idea4u_vol54
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事施策で階層別研修を勧めるだけ・・・。価値観の多様化が進み「VUCA」(※注2)と言われる予測不可能な時代には、OJTも限界です。1つはリモートワークによる環境の限界、もう1つは過去のやり方の限界です。「予測不可能な時代だから、従業員が自律的に考え動かなければ、変化に対応できないと思ったのがEVP事業着手のきっかけです」と語る田中氏。EVPが目指すのは、自律創造性を高めていくこと。生き生きと仕事をしてもらった結果、会社が持続的に成長する状態です。JTBグループが3~4年前から準備していた中で、自律的に動ける人財育成の仕組みが全くできてない実情に着目し、新たに開発されたのが「appi(フラッピ)」でした。多様化の流れの中から生まれた仕組みで自己実現へと導くツールとは? こうして生まれたflappiは、従業員一人ひとりのサーベイ分析機能~コンサルティング機能~施策提供機能といった一連のループとして提供し、個々の多様な価値観に応じた個別支援策と、従業員の多様性、自立性を生かす組織施策を推奨することで人と組織を持続的成長に導くサービスです。サーベイにより、従業員のコンディションを可視化。自己評価に上司や部下からの他己評価も加わり、高い業績・成果につながる行動特性がグラフや表で細かく数値化されます。各社、ストレス調査を実施しながらもフィードバックなしが実情でしょう。flappiは、個人別診断に基づく対応策がウェブ上でリコメンドされ、次のステップにつながるため、1on1の面談時に使うツールとして活用してもらうのも狙いの1つ。上司が結果を見ながら、セミナー受講を勧めたり、 対話を通じた気付きから本人が「My will」(自身がやりたいこと)を記入する流れです。最終的に目指すのは自律創造性なので、各々自分が何をしたいか発見するための仕組みとして、記録が残ること、リモートでもできることは大きなメリットでしょう。目下、様々なHRツールがある中で、flappiの差別化ポイントは 2つ。1つは、会社のためのデータ化ではなく、あくまで従業員本人が自律性をはぐくむためのデータだという点です。もう1つは、ソリューション提案。具体的な解決策まで示して実行し、上司と対話しながら変化を記録する流れを繰り返すループによって、成長を実感できるということです。 その結果、EVPが向上し、企業が持続的に成長していくのだと考えています。働き方の未来の姿を見据えてこれから欠かせない視点とは?  世の中が変化する中で、企業の人財確保が大きな課題となっています。「JTBグループには、交流創造事業として、旅行、運動会、イベント、セミナー等、人に着目した提案を続けてきた強みがあり ます。私たちが提供するのは、結果的に企業の成長に結びつくサービスですが、起点はあくまでも働く人なのです」と田 中氏。従業員のコンディションを含め、データから導かれた事実を活用し、その方自身が輝くための施策をリコメンドし、課題解決のループを回してこそ。頻繁にDXが引き合いに出される昨今ですが、DXは 手段にすぎず、データを何にどう活用するかが肝心です。個人だけでなく、企業、 組織として傾向分析する意味も大きく、例えば「理念・ビジョンが浸透してない」と判断されると、解決策の1つに「社歌を作る」という提案も。今まで「点」、つまりサービス単体で提案していたのを、例えば「健康になるプログラム作りませんか?」という「面」にして、この課題に対しこの打ち手を組み合わせる形で解決する、という「デザイン」を施します。「デザイン」は、 1,000社あれば1,000通り。いきなりモノを売る発想でなく、お客さんの課題に真摯に向き合うこと。人口構造も含めた社会の変化や働き方の多様化に対し、ビジネスもさらに柔軟な対応力が求められるはず です。今回語っていただいた言葉の数々から、不確実性の時代だからこそ、人、そして企業に寄り添い続けることの価値がいっそう拡大していくのだと実感しました。(株式会社フジプラス) 1株式会社JTBベネフィット 取締役 執行役員 田中宏和氏/JTBオリジナルキャラクター じぇいとん 2flappiコンテンツ例1/マイレポートサマリー 3flappiコンテンツ例2/自立創造性のためのおすすめコンテンツ123flappiについての詳細はこちらから。https://jtb-hrsolution.jp/lp_flappi株式会社JTBベネフィットについての詳細は、こちらでご覧いただけます。  https://company.jtb-benefit.co.jp/まとめ■ 福利厚生にとどまらず、EVP視点で「働 く人」と会社とのあり方を考えることの大切さに注目。■ 仕組みを通じてキャリアプランを描き、 発見できた目標を実現する手段としてflappiがある。■ 自立創造性の人財育成サポートとし て、課題解決のループをまわす仕組 みを提供。 [※注2]VUCAとは、「V(Volatility:変動性)」「U(Uncertainty:不確実性)」「C(Complexity:複雑性)」「A(Ambiguity:曖昧性)」の4つの単語の頭文字をとったもので、「予測不能な状態」を意味する言葉です。3Idea4U vol.542020 November

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