WORKS

具体的な課題やお客様の業界特性等をふまえ、個々の状況に合わせて対応いたします。

「こだわり」を詰め込んだ周年記念誌の企画・制作 ~「メーカーのブランディング戦略」を基軸にした、情報&デザインコンテンツとして~

ブランディングしたいメーカー系事例 2020年10月28日

課題

自社のブランドイメージ発信がメインのためデザイン性の高さは必須
・10年に一度の周年記念誌発刊にあたり、従来の制作会社とのコンペ。
・「いかにも」な周年記念誌とは一線を画すデザイン性の高いもの。
・アート感覚へのこだわりが強く、得意先の建築事務所にも配布。
・何年経ってもおしゃれな印象が薄れない仕上がりを希望。

とあるメーカーが10年に一度の節目に発刊している周年記念誌の制作にあたり、コンペ参加の打診がありました。きっかけは、商品カタログ制作の実績が認められ、チャンスをいただいたこと。自社の記録としてだけでなく、いわばブランディングを意識して主な取引先である建築事務所にも配布する関係上、デザイン性の高いものが求められました。前回の冊子も、想像以上にスタイリッシュな印象だったため、「これを超えるアイデアが必要だ!」という覚悟をもって対応しました。

解決の糸口

今後のビジョンを10年スパンでとらえて適切なコンテンツを導き出す
・前回分担当の制作会社との2社競合のため、徹底的に誌面検証。
・今後のビジョンに関わる情報収集を行い、掲載コンテンツ案を検討。
・アイデアラッシュを重ねて企画案を練り、ページネーションと共に提案。
・時代・トレンドを反映した、新たなアート感覚を取り入れることも意識。

ライバル(競合相手)に勝つために、まずは徹底検証。もちろん、お客様のブランド力アップが目的ですから、軸がぶれないよう細心の注意を払いました。必要な要素を予測し、さらなる改善ポイントの抽出に向けアイデアラッシュを行い、コンテンツ案とページネーション案を合わせて企画書を作成した結果、無事受注できました。具体的な検討段階では、2017年当時、インスタ映えという言葉が出始めた頃だったことから、単にトレンドをそのままあてがうのではなく、共感を得る一要素として取り入れ、ポートフォリオ風に見せるデザイン展開とし、アートへのこだわりをいくつかの方法で表現することになりました。


アイデアラッシュメモ

ページネーション全体

ページネーション構成(一部)

注目ポイント

お客様との対話からアイデアが生まれてブラッシュアップ
・提案内容を元にお客様と話し合い、さらにアイデアを重ねる方式で。
・漠然としていた要望も、対話を通じて輪郭が明確になっていく。
・制作全般に関して、幅広く自社対応できる強みを積極的に活用。

話を詰めていく中で、良い化学変化が生じました。当初弊社から提案した案に対して、担当者の方から「実は、以前からあるこのウェブコンテンツが好評なんですよ」という情報を得ます。打合せ等の対話の中で引き出せた内部情報がヒントになって、弊社側で企画したアイデアに対し、現実的な方向性が見つかりました。以前の対談記事を再編集し、さらに今回新たな対談をセッティングするに至り、その他にも、アートを意識したプロダクトが暮らしの中、街の中でどう映るかを探る企画として、ロケ撮影のアイデアにもつながって、自社スタジオのフォトグラファーの活躍シーンも広がりました。


コンテンツ確認用一覧

結果

配布した取引先の建築事務所等から好感触を得た
・もともと商品カタログをきっかけに得た機会で、さらに高評価を得た。
・ブランディングツールという意味に加え、営業ツールとしての役割も大。
・自社メンバー(社員)が対応可能なスキル・専門領域を伝えることにも成功。

仕様や用紙、冊子としてのデザインや装丁にこだわり抜いて、終わってみれば何か一つのアート作品か写真集のような仕上がりで、本棚に置いておくだけで存在感が漂います(※事情により、実物をお見せできないのが残念ですが)。企業イメージをも左右する100ページ超えのどっしりとしていて値打のある記念誌となり、最終的に、社内はもとより配布先の建築事務所から高評価をいただきました。今後10年に渡って、お客様がその先のお客様に行う営業活動時に、ブランディングツールとして役立てていただけたら、という思いでした。
日本製にこだわるプロダクトを、高品質なアート感覚で捉える営業戦略を、正しく理解してから動いたことが良い結果につながったのかもしれません。


イメージスケッチ

まとめ

■目指したのは、10年ごとの発刊という特性を考慮し、10年スパンでのビジョンを正しく反映しブランディング施策に活用できる誌面づくり。
■「これから」を予感させるビジュアル的な完成度の高いコンテンツを作成するため、専門性の高いスキルを結集して対応。
■言葉だけでは固まりにくいアイデアを、打合せ時にその場で手描きして確認できるのもフジプラス流。