仕事をする際に、いわゆるユニフォームを着用する職種も様々ですね。そのユニフォームを中心に「しごとぎや たまゆら」というコンセプトで、地域密着にこだわり丁寧かつ細やかな視点でビジネス展開を行い、地域から着実に信頼を得ながら現在の地位を築き上げた企業があります。今回は、大阪・枚方の地に本社を構える、株式会社たまゆら常務執行役員(兼 株式会社ショップたまゆら 代表取締役社長)神口敬之氏を訪ねました。印象的な社名の由来から、広くアイデアを出し挑み続ける背景、地域密着の根底にある考え方まで、じっくり語っていただきました。 先代の岡本好明(現会長)が、大阪・枚方市で「衣料品店たまゆら」を創業したのは1965年ですので、もう58年目です。小さな衣料品店としてスタートしましたが、枚方の工業団地ができて企業からの問い合わせが増えました。作業に欠かせない軍手は、和歌山にある島精機の最先端の編み機を借りて製造販売を始め、リクエストに応じて安全靴や作業着等の販売へと広げ、法人営業の基礎となりました。社名の通り、お客様とのつながりを大切にして良い音色を奏でたい思いから、ユニフォーム・仕事着に特化し現在に至ります。一般アパレル商品との違いは、「今年限りのデザイン」でなく翌年も販売できること。企業独自のユニフォームなら、同じものを継続して提供することが必要なので、市場は大きくないですが安定性が強みですね。店舗としては、2019年9月に、プロ仕様のWorkerスペックにファッション 性をプラスしたアパレルセレクトショップ「Tamayura Athle」のブランド展開を始め、 今年4年目です。新たな分野への挑戦にあたって、商品としての基準を明確にしま した。培ってきたノウハウを活かし、作るにせよ仕入れるにせよ、何かしら機能性特化の素材や耐久性、さらに安価であることは必須だと肝に銘じて挑み続けています。 現在、販売チャネルとして、①個人客が中心の店舗、②担当者が付く法人営業、③オンラインを通じたEC の3種類があります。①は「待ち」のスタイルなので、来店者層に合わせた品揃えが必要。例えば「Tamayura Athle」のショッピングピングモール出店で、新たな層へのアピールも実践中です。個人の財布から出す①に対し②は企業の経費なので、当然販売方法から違います。企業のユニフォームの場合、営業担当がヒア リングして、例えば作業効率を上げるストレッチ性や快適性を優先する場合、意向に沿った素材も含めた提案で信頼を得ることが重要です。③は、本来の地域密着展開の中で、コロナ禍を機に一つの可能性として始めたもの。まだまだこれからですが、情報を届ける新たな方法としての動画配信と相性も良いので、期待大ですね。 また、リアルイベントの代わりにできることは?と考えて、社員自ら出演しYouTubeで情報発信したり、「たまいろLIVE」という商品紹介のライブ配信番組を始めたり、お客様との接点づくりで試行錯誤し発信ツールとして活用しました。それが今や動画配信からリンクでECサイトに誘導し、販売への「入り口」に成長。商品特徴など説明動画が中心なので、店舗のモニターで流していると、お客様から「この商品ないの?」と声をかけられることもあります。「伝える」という話で言うと、お客様のためにも、カタログで細かく伝えるべき情報と、動画でわかりやすく伝えるべき情報の使い分けが求められる時代がきたなと実感しています。 地域あってこそ!の思いは、社員にも脈々と引き継がれています。ドミナント化(特定地域への戦略的・集中的出店)を意識していたわけではありませんが、結果的に枚方近辺では、車で少し走れば「ここにもたまゆらが」という感覚です。地域に根差してきたので、何かしら地域貢献を!と、できることから始めています。例えば、コロナ禍でのマスク不足をうけ地元自治体へのマスク寄付、枚方の病院で深刻だった手術着不足には、自社の縫製工場にて緊急対応をしました。 また、枚方陸上競技場のネーミングライツ(命名権)については、社員のご家族(特にお子さん)が陸上競技に参加した時に、照れくさいながらもうれしそうなのです。うちもそうでした。たまゆらという名前を聞く機会が増え、企業名として知名度が上がると、社員もご家族も誇りに思えますから。地域貢献の先にあるのは、事業的には当然知名度アップですが、実はそれ以上にインナーブラン 社名である「たまゆら」の由来古代の勾玉が首元で触れ合って響き合う美しい音を、玉響と書いて「たまゆら」と呼んだことから、ビジネスにおいても人と人が接する時に美しく良い音色を奏でることを願い、人とのつながりを大切にしたい思いを込めて名付けられた。2Idea4U vol.672023 Autumn− 創業から現在までの 歩みをお聞かせください。− 販路開拓や販促について 取り組みの要点とは?− 地域貢献がもたらす ビジネスへの影響とは?地域密着にこだわり続ける意味「しごとぎや」としての信頼を糧に「人」とのつながりから広がる未来
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