個別体験による影響 資料1 大まかな印象 Down↓Idea4U vol.662023 Summer8(※わかりやすいようBtoC企業を想定) 変化例「期待してた以上で気に入った」「また行きたい」「また使いたい」変化例「スタッフの商品知識が希薄」「頼りない」「もう行かない」企業のブランディングに関しては、様々な誤解やカンちがいがはびこっている、と言ったら言い過ぎでしょうか。どうしても、BtoCの一般消費者が商品に対して思い描くブラン ドイメージの話が中心になりがちです。以前ふれたように、個人を引き合いに出すと、話の糸口としてわかりやすいので、今回も随所に例えを散りばめてお伝えしていきます。 タイトルにあるように、「こうありたい」「こう見られたい」は単なる願望であり、願望を叫び続けたところで、すぐに世の中が認識してくれるほど生易しいものではありません。企業が広く世の中にメッセージを届け続け、「そうだ、確かにこの会社はこうだ」と認識してもらうには、元々備わっている「目に見えない価値」を可視化し続け、共感・納得を引き出す工夫の継続が欠かせません。こうした課題を含め、さっそく深堀りしていきましょう。 かつて、お客様との何気ない会話の中で、「会社のイメージって、最初に出会った社員の方で決まりますね」と言われ、思わずハッとして背筋を伸ばし「姿勢を正すとはまさにこれか」と思いました。良い意味でのコメントでしたが、逆の場合も起こり得るわけで、この時以来、常に心に留めています。個人に置き換えると、全国展開するブランドイメージも、利用する店舗スタッフの対応に大きく左右される、というお話です。企業としての情報発信や広告・広報活動によって、そのブランド自体に好印象を持っていたとしても、店舗で残念な接客だったら、その場で買うのを躊躇するだけでなく、イメージダウンによって、ブランドへの興味が急速に失せる可能性もあります。 企業で掲げるビジョンのように、明文化された目標があれば、実現のために社員(※様々な立場を含め広く従業員という意味合い)が果たすべき役割にまで落とし込めていれば、だれもがやるべきことの軸を意識し行動できるため、ブランドイメージはブレないはずです。「目指すべき方向性を正しく理解=判断基準の明確化」であり、自信を持って自ら判断するという思考自体が、日々の仕事への向き合い方に影響するのです。 苦手なこと、弱みについては、真正面から受け止めるには覚悟が必要ですね。例によって個人に当てはめ、自分の短所を近しい人から指摘される場面を想像してみましょう。どんな言葉でも受け止める覚悟で腹を括ったとしても、マイナスなことをズバッと言われたら、落ち込んだり、通り越して怒りがこみあげたり、感情がブレにブレてしまって大変でしょう。 ただし、企業が自らを正しく理解するには、「外」からの意見が不可欠です。自分の姿を直接自分の目で見ることはできないので鏡に映すのと同じく、何かを介在しない限り認識できません。重要なのは、お客様や協力会社など、日頃からお付き合いのある方の視点です。組織の中にいると、見ているのに認識できないことも多々あります。特に長年組織に属していると、客観視すら難しくなり ます。指摘されたことが非常にシビアな内容でも、目を背けないことです。自分の姿を鏡に映してまじまじ見つめるのは、 コンプレックスの再確認のようで嫌ですよね。よほどのナルシストでない限りつらいですが、組織も同様で、認識しつつも見て見ぬふりをして先延ばししてきた課題も含め、全身で受け止める必要があるわけです。 一般的にブランディングは、「方法論」やスペシャリストのノウハウを参考に、自社を現状分析して方向性を絞り込みます。担当者としては、まずインナー的動きから固め、整理した上でアウターを店舗や商品との接点を持つことが、ブランドイメージUp&Downの分岐点に!店舗スタッフの対応/商品に対する満足広告やプロモーション展開等から受けるイメージ例「エコ意識も高いし良さそう」ブランドイメージの変化 「イメージ」という幻想と正しい行動の狭間で 見たくない現実とも向き合う覚悟が必要私たちこうです!の宣言も「入り口」に過ぎない Up↑ カンちがい事例1Point・関わる全ての人が企業イメージを左右する可能性あり・企業が目指すべき方向性をいかに共有できるかがカギ企業も個人もブランディングの時代②「こうありたい」「こう見られたい」実現への道のりは険しく遠いもの
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