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4趣味もレベルアップの こだわり派昭子さん 74歳/主婦(息子夫婦と同居)3特典も魅力的な 定期購読活用派節子さん 70歳/無職(一人暮らし/嫁いだ娘は別世帯)Idea4U vol.642023 Winter4 仕事をしていると、なかなか平日の昼間の本屋さんというのをじっくり観察する機会がないものです。立地にもよりますが、都市部の大型店舗にしろ、郊外型の複合型店舗にしろ、普段なかなか行かない「平日昼間」を狙って行くと、「なるほど」という光景を目にすることになります。皆さん既にピンときておられますよね。そうなんです。シニアの割合が高い、という言葉に尽きます。時々小さなお子さん連れのママたちを絵本コーナーで見かけますが、シニアの存在感が圧倒的です。実際にシニア世代に聞いてみると、「確かに本屋にはよく行く」という答えも多かったのです。ただし、行く理由はバラバラ。「もともと本が好きなので」「好きな球団の月刊誌(予約購入)を受け取りに」「趣味の解説本を探しに」(ガーデニング、写真、旅行)等。でも、注目すべきはこんな意見です。「何となく本屋の雰囲気が好き」「主に暇つぶし。カフェでコーヒーを飲んだりして・・・」「お店主催のイベントに参加することもある」。そう、本屋さんは本を買うだけの場所ではなく、そこでしかできない「体験」を求めて通うシニアも増えている、ということです。 別視点で、こんなことも起きている、というお話も紹介しておきます。民間の書籍調査会社アルメディアは、日本の書店店舗数や売り場面積等の情報を公開していますが、2019年5月時点で、書店店舗数が20年前と比較してほぼ半減しているそうです。数字的に聞くと驚きですが、皆さんの周りでも、「近所のあの本屋さん、いつのまにか無くなっていた!」という経験もおありなのでは?かつて主流だった個人経営の本屋さんが減り続け、大型店中心にシフトしているのが最近の傾向です。理由はいくつか考えられますが、購入方法の多様化が影響しているはずです。ここ20年で、ネット通販による書籍購入の一般化、電子書籍の登場等、大きく進化しました。そもそも大前提としては、人口構成比の変化も影響しています。そうなると、気が向いたら近所の本屋さんに足を運ぶ、というこれまでの当たり前が、街の本屋さんの消失によりできなくなりつつある、という視点も重要です。ネットで買うのに不慣れな世代(主にシニア)にとって、本を買うにはお店に行くしかないということ。エリアによっては、本屋さん=わざわざ出かけるところ、なってしまうわけです。 そうなると、これまでの本屋さんの役割にプラスαがないと、選ばれないことになります。今や、本屋が本だけ売っていればいい!という時代は終わり、本+カフェの業態は、相性の良さで定着した感もあります。お店の規模によっては、関連する文具や日用品、食品やキッチン雑貨、食器、果てはファッション小物やバッグ類に至るまで、ライフスタイル全般をカバーするセレクトショップの様相を呈しているところも。これもひとつの答えでしょう。ただし、シニアの場合、ある程度必要なモノは既にあって、新しいものにすぐには飛びつきません。一方で、体験型(コト)には、強い関心を抱きます。地元密着情報(歴史やグルメ)に関連した講演会のような催しがその一例。本を起点に体験型ニーズに応える形で、「ここでしか聞けない話を聞き資料A1小説好きの本屋好き 趣味満喫型明さん 65歳/無職(元サラリーマン 年金生活者)具体的にイメージできるように、イメージできる最低限の属性を示したものです。この4つのパターンを 基準にして、例えば、実際のビジネスに落とし込む際は、さらに独自の条件を反映させたペルソナを想定 した上で、シナリオづくりを進めていくことになります。 4つのペルソナ ライフスタイル別購入者像2姿勢を正して読む 特別感愛好家悦子さん 65歳/専業主婦(リタイア夫と2人暮らし)イメージ平日昼間の本屋で見えたもの本をめぐる環境変化の影響も!実感と体感を求める意味SILVER LAB「アクティブシニア」ホントのところvol.19 シニア×本

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