idea4u_vol69
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9 まず一つ目の議論は、「贈りものとしてのフルーツ」の価値について。最終着地点から遡る形式で議論しました。最終的な顧客(選んで買って贈る)側のベネフィットは、贈り先の方に「良いものをもらった」と感動をもたらすこと。関係先のヒアリングを経てメンバーは、正しい情報を伝える仕組みがないと気付きます。α社の納入先のショップが、その先の顧客に説明できる手段のことです。フルーツのおいしさと共に、そのフルーツにまつわるオリジナルストーリーも届けるツールに着目しました。 これまでは「フルーツをショップに供給する会社」という認識だったメンバーにも変化が。良い商品を届けることから始まる信頼の好循環サイクルを創ること。ビジョンに照らし合わせ、企業として達成したい理想像を思い描き、アイデアを言葉にしながらたどり着いた答えは意外とシンプルでした。資料としてストックしてある画像や動画を活用すれば、フルーツの魅力を伝える動画コン テンツを作れる!というもの。伝えやすい仕組みを作れば、良さを理解してもらえるはず、という視点でした。 二つ目の議論は、「日常の延長としてのフルーツ」の価値を、同じく逆算方式で議論。認知度も上がり、カフェメニュ―のひとつとして定着した感もあるフルーツサンドや、新たなブームのフルーツパフェのリサーチを行い、カフェで楽しむ顧客のベネフィットは、おいしさの満足感は当たり前、写真をSNSにアップし体験を発信し、記録に残す楽しさに注目しました。自ら消費者目線で体験し、見た目だけじゃない、本当においしいメニューを楽しむ時間そのものが価値だと気付きました。●「笑顔」を生み出すのは「幸福感」という視点。フルーツは見た目の華やかさを活かしたビジュアル的な発信で影響大。特別なフルーツを素敵に味わえるのはここ!という取引先とのコラボを想定。資料2参照 消費者目線ということで、「お金を使いたくなる動機」という切り口から、フルーツが生み出す「価値」について、議論を重ねました。気分が上がる瞬間とフルーツの関係を突き詰め、心地良さを提供するカフェという空間で食べるフルーツ体験に注目しました。心にも効くメニューを前に高揚する感覚を得る意味を考えると、飽きさせないことが軸になります。フルーツのプロの知識を活用し、チェーン展開しているカフェとコラボしてSNSを使った魅力発信コンテンツの必要性に気付きました。 ビジョンの解釈を、具体的に分解して考えるプロセスを理解していただくために、引き続き架空の企業の例でお伝えしてきました。具体的な商品やサービスを通じて、自社のブランド価値を高めていくには、機能性由来の価値と、個性由来の価値を掛け合わせて抽出されたものと丁寧に向き合うことが欠かせません。ビジョンのメッセージを、「自分たちらしさ」の価値を具体化できると、ひとつの壁を越えたとでも言えますね。当たり前になり過ぎて気付かない価値もあったり、「自分たちらしさ」の検証や見直しの機会にもなるでしょう。 ビジネス全般で、「ストーリーテリング が重要」と言われることも多いですが、ブランディングに関しても引用され ます。何か伝えようとする際に、その何かを具体的に思い描けること、つまり可視化する過程が重要なのです。共感を通じた理解(しっくりくる感覚)にたどり着くには、まずストーリーテラーが必要ということでしょう。自社のビジョン を「自分たちらしさ」と結び付けて、進んでいけることが理想ですね。(株式会社フジプラス)資料1【贈り物】フルーツ×安心感=笑顔資料2【カフェメニュー】ビジョン起点で考える「笑顔」の解釈 その2フルーツ×幸福感=■ブランディングに関わる当事者が、ビジョンを可視化し伝えやすく「整える」ことが重要。■自社らしさとは何か?の問いに、だれもが同じように答えられる状態になるのが理想。笑顔●「笑顔」を生み出すのは「安心感」という視点。贈り物として高品質のフルーツであることは大前提で、いかに安心安全な方法で生産され、感動的なおいしさに仕上がっているか、の解説が必要資料1参照としてのフルーツお店がフルーツの魅力を伝えきれてないのかも?ビジョン起点で考える「笑顔」の解釈 その1お店のスタッフが簡単に使えるツールって何かな?PJメンバーAさんPJメンバー BさんPJメンバーCさんIdea4U vol.69もらってうれしい動画があれば、みんなが使いやすいし伝わるはず!に使うフルーツフルーツサンドが人気の理由ってなんだ?PJメンバー2024 Springフルーツメニューって、ちょっとご褒美感あるよね!PJメンバー BさんAさんPJメンバーCさん体験できて楽しいいい感じのカフェだと、絶対写真たくさん撮るよね「笑顔」の定義 その1 ベネフィット=安心感架空企業の例から考える1「笑顔」の定義 その2 ベネフィット=幸福感 架空企業の例から考える2[終わりに]まとめ■社内で価値を共有できてこそ、社外から正しく理解され価値を評価してもらえるようになる。

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