idea4u_vol56
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参考用語解説:覚えておくと便利なキーワード資料4ダイバーシティ[diversity]直訳的には、多様性と訳される。相異なる要素を有する、もしくはそれから構成される状態、のこと。つまり、性別や年齢、職歴、人種、国籍、障がいの有無、働き方、ライフスタイルなど、あらゆる属性の方々が互いに認め合い共存している状態を示す言葉。最近特に注目の「多様性」のカテゴリー資料3セクシャルマイノリティの頭文字をとって、このように称される。企業の就活における配慮や、福利厚生制度等での対応も次第に増えている。また、最近では、企業によるマーケティングの一環として行うような選択式アンケートの質問項目にも変化がみられる。性別を問う欄で男性、女性の2択ではなく、「その他」としたり、「答えない」等の選択肢を設定するケースも。その企業の多様性に対するリテラシーのレベルを計る指標のひとつにもなっている。アンコンシャス・バイアス[unconscious bias]自分でも気付いてすらいないような、無意識の思い込み、属性による先入観等を指す言葉。誤った価値観に基づく判断が、社会や組織にネガティブな影響を与えることが危惧されている。LGBTQるつもり?」と反感を買うだけ。メッセージによっては、「炎上」しやすいCMの代表格です。(※資料1参照)CASE2「国籍」「人種」「文化的背景」の場合 日本社会は、まだまだ国際的な感覚が浸透しているとは言い難く、道半ばの状態なので、悪意はなくとも、問題に気付けないパターンもあります。個人レベルならば「デリカシーのない人」という評価になっておしまいなのですが、企業レベルだと信頼を失うことにもなり得る大問題です。さて、次のような例はいかがでしょう。 この場合、「問題なし」から「問題になる可能性あり」までのグラデーション です。表現が難しいのですが、対象属性の人々へのリスペクトがあるかどうかが鍵に。ふざけた調子が透けて見える場合は言語道断。対象属性の方たちが「私たちのことをからかってるのか?」と感じたらアウトです。ただ、例えばプロモーションに絡め、文化を尊重した肯定的なトーンで描いている場合は別の話。アプローチの仕方で全く違った判断となります。(※資料2参照)「常識」変容の本質的意味を正しく理解する 企業の広報やマーケティング等、広く情報発信する立場だったり、自社サイトやSNSのコンテンツを作る立場の方は、ちょっとしたことでブランドイメージが傷つく可能性も理解しておきましょう。「視野が狭くなってない?」「これで傷付く人はない?」「悲しい気持ちにならない?」「不快に感じない?」等、多角的な検証が大切です。多様性の時代、違いを認め互いに受け入れるのが常識で、特定の属性を排除するような発想はご法度です。 その際、いろんな視点を持つ多様な人材が揃っていると有利ですね。A さんはOK、BさんはOKだと感じたが、Cさんが問題ありと指摘した、となれば、一旦立ち止まれます。ただし、同じような属性だったり、前例踏襲を良しとするメンバーの発言権が強い場合は要注意。他の視点からの意見を求めて反応を確認するなど、客観的判断を組み入れます。自分の周り半径1メートル以内で、地道に確実に考え方を変えるだけで、最終的には大きな進化を遂げることになるはずです。かつては、企業が発信する情報にモヤモヤしつつも心にしまい込んでいた生活者も、今や、自ら発信し広く社会に問題提起できるようになった時代。企業の姿勢にも変革が求められるようになったことは真摯に受け止めたいですね。[終わりに] かつての常識としての「当たり前」に接していた年月が長いほど、考え方の切り替えも大変でしょう。ただし、グローバル規模で企業活動のあり方も変容し、価値観の大幅なシフトの中で、「世界の中の日本」を意識せざるを得ません。新発想によるビジネス・プラットフォームを構築したり、多様な文化的背景をもつチームから世界に通用するビジネスの仕組みが生まれたり、画期的なイノベーションが目の前で起こっているのも事実です。冷静に目を凝らして冷静に見渡せば、すでに動き始め、進化し続けていると気付くでしょう。何も過去を全て捨てて新たに建て直そうということではなく、日本が持つ良い部分を、これまでの枠を外して、多様性を背景にした柔軟な発想でリノベーションする感覚だと考えています。正しく理解しておけば恐れることもありません。多様性の正しい理解が、新たなビジネス機会をつかむきっかけとなるという考え方が大切だというお話でした。(株式会社フジプラス)まとめ■ 多様性の定義を正しく理解すれば、トラブルを未然に防ぐだけでなくチャンスも広がる。■ アンコンシャス・バイアスの自覚と克服が、多様性への誤解を解く鍵となる。■ 「知らなかった」では済まされない!信頼を失うことが一番のリスクだと理解しておく。Q 企業のプロモーションサイトで、おしゃれに演出するためのイラストとして、外国人の外見的・身体的特徴を誇張して描いたイラストを使う。 (※架空の事例です)9Idea4U vol.562021 March

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