idea4u_vol60
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ます。コンテンツ制作等で負担は大きいですが、後々プラスになっていくはずです。入り口が広がって、ようやく今、形になり始めた。ずっと先行投資を大切にしているのも特長かもしれません。 会社として変えてはいけない、 変わるべき基準とは? 会社も時代と共に変わりますが、価値観は不変な部分も多いと思います。クレドには、人として、社会人として守るべき基本を示していて、例えば、成績は上げても日常生活は無茶苦茶な場合は評価できま せん。人として、社会人として自覚を持って集まった組織であるべきだからです。これは変わりません。一方で、人も組織も、変化に対応できなければ生き残れませんので、芯がブレないことを前提に策を講じ、実行するのみです。千年の都と言われる京都は、明治維新で東京に遷都され、様子が一変した時期があったそうです。環境が変わっても無策なら、衰退の一途だったでしょうが、変化に適応した対策を取った結果、街として息を吹き返しました。それは現代のビジネスでも同じ。信念が変わらなければ、生き残りも図れるはずです。 2020年10月にリニューアルしたミッシ ョン、ビジョン、クレドについては、プロセスから変わらねば!の思いがあり、再編成の具体的施策は全て社員に任せました。この Idea4Uも、発刊当初は私も関わっていましたが、今はノータッチ。唯一関わっているのが、年に1回だけ表紙案選定で「こっち」と選ぶだけ(笑)。共通しているのは、何でも任せていくことにした、ということ。 そもそも組織の中で、上層部と一般 社員との違いは、アクセスできる情報の 違いというのが持論なので、組織的、 ルール的な壁を取り払おうと検討中 です。視野の広さや目線の高さは、入手できる情報量が影響しているはずな ので、議題も全てオープンにします。中期経営計画策定のとりまとめを若手 メンバーに任せるため、あらゆる情報に アクセスできるようにしたのもその一環。基本的には、個人の能力差以上に入手できる情報の差が影響すると感じており、情報にアクセスできるレベルを上げることで、その差を解消することにしました。ちなみに、中枢メンバーで毎朝実施している会議では、運営方法自体も変えて自然と メンバーの意識が変わりました。以前よりぐっと目線位置も高くなり、責任感も強まったのが大きいはずです。人脈の作り方に関して 意識していることは?  会社規模の大小を問わず、異業種との交流が多いですね。最も意識しているのは、「仕事ではなく繋がりをつくる」こと。真剣な話はもちろん、ちょっとした冗談を含め、会話を大切にしています。その方の経営スタンス等、違う業界の話を知ることで、直接的プラスではなくても、間接的プラスは確実に得ています。有名な先生の講義を受けるよりも、実際の出来事として最新の話を聞くほうが、自分にプラスになる気がしますね。これらの情報の積み重ねが、最終的にはフジプラスの判断基準になり、経営判断にも影響します。懇意になるきっかけは、経営者団体の組織の中で同じグループになったり、一つの事業やイベントを一緒にやることだったりが多いですね。損得勘定無しでお付き合いさせていただいてい ます。家族ぐるみでのお付き合いも多いですし、関係性を広げる中で、すぐに仕事と結びつけないよう意識しています。自己分析をして実感される、 ご自身の特徴とは? 自分のことは、世間一般的に見て「普通」だと思っていますが、そう聞いて首を横に振る人のほうが多いかもしれません。ちなみに、所属している経営社団体は個性的な方々の集まりなので、そこでは至って「普通」に感じます。私も以前は、会社ではある程度演じていましたね。「社長として隙 を見せてはダメだ」と思っていましたから。例えば、プライベートでどこかに行く時も、基本的には会社で全く話題にしませんで した。一切見えないほうが良いと思っていたんです。 昔のような頑なさもないし、心は自由。「もしかすると、休みの日にぼーっとしているのが一番幸せかもしれない」なんてことも今なら堂々と言えます。当時、隙を見せたくない!という発想の背景にあったのは、「社長たるもの、24時間働いて当たり前だ」という感覚です。今では信じられないのですが、私の理想の社長像が、いわゆるスーパーマンのような、完全無欠な存在だったからです。もちろん、目指すべきはスーパーマンではないし、なれるわけでもないと悟った結果が今の私です(笑)。ご自身に起きた様々な変化とは? 隙を見せたくなかった頃は、ついつい自分で動こうとしていました。それがいけなかった!何でも私から発信するようになると、皆が「待ち」の体制になり、自ら考えることをやめてしまうようになって…。これはまずいということで、仕事を手放すことに慣れようと、だんだん任せるように。正しい選択だったと思います。また、コロナ禍をきっかけにリモートワークを取り入れたことで、私自身、会議のスタイルや会議のあり方に対する考え方が随分変わりま した。とある社内会議で、自宅からリモートで参加していた社員の一人が「子どもが泣き止まなくて」とお子さんを抱えたまま画面に登場したことがありました。この時、うれしいなあと思いました。なんとか参加しようとする姿勢に対するうれしさです。以前ならば、こういう対応は前提として「な2020年10月に、ミッション・ビジョン・クレドをまとめた冊子、STORY BOOKが誕生。メンバー全員に、一人ひとりの名前が印刷された冊子を配布(※画像は見本のため無記名)。2冊目となる2021年10月版には、ブランディング要素や実践エピソードもプラス。詳細は、こちらをご覧ください。https://fujiplus.jp/company/branding.html4Idea4U vol.602022 Winter3. 自分と向き合う瞬間 〜こだわりと原動力〜

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