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モーターホーム株式会社 代表取締役 髙野 一朗氏大手アパレルに17年勤務。店舗スタッフ、マーチャンダイザー、EC事業責任者を経て、CRM事業の立上げと拡大に取り組む。独立後、アパレル企業を中心にプロデュースやコンサルティングを行い、2020年にモーターホーム株式会社を設立。D2C事業や企業のリブランディングをサポートする。シェアオフィスWeWorkでアンバサダーに選出され、日々訪れる人のメンターとして生み出したビジネスの実績は多数。 「オポチュニティクリエイター」と称される髙野氏は、人つなぎのスペシャリスト。単に人脈をつなぐだけでなく、場や機会を創出し、人々を結びつけます。 新しい企画やプロデュース、イベントの立ち上げなど、何かを始める時に相談したくなる人。それだけに、髙野氏の周りには自然と大勢の人が集まってきます。 柔軟な発想で変化を厭わず、既成の枠にとらわれずに新しいビジネスを生み出す髙野氏。本来は人見知りだけど人が好き。行動力があるのにアグレッシブではない。温和だけど、確固たる信念を持つ。そんな不思議な魅力を併せ持つ髙野氏のこれまでの歩みを紐解きながら、その真価に迫ります。 中学生の頃から洋服が好きで、友達と渋谷に行っては小遣いをやりくりしながら洋服を買っていた髙野氏。「お金がないので古着が中心でしたね。浪人中、本当に大学に行きたいのか疑問になり、実家の家業を手伝いながらやりたいことを考えるようになりました。」 そして、日本メンズアパレルアカデミーというファッションの専門学校に通うように。卒業制作で卒業式に着る 三つ揃いを作るという、テーラーの息子が通うような専門学校です。卒業後、BAY CREW’Sのアルバイトとして採用され、アウトレット品を扱うショップの店員になりました。ところが、お客さんが全く来ません。しばらく働いた後、髙野氏は人事部長に「辞めさせてください」と直訴したそうです。すると怒られ、「商品管理の仕事に異動してみたら」と。考えてもみなかった道でしたが、「ようやくそこから自分の道が始まった」と感じました。 それから商品開発の責任者(MD)などをやるようになり、2004年頃、ECサイトの責任者として立ち上げを行いました。スピーディにコンテンツを作るために、店舗スタッフをモデルに起用し、初年度の売上目標を大幅に上回る5千万円を計上。「ものすごい勢いでビジネスが伸びていた時でもあり、新しい道を自分で切り拓く経験ができてラッキーでした」と当時を振り返ります。その頃、ふとIT系の人達とのコネクションを築きたいと考え、大手アパレルとIT系の人々を集めて「ファッションマーケティングの会(通称FM会)」を発足。現在も活動を続けています。 ECに販売情報や顧客情報が蓄積されると、髙野氏はそれを現場に還元したいと考えるようになりました。店舗スタッフが情報を活用できたら接客がもっと楽しくなると思ったのです。そこで、当時30程存在していたブランドのポイントカードを一元化することを提案。CRMの部署を立ち上げ、ブランド毎の名簿情報を名寄せして、お客様が来店するとPOSレジで情報を統合させた新しいカードをお渡しできる仕組みを構築しました。「僕は決してITに長けているわけではありません。ただ、IT部門とSIerと現場をつなぎ、ひたすら社内調整したまでです」と語る髙野氏。相手の意志をくみ取り、どうすれば最良の結果を生み出せるかを考えて、様々な立場の人をつないでいたのでしょう。 髙野氏がCRMでやりたかったのは、店舗スタッフに情報を還元すること。しかし、会社は売上につなげることが最優先でした。微妙なずれを感じ始めた頃、スカウト会社から声がかかるように。しかし、会社を裏切るようで競合には行きたくない。そんな時、FM会のつながりから、営業代行やアンバサダーを業務委託したいという話があり、個人事業主として独立することを決意。2015年3月のことでした。独立後は、イベントや懇親会をオーガナイズしたり、営業代行で商品を紹介したり。シェアオフィスのWeWork Icebergに入居すると、お客様が気軽に立ち寄ってくれるよ2Idea4U vol.702024 Summer第1章  キャリアのスタート〜 「好き」の模索第2章  ITとの出会い〜 ECからCRMへ第3章  独立から起業へ〜 人つなぎのスペシャリストへ気負わない行動力とは?オポチュニティクリエイターが架ける人と人をつなぐ橋

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