idea4u_vol56
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具体的にイメージできるように、イメージできる最低限の属性を示したものです。この4つのパターンを基準にして、例えば、実際のビジネスに落とし込む際は、さらに独自の条件を反映させたペルソナを想定した上で、シナリオづくりを進めていくことになります。 4つのペルソナ 居住スタイル別利用者像資料Aシンプルに賢く! 快適暮らし追求派1和子さん 70歳/専業主婦(リタイア夫と2人暮らし)ついでが魅力の ちょい買いスタイル3幸子さん 65歳/アルバイト(週3程度)ご近所食料品店+α機能で最大活用派2恵子さん 67歳/専業主婦(息子家族)イメージ冷蔵庫代わりの 男の気ままごはん派4正さん 72歳/無職(妻と死別・週2でボランティア)「コンビニ=若者が行くところ」ではない!  コンビニと言えば、どこにでもあって当たり前の存在です。かつては、販売スタッフもお客さんも若い世代、というイメージでしたが、大きく様変わりしました。販売スタッフは、年齢層の広がりや、エリアによっては外国人学生アルバイトの方が増えるなど変化も顕著です。コンビニスタッフ募集のサイトを見て気付くのは、「シニアも活躍中」といったコピー。こんなところから変化しているのです。お客さんも、あらゆる世代に広がりました。扱う商品バリエーションや提供サービスの多様化により行く目的も広った結果、シニア層も増えた、という印象です。内閣府のよる「都市圏と地方圏別にみた高齢者の購入形態別消費シェア」(※)の調査結果にもあるように、特に都市圏でコンビニ利用が宅配と共に多くなっており、日常の買い物先として定着しています。一部ファーストフード店の例のように、シニア年代の販売スタッフがいると安心感がある、入りにくさを解消する、という相乗効果も見込めるかもしれません。(※)https://www5.cao.go.jp/keizai3/2015/1228nk/pdf/n15_1_2.pdf劇的変化!コンビニの役割のさらなる多様化 以前に比べ、利用者目線で見た時に「コンビニでできること」が拡大し、求められる役割も少しずつ変化してきました。これは、行動範囲が狭くなっていくシニア層には特に注目のポイントです。これまで通り、近所にあるとうれしい便利ショップなのは大前提ですが、イートインスペースがあるコンビニができてから、淹れたてコーヒー(時にはスイーツと共に)を買ってカフェ代わりに使う方が増えたのも大きな変化。また、ミニスーパー感覚でお弁当や総菜を買い求めたり、イベントチケット発行のために行く方もいらっしゃいます。また、銀行ATMや、公共料金や税金の支払いはご存知の通りですが、住民票発行や、食事の宅配、ECサイトの受け取りサービスに至るまで、生活関連サービスの扱いも拡大中です。また、2011年の東日本大震災での経験から、コンビニが果たすべき役割について、地域の災害時対策的な見方も広がりました。都市部と地方で事情の違いはあるにせよ、徒歩圏内のお店の有無がシニア層の生命線、というのは決して大げさな話ではなさそうです。一部の「買い物難民」を防いでいるという役割 最近、「買い物難民」という表現を耳にします。買い物に行くのに何らか困難がある方々を、メタファー的に表現していますが、高齢化に伴う社会現象の中でもかなり深刻です。例えば足腰が弱って自由に動けなくなると、「買い物がこんなにも大変なのか…」と実感することになります。だからこそ、「近所なら歩いて行けるし、コンビニが便利」となるわけですね。ある地方都市でのこと。商業施設が集中する駅前から離れた住宅街のコンビニに、70代後半ぐらいの女性が、小さめの買い物カートを引いて来店。選んだのは、お惣菜や小分けパックの野菜、お豆腐等。その近辺にスーパーは見当たらなかったので、彼女にとっては日々の買い物の場なのでしょう。危うく「買い物難民」になるところを、コンビニに救われているのかもしれません。外出がままならない方には宅配サービスという選択肢もありますが、自ら買い物に行くこSILVER LAB「アクティブシニア」ホントのところvol.12 シニア×コンビニ4Idea4U vol.562021 March

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