかけになった」「Webサイトをどのように活用するかの方向性が見えてきた」「マーケティング活動の変化(活性化)に繋がった」「マーケティング予算が必要に応じて投下しやすくなった」「複数メンバーでマーケティングが考えられるようになった」などを挙げる一方で、苦労した点については、「サービス毎のシナリオが異なりなかなかつくれない」「従来業務との兼任での操作メンバーの育成」「導入支援受講が優先だったため、実務に影響が出た」「2度のCRM見直しと移管作業に労力が掛かった」「営業から理解を得るのに時間がかかっている」などを挙げている。

 今後の取り組みについては3点挙げている。

 まずオンラインとオフラインの使い分け。すでに一部では実践しているが、マルケトを使ってメール未開封の顧客にDMを、またDMの反応がない顧客にメールを送るといった「デジタルマーケティング+紙メディア」の可能性を追求していく考えだ。
次にWebサイトのリニューアル。9月末を予定しているが、例えばダイレクトメール、Web to Print、マーケティングオートメーションといったカテゴリーに、販促事例やサンプル依頼、見積もりツール、採用事例、デモ依頼、資料ダウンロードなどのコンテンツを付加する計画だ。
最後は、マーケティング予算と結果の整理。今までは個別だったものを集約して、会社全体としての起案に対する予算と結果、さらにROIなどで投資効果を測定していく考えだ。