Idea4U vol.682024 Winter3献度が高い、生活圏内に何店舗あるか知っていたら知識点が高い、裏メニューを編み出して楽しんでいる人は愛情点が高いなどと判断します。ファンの定義や点数は、クライアントと議論を重ねてマトリクスを形成します。 さらに、VoF(Voice of Fan)分析を経て、ファンレベルに合わせた施策でファンの人数や熱量を上げていきます。1万人のファンがいたら1万通りのファンサービスがあっていい。万人に同じ広告を打つのではなく、分類やランクに応じた施策で高い効果を狙います。 ファンとのコミュニケーションは、BOKURAがその企業の社員と同じレベルの知識を有した上で代行し、事前に返信の際の一人称から、文体、口調、顔文字の利用まで綿密に設計します。SaaSで提供する管理ツールは、ファンの熱量(スコア)を可視化し、インサイトの把握やファン候補の発見も可能です。ファンを1人つくった時の売上効果は、顧客単価から試算し、それをベースに増加人数×複数年の売り上げ貢献額を算出することで、費用対効果が見えるようにします。今後はAIを活用し、労働集約作業を自動化していく予定です。 ファンづくりの施策は人の手による地道な活動が多いです。それは、レビューサイトに投稿してくれた一人ひとりに丁寧なお礼やお詫びのコメントを返すことや、SNSのタグからユーザーを見つけ出してコミュニケーションすることだったりします。公式アカウントからウィットを効かせたコメントを送ったり、 たくさん購入してくれた投稿者に感謝状を送ったり、素朴な疑問を投稿した人に丁寧に回答したり、一人ひとりと真摯に向き合ってハートフルな交流を実施することで、ブランドだけではなく、企業の好感度も上がり、投稿が何万件とリポストされるなど、ファンコミュニティが活性化したケースもあります。ブランド愛が深まるにつれ、ファンは自然発生的にブランドのマスコットを刺繍で作ったり、店頭で品切れを見つければ店員さんに伝えたり、徐々に自走するようになりました。ファンの描いたイラストがLINEの公式スタンプになるなど、ファンを巻き込んだ活動も広がり、売上も向上。さらに、ファンの喜びや感謝の声が企業側に届くことで従業員満足度が上がり、ファンのためにもっといい商品を出したいと予想外の好循環も生まれました。 BOKURAのソリューションは、何も最先端技術を駆使したものではありません。お店に行けば「いらっしゃいませ」、帰る時には「ありがとうございます」といわれますが、SNS上ではそん な当たり前のことができていない。BOKURAは、それを支援しているにすぎません。「バズらせる」とかではなく、ファンとの交流を大切にすれば、ブランドを応援してくれる人が増え、それが企業の大切な資産となります。自社が困難に直面した時に支えてくれるのはファンだからです。 これまでの実績はBtoCが多いですが、対企業のBtoBでもファンづくりという意味では変わりません。但し、BtoBは購買プロセスが複雑で意思決定者が複数いる、感情ではなくロジカルな購買判断が求められるなどの特徴があるため、アプローチに調整は必要です。BtoBのファンの対象は、顧客企業であり、従業員であり、従業員の家族であり、外注先パートナー企業です。ユーザー同士を繋げる場の提供はBtoBにおいて極めて重要で、当社もクライアント企業間で繋がりをつくるために定期的に交流会を実施しています。繋がりができれば、あのツールはいいよとか、サポートがいいよとか、ファンが営業してくれるようにもなりますし、このような取り組みがBOKURA自身のファンづくりにも繋がると考えます。 これまでもソーシャルメディアを中核にしたマーケティング手法に関して取材をしましたが、ファンに徹底的に焦点をあて、詳細に定量化までした例はありません。企業成長はファンに支えられているとわかっていても、定量性がなければ経営の意思決定に影響を与えることは難しく、そこへのあくなきチャレンジをインタビューにて強く感じました。この熱意がファンマーケティングをさらに発展させることを確信しました。(株式会社フジプラス) 株式会社 BOKURAについての詳細は、こちらでご覧いただけます。 https://bokura.biz/■ 顧客を単に売上でランクづけするのではなく、多角的・定量的に評価することで、ファンの可視化が可能になる。■ SNSを正しく活用し、個別のコミュニケーションを惜しみなく行なうことで、ファンの心を掴むことが大事。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2015年8月に設立し、現在9年目。「良いものが正しく届く世界に」をミッションとして、企業とファンを繋ぐ「ファンマーケティング」を実施。企業に寄り添い、ファンを創る、見つける、育てる、巻き込むなどの活動をクライアントと伴走する。2023年7月、ファンを多角的に数値化するファン定義4種をはじめとした、BOKURAのソリューション全般にて特許を取得。これまでの実績約280社、スポーツチーム32チーム。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 広告などの一時的なマーケティングではなく、ファンの愛こそが企業やブランドを支えている。
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