idea4u_vol56
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幼い頃の記憶と子育て視点が融合したどり着いたパーソナライズ絵本 起業に向け、アイデアを考え続けていたわけではなく、「子どもの頃から絵本が大好きで、自分が主人公になる妄想ば かり。RPGゲームの中で、自分の名前を入力して主人公を疑似体験する感覚を、絵本でも体現できたらいいなと思っていました」とのこと。幼い頃はだれしも、現実と空想の世界の線引きさえ曖昧で想像力も豊かです。空想の世界で養われた感性は一生モノ。絵本を通じ「主人公になれる」という意識付けは大切だと感じたそうです。「2019年に息子が生まれ、夫と何か新しくビジネスを始めたいと思っていました。当時、別のビジネスをしながら、子育てを通じ、子ども向けコンテンツとしてパーソナライズ絵本を知り、これだ!と」。世界のパーソナライズ絵本市場に比べ、日本は大きく出遅れていました。「私がコンテンツを考え、夫はビジネスサイドを仕切り、開発チームもいてくれるからできるはず!」と試行錯誤からスタート。「親子のコミュニケーションとして大切な読み聞かせをするのは、ほんの数年間。子どもたちに主人公になってもらうためだけでなく、心と成長の糧になり、大人にも感動してもらえる絵本を目指しました」。こうして、コズロブ ふくみCEO(以下ふくみCEO)をプロダクト・マーケティング責任者、夫のイゴール氏をビジネス責任者、さらにベラルーシ在住の技術責任者というチーム編成で進んでいくこととなりました。「絵本の前のテストプロジェクトから学んだこともたくさんあります。SEO対策で記事を書いたり、ECショップを作ったり。1からの立ち上げは大変ですが、大事なのは、周りの環境や強みを活かしてインスピレーションで動くことだと学びました」という、イゴール氏の言葉が印象的でした。「感動体験」という視点からパーソナライズ絵本の魅力に迫る 「一般の絵本でも、第三者的に想像を膨らませながら楽しむには良いのですが、子どもたちが自ら主人公になって絵本の中に入リ込む体験ができるのはパーソナライズ絵本だけ」というご指摘に納得。海外でのパーソナライズ絵本と子どもへの影響に関する調査によると、自分の名前が絵本に出てくるとより絵本の内容に集中でき、言語習得にも効果があるそうです。 物語の中で冒険し挑戦することで、自己肯定力が高まる面も。「子どもたちには、だれもがこの世界の主人公になれると信じてほしい、というのがこのビジネスを選んだ原点です」と語るふくみCEO。ただし、その魅力や価値を、正しく伝える上での課題もあって、いわゆる「名入れ」絵本のような、名前の可変技術を使っただけのものと混同されない説明が必要です。読み手が、ストーリーも含め、自分のためだけに作られたのでは?と感じさせるよう な…。BUKIブランドのパーソナライズ絵本は、デジタル印刷の技術的特長を存分に活用し「感動体験」を生み出した新しさがあるのです。アイデアと技術が出会って、うまく結びついた事例とも言えます。子どもたちの「感動体験」のために、大人が用意した魔法のような仕掛け、と表現するのがふさわしいかもしません。 別視点から見て、注目すべきはオーダー方法のわかりやすさ。どんなに魅力的な商品でも、カスタマイズの手順が複雑だと、断念する方も出てきます。オーダーするのは、両親や親族、その周辺の大人が中心ですが、「ウェブ上で、登録なしで必要な情報を入力できる手軽さにこだわりました。内容をすぐにプレビューして確認できたり、自動化されていることがポイントです。簡単に注文できて、しかもすぐに届くというのは、サービスとして欠かデジタル印刷が空想と夢への懸け橋に!世界で1冊だけのパーソナライズ絵本「感動体験」を仕掛ける 絵本DX 絵本に夢中になり空想の世界で遊んでいた幼い頃の記憶が、ふとした瞬間によみがえってくることがありますよね。そうしたワクワクする絵本に出てくる主人公が、自分だったら?子どもたち一人ひとりが物語の主人公になれる、オーダーメイド絵本をお届けするSTUDIO BUKI株式会社。これまでの、いわゆる名前が入る絵本からさらに進化し、テクノロジーの魔法をまとった特別な絵本はどのようにして誕生したのか、代表取締役(CEO) コズロブ ふくみ氏 さらに、公私ともにパートナーでもあるイゴール氏にお話を伺いました。環境子どもたちの未来を考える=地球にやさしく・ 読まれない本は作らない 完全オーダーメイド。・ 再生紙を含む紙、森を守る活動の 基準に沿って作られた紙を使用。・ 防水用の包材には、植物由来のバイオマス成分を含むプラスチックを使用。楽しさ子どもたちの笑顔のため=ワクワクがいっぱい・世界に一冊だけの、特別な絵本。・だれもが物語の主人公になれる。・ クマさん型パッケージ段ボールで お届け。届いてからは、塗り絵として遊べる。子どもたちのためにできること資料12Idea4U vol.562021 March

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