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知ってて当たり前?おさえておきたいCSR、SDGs、ESGの基本
以前にも増して、仕事関連のメールマガジンをはじめ、各種ウェビナーのタイトルの中にもさまざまな略語が飛び交っています。使い慣れている馴染みのあるもの、聞いたことはあっても意味は曖昧なもの、全く知らないもの等、接点や理解度合いも様々だと思います。そこで、ビジネスにおいて経営戦略から、営業、マーケティング、広報等、あらゆる分野で頻出する略語の中から、CSR、SDGs、ESGを取り上げます。これらは、引用されるシーンも似通っていることもあり、何がどう違っていて、どの程度理解しておけば良いのか、という声もちらほら聞こえてきます。
認知度もこのCSR、SDGs、ESGの順番という印象ですが、試しにネット検索してみると、ヒット数の多い順番も同様でした。CSRはダントツで多く、ほぼ互角なSDGsとESGの2倍以上(日々変化するので、あくまでも目安ですが)。中には、「CSRは企業の社会貢献アピール?」「SDGsは環境だけの話だと思っていた!」「ESGって部署名?」と誤解も含め反応も様々。確かに直接の接点がない場合は止むを得ませんが、今後はビジネスの常識になり得るキーワードばかりです。打ち合わせや商談の現場で、さすがに「知りません」とはいきませんので、ひと通りおさらいしておきましょう。
- CSR Corporate Social Responsibility
→CSRは、「企業の社会的責任」と訳されるのが一般的ですが、「企業が社会に対して責任を果たすための活動を、経営に組み込むこと」と理解しておくと良いでしょう。利益の一部を社会に還元し、ガイドラインに沿ってガバナンスに関する情報を開示します。CSRについては、最初にCorporateという言葉があることでもわかるように、企業側の視点からの表現とも言えますね。 - SDGs Sustainable Development Goals
→SDGsは、「持続可能な開発目標」のこと。2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標で、17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいます。(※外務省HPより参照:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html)
このように、日本政府を筆頭に、官民財が協力して取り組んでいるのが特徴です。 - ESG Environment/Social/Governance
→ESGは、3つのカテゴリーの頭文字を並べたもの。ESG投資という形で使用されることが多く、環境や社会、ガバナンスに対し積極的に取り組む企業に投資することを意味します。それぞれの要素としては、例えば下記のようになります。
Environment(環境) 「二酸化炭素削減」「動物保護活動」「再生可能エネルギー導入」こうしたESGの項目に対応した経営を行うことにより、投資先として選択されてキャッシュフローが拡大すること、さらに信頼が増すことでブランディングにも効果的です。
Social(社会) 「労働環境改善」「女性活躍推進」「地域貢献活動」
Governance(企業統治) 「透明性のある経営」「情報開示」「社外取締役の独立性」
世界全体の共通目標としてSDGsが存在し、企業側の目線でCSRがあり、投資家目線でESGがあるということです。ただし、特にSDGsはカテゴリーも幅広いので、何らか具体的な接点を通じ、理解を深めるのが近道になるでしょう。
ネット環境さえあれば「いつでもどこでもウェビナー等、オンラインで受講できる」時代。その気になれば海外のウェビナーも受講できますし、情報や価値観の共有も、いっそう世界同時進行型となっていくはずです。例えば、「先発隊」的に取り組んだ企業には、経験による知見が集積しますよね。これをビジネスの切り札にするのは、これまでもこれからも一般的でしょう。ただ、今や、知見を惜しげもなく無料公開するケースも見受けられます。ソーシャルグッドと呼ばれる、社会に対して良いインパクトを与える活動や製品、サービスに関わる企業には、そうしたマインドが文化として根付いているわけですね。企業として社会に対してどんな影響力をもてるのか、何を発信できるのか、という視点で考えることが、まわりまわってビジネス自体への還流を促します。「企業は広く社会と共に成長すべき」という解釈が当たり前になってきたことを、これからの世界標準として受け止めておきたいものです。