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BIツールにおける仕組みプロセス例図データ営業支援システム(SFA)顧客管理システム(CRM)マーケティングオートメーション(MA)基幹システム(ERP)BIツール(可視化)ダッシュボード多次元分析データマイニングシミュレーション分析・判断意思決定アクション課題発見■BIツールでできること 近年「データドリブン」というキーワードをよく耳にしますが、経営や営業、マーケティング等の判断において常にデータに基づいて素早く、確実に判断することが求められるようになりました。また、ありとあらゆるデータが存在することになり、その判断も複雑・困難を極めつつあります。そんな中、改めてBIの存在が見直されております。 BIとは「ビジネス・インテリジェンス」の略で、企業に蓄積された大量のデータを収集し、それを分析・加工し、可視化することで迅速な意思決定を支援するためのツールです。従来のExcelファイルやオンプレミスでの基幹システムのデータだけでなく、近年はクラウドで提供されるシステムの活用により、データが分散しているケースが増えております。例えば、営業であれば営業支援システム(SFA)、顧客リストは顧客管理システム(CRM)、マーケティングであればマーケティング・オートメーション(MA)、売上は基幹システム(ERP)など、それぞれが個別のデータベースになっております。これらを繋いで分析・加工することで、分散してこれまで見えにくかったものが可視化され、本来すべき判断がしやすくなります(図)。 BIツールを使うメリットとしては、分析に必要なレポート作成が短時間でできることや、リアルタイムなデータをすぐに取り込んで分析できることです。勿論、分散しているデータを1か所に集めて分析・加工できたりもします。データを連携したり統合したりして取り扱うには、元々はシステム部門やデータ分析などを専門にしている人の力を借りなければ困難でした。しかし、BIツールは元となるデータの取り込み(収集)さえできていればさらにハードルが下がり、経営幹部や現場の社員であっても使うことができるようになります。 BIツールを使うことで、事業の状況を素早く分析できるようになります。レポート作成に時間をかけるのではなく、データが表す意味を読み解いて次の施策実行に時間を費やすことができます。■ Excelから置き換わる BIツールの使い方 例えば、営業などで使われる報告書は、Excelを使って集計資料を作られることが多いと思います。確かにExcelは編集も自由にでき、データ入力や計算もしやすく使いやすいのですが、集計をすることが仕事になっているような気もします。そういった集計業務をBIツールで自動化し、業務を効率化することができます。 BIツールは、以下のような使い方ができます。① ダッシュボード機能による データの可視化 ダッシュボードとは、さまざまなデータをグラフィカルにまとめ、一目で分かりやすくボード上で表現できる機能をいいます。自動車であれば、走行速度やエンジンの回転数、ガソリン残量など、車が走行するために必要なデータが並んで表示されますが、それと同じ役割です。重要指標である値を大きく表示したり、一覧表やグラフで表示するだけでなく、データをクリックすることでさらにドリルダウン(深掘り)して詳細データを表示させることも可能です。②多次元分析機能(OLAP分析) OLAPとは、Online analytical processing の略で、オンライン分析処理と訳されます。具体的にはBIツールにあらゆるデータを集約した後、いつでもアクセスできるようにしておきます。そうすることで、マウスのドラッグ&ドロップで簡単にデータを選んだり、クロスさせたりして分析できるようになります。ツールにもよりますが、ドリルダウン、スライシング、ドリルスルー、ETL(Extract/変化を察知し議論~施策実行を加速させるデータの可視化から分析・判断を素早くするためのBIツールについて10Idea4U vol.562021 March

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