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ビジネスパーソンにも「表現力」磨きが不可欠な理由とは?
最近では、ビジネスパーソン向けの話し方や表情づくりをアドバイスするセミナーの案内を見かける機会も多くなりました。メルマガでもちょくちょく見かけるテーマです。今や営業職だけでなく、内勤の方でも、例えば社内でのやり取り等でオンライン会議や社内セミナー講師や司会など、役割も多様化している時代。それに比例するように、苦手意識を克服できないで悩むビジネスパーソンも増えているようです。
試しに「オンライン会議」「苦手」で検索すると、700万件近く(日々変わりますが目安です)ヒットするほど。先のようなセミナー(ウェビナーを含む)が増えた背景には、オンラインでの会議や商談、打合せ等の普及が大きく影響しているのは間違いありません。とにかく参加し、こなすことに懸命になっていた初期段階を過ぎると、次第にしっくりこない感覚に陥った、という方も多いはずです。
その「うまくいかない感じ」を、オンライン会議を例にイメージしてみましょう。まずは、参加を促す招待がメールで届くケースが一般的。ホストを務める方は、参加メンバーに議題を明確に伝えることが求められますね。ここでまず、メールの文面で伝える表現力、わかりやすいレジュメづくりという課題が出てきます(①テキストの表現力)。そこで正しく伝えないことには、参加メンバーが会議でうまく発言できません。さらに、それを受け取った参加メンバーは、リアルで会わない分を補うためにも、返信が重要です。コメントの中身もそうですが、タイミングだったり、正しく理解して返答する力が大切です(②コミュニケーション上の表現力)。そして何より、オンライン会議での振る舞いが最も肝心なところでしょう(③共感の表現力)。
①テキストの表現力
皆さんも一度はこんな経験はありませんか?メールで何か伝えた際に、自分の意図した方向とは違う意味にとらえられて、思わぬ反撃メールが届く、あるいは変なフォローメールが届く等。これは、話すように書いてしまう場合に起きるすれ違いの典型パターンです。テキストベースのやり取りには、長いセンテンスは不向き。なるべく主語述語が明快な短文が理想です。レジュメにしても、説明を加えるためにプラスした過剰な修飾語句が、マイナス効果になることも多々ありです。ビジネスに関わる文書は、短時間で理解しやすいよう、なるべくシンプルにするのがベストですね。
②コミュニケーション上の表現力
お客様とのやり取りはもちろん、社内のやり取りの中でも、やはりコミュニケーションの問題は、大きな比重を占めますよね。たとえ前向きで良い話であっても、声をかけるタイミング、相談するタイミングを考えないようではダメです。相手の事情を気遣って動くのもコミュニケーションの重要な要素であって、行動を含めて表現力が問われるということです。つい気持ちが先走ってしまいそうな時でも、ちょっと一呼吸おいて、「今このタイミングで良いかな?」「自分の都合だけで動いてないかな?」と確認する余裕ぐらいは持っておきたいですね。そこさえクリアできれば、話もスムーズにいく下地が出来上がっている状態とも言えます。
③共感の表現力
国際的な会議もオンラインで行われる機会が増え、そういった場でどうしても欧米の方々に比べて日本人は無表情に見えてしまうという話も耳にします。日本語の発音は、例えば英語と比較すると口を動かす範囲も限定的ですから、特に会議という場においてそれほど表情を意識することがない、というのが本音かもしれません(もちろん個人差もあり、日頃から表情豊かに話す方もいらっしゃいますが)。例えば自分がオンライン会議で発言して、他の参加者から何のリアクションもないままで続けるのはつらいもの。ですから、画面上でもしっかり分かるように大きめに頷いて「聞いてますよ」のメッセージを伝えるだけでも、共感により良い空気が生まれます。
いろんなスタイルでのコミュニケーションが増え、ますますビジネスパーソンに「表現力」が求められるようになりました。決して、プロのライターのような文章を書けるように、だとか、プロのアナウンサーのような表情で話せるように、ということではありません。オンラインでのコミュニケーションが増える中、あくまでも「スマートに」「合理的に」、しかしながら「気遣いを忘れない」やり取りが、仕事を円滑に進めるために大切です、というお話でした。