idea4u_vol60
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8解説①防御型③不安型 とりわけここ1〜2年で世の中が急速に変わり始め、ビジネスの現場でも様々な変化の波が押し寄せてきているのはご承知の通りです。皆さんにとっても、DXに相当するような大きな変化をはじめ、短期間で既に無意識レベルにまでなじんだ新たな習慣まで、多かれ少なかれ影響があったかと思います。例えば、これまで無縁だったリモートワークが働き方の選択肢として定着したり、チャットなどテキストベースの新たなコミュニケーションの活用頻度が増えたり、というように。そうした手段の変化が一気に進んだ一方、人間の頭の中はなかなかアップデートできず困っているという話もちらほら。そうなんです。わかっているけど、つい従来の考え方が染みついていて、発想の転換まで行きつかない、という状態です。今回は、これまでの「当たり前」だった視点を少し変えることで、 これからの世界にふさわしい景色が見えてくる、というお話をしていきましょう。 仕事で大きな変化を受け入れざるを得ない場合、人は何かしらストレスを感じるもの。「どんなことがあっても平常心でいられる」という方は稀で、多くは次の①〜③のいずれか、もしくは混合型のモヤモヤ感を抱えてしまいます(※下記解説参照)。①「なんか嫌だ(しんどそう)」②「面倒くさい(これまで通りが楽なのに)」③「対応できるのか?(不安だ)」のような。様々な調査からも、日本人は世界でも突出して不安を感じやすい国民性、とも言われています。何事に対しても慎重で、安心して行動できるまでのハードルが高い傾向にある、という解釈でしょう。新しいことにパッと飛びつけない傾向は、グローバル規模で注目されるスタートアップ企業が、残念ながら海外勢だらけの現状からもよくわかります。(一旦こうと決めたら粛々と進めていくのは得意なのですが…)「能力を活かしきれてない?」「学校教育が問題?」「長年の産業構造が影響している?」いろんな言い訳が出てきそうですが、そこはいったんフタをして、なぜ変わることに対してネガティブな感情が働いてしまうのか、ごくごく身近な視点から考えてみましょう。 「変わりたいのに変えられない」ことへの対応に悩んでいるとの話も耳にします。本質的な問題を探るために、まずは検証から。先ほど挙げた①〜③の感情についてはこうです。①防御型 「なんか嫌だ(しんどそう)」という感覚は、素直な気持ちでしょうね。これまで続けてきたやり方での成功体験を持つ方が「変わる」にはエネルギーを要しますし、防御本能が働いてしまいます。ここで必要なのは、新たな方法を身に付けることで、可能性が広がる!という思考です。自らのあらゆるポテンシャルを引き出すつもりで前に進んでいけますね。②拒絶型 「面倒くさい(これまで通りが楽なのに)」 というのも、正直なところでしょう。ルーティーン化した流れを断ち切り、新たな方法にシフトするだけの値打ちがあるのか?と考えるわけです。でも、価値があるからこそ変わろうとしているので、年齢や職務経験年数に関わらず、初心に返って受け止めるのが賢明な選択だと思います。③不安型 「対応できるのか?(不安だ)」の思いは、従来のやり方へのこだわりゆえに抱きがちです。完璧にやらねば!絶対に失敗したくない!等、ご自身にも厳しい方に多いですね。「最初は多少手間取っても仕方ない、まずは慣れる努力をしよう!」と肩の力をIdea4U vol.60(しんどそう)過去の成功体験により「変えない」ことのメリットに目が行き、視野が広がらない。なんか嫌だ(これまで通りが楽なのに)仕事上で「変わる」ことが求められた時の心の動き②拒絶型[注]実験等に基づくものではなく、あくまでもわかりやすく目安としてまとめたものです。2022 Winter面倒くさい繰り返しやってきた方法を捨てられず、新しい考え方を受け入れることができない。対応できるのか?(不安だ)違うやり方で失敗したくない気持ちが強く出ると、悩み続けて身動きがとれなくなる。イメージ「変わる」ことに対してネガティブなのか? なぜ変えられない?その根底にあるものは?これって「常識」?「当たり前」を疑うことで見えてくる①思い込みで「視界」を遮らないために!ビジネスの現場で役立つ思考法

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