社内社外 5Idea4U vol.662023 SummerWordやExcelを使いつつも、一部はGoogleドキュメントに置き換えることで解決。これにより、ファイルを共有利用するなどは十分対応できていました。また、内容に対してのコメントやアドバイスは、これまでは何かあっても対面にて助言できたので問題にはならなかったのです。ただ、テレワーク等による遠隔対応だと、そうはいきません。状況が見えにくくなり、情報が複雑化してきたので、弊社では新たにタスク管理ツールを使うことで解決のための模索をはじめました。 コミュニケーションにおいては、社外にEメール、社内ではチャット等で使い分けると整理できます。ただ、プロジェクトにおけるコミュニケーションをEメールやチャットで分けてしまうと、手間もかかるし、情報も分断してしまいます。弊社が導入したタスク管理ツールは、社外・社内に関係無く一緒に共有して使えるため、情報もオープンで、議論すべき議論に集中できるようになり、積極的に関わることで一気に解決できる可能性を生み出すことができました。あとは、クラウド上でのコミュニケーションの大原則として、自らの存在や行動を何かアクション(例えば「いいね」等)しないと静止してしまいます。関わるメンバーがどれだけ「参加」できるかが、導入成功のカギとなります。 弊社では、これまで現場への作業指示は紙の伝票ベースで行なわれており、20年以上この仕組みが変わることはありませんでした。これは概念そのものが「量」とか「単価」といった単位となっており、世間相場に対応してきた歴史があるからです。ただ、実際には「人数」や「作業時間」などと照らし合わせて財務的な根拠で判断する必要があり、これまでは数値化されていないためトータルでしかその良し悪しの判断をせざるを得ませんでした。 具体的に何を数値化するかですが、時間単位での工数管理をクラウド上で行なうことにしました。一見、簡単そうな対応ですが、これまで無かった概念を取り入れることはあまり容易ではありませんでした。案件や作業におけるカテゴリ分け・時間登録などは、感覚的に取り組める馴染みやすいインターフェースであることが大前提です。 また、従来の基幹システムとの連携も必須であるため、柔軟な連携機能を持っているかどうかも選定基準としては重要でした。 これらの条件をクリアした上で工数管理ツールを活用することで、これまで「量」×「単価」で計上してきた原価も、「工数」による原価計上に考え方から変えることができました。また、誰が、 何の作業を、どれくらいといった情報がデータで可視化できるようになるので、製造現場としては必然的に何をどう改善していくかの議論につながります。それに加えて、実はこれまで伝票発行してきた手配者にとっても、大量の発行手間が無くなることは大きなメリットになりました。 ご紹介しました3つの取り組みは、全て社内的なDX(デジタルトランスフォーメーション)になります。クラウドサービスを有効活用し、これまでの活動や文化、既成概念そのものを見直し、 これからさらに必要とされる顧客の体験価値を高めるための「仕組み」を用意するための時間を作ることで、新しいビジネス創造に対応していく ことが求められているのではないでしょうか。(株式会社フジプラス) 図2プロジェクト管理ツールはカバーできる範囲が大きい対面打合せEメールプロジェクト管理ツールミーティングツール具体的抽象的ドキュメント管理(タスク管理)チャットオンライン図3稼ぐためには具体的な「数値化」が必要■ タスク管理ツール利用で、埋もれそうなタスクの可視化と社内外を問わない一貫したコミュニケーションが可能に。■ 工数管理ツールを導入して既成概念を見直すことで、伝票発行作業の撤廃と本来の作業状況の可視化を実現。量があいまいで単価が相場だと、どんぶり勘定にしかならない作業工数(時間)が明確で人件費等が 決まっていれば、根拠のある価格交渉や作業改善などにも取り組める■製造現場がしっかり稼ぐための仕組みづくり量単価工数単価まとめ■ MA+SFA利用とコンテンツ発信強化で、営業間での情報共有と新たなお客様との取引拡大に成功。
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