ペルソナ②ペルソナ①BtoCの場合のペルソナ・サンプル[※名前を付けるとよりリアル]資料2イメージ・夫と家事分担をしながらも、負担の多さは深刻。・お肌ケアはシンプルかつ手軽であるほど良い。・自分自身の夢の実現もあるので仕事は大事。・時間の使い方を工夫するのが得意になった。想定されること・仕事で任されることが増え、ストレスも多少。・未来への投資の中でも、お肌は最優先。・実家暮らしなので、自由になるお金も多め。・プライベートの時間は、絶対犠牲にしない。想定されること37歳・既婚/子あり(5才・9才)会社員(フルタイム) 麻衣さん基本情報28歳/実家暮らしの独身女性会社員 美咲さん基本情報対象:コスメシリーズの想定対象:コスメシリーズの想定と、生活イメージが思い描けず、後の具体的なステップに進めなくなる事態に陥ってしまうように。3.シナリオ設計には、「仕組み」が欠かせない! 続いて、設定したペルソナに向けた 具体的なシナリオ設計ですが、まずや るべきことは、対象のペルソナにどん な行動をとってほしいかの絞り込み。どんな状態を「成果とみなすか着地点を明確にしてから、ペルソナを導く「仕組みを作っていきます。着地点へと向かう行動のためのフックを意識して、「どんな課題を解決したくて、その商品に関心を持つのかという視点が大切 です。また、購買意欲にストップをかけそうな要因への対策も欠かせません。先回りして解決するコンテンツを作成して納得感に導く、「仕組み」で購買意欲を高める方法です。解決したい課題(悩み)が違えば、「効く」コピーもデザインも違うのは当たり前なので、極論を言えばひとり一人にふさわしいツールが必要ということに。もちろん、コスト面等の条件もあるため、実際には個別化された販促ツールは一部に限られ ます。いずれにしても、対象のペルソナにとってわかりやすく、かつ魅力的なストーリーのバックには、「良いシナリオ」があるのは紛れもない事実です。 ここで、店頭POPや什器のリニューアルで売り上げアップを目指すコスメシリーズという想定で、事前調査により次の基本情報に当てはまる2種類のペルソナに絞ったとします(※上記資料2参照)。①「20代後半・実家暮らしの独身女性・会社員」、②「30代後半・既婚/子あり(5才・9才)・会社員(フルタイム)」。同じ商品を必要とする女性でも、属性やライフスタイルにより動機も違います。①は、鏡に映る自分の疲れた顔を目にし、会社帰りにコスメのセレクトショップでじっくり比較して購入し、寝る前にケアする姿が浮かびます。 ②は、働くママとして日々忙しいためケアがおろそかになり、仕事帰りに駅ナカショップでサッと買って帰り、隙間時間に時短ケアのイメージです。この時点で、①と②の訴求ポイントの違いは明白です。さて、ここで何に注目しますか?シナリオ設計とは、対象のペルソナに対し購入への道筋を作ることなので、店舗形態や所在地によって異なるペルソナを想定した「メインのペルソナ別展開」も、ひとつの考え方です。①の心を動かすコピーは?目につきやすい什器デザインは?②は時間切れで店頭で決心できない場合を想定すると、什器やPOPにQRコードを載せ、スマホで読み取るECサイトへの誘導案もありで しょう。ペルソナが具体的に見えていて、「購入」という着地点が明確であれば、ペルソナの行動をイメージしながら、「こうすればいいかも」発想を繰り返すことで、こんなふうにアイデアを広げていくことができるわけです。[終わりに]課題解決のためには検証と継続が肝心 設定したペルソナに向け、「これは絶対いける」と見込んだ企画でも、期待通りの結果につながらないことも。リサーチや調査データに基づく詳細な分析を経てもあり得る話です。ご存知かと思いますが、消費行動は理不尽な もの。商品選択のメカニズムは数値化しにくく、予測に反する気まぐれ行動も少なくありません。きつねうどんを食べようとうどん屋さんに入ったのに、匂いにつられてカレーうどんにした、というような経験はありませんか?それでも、シナリオは重要です。正しく分析し、結果を精査し、把握できた事実を次に生かすことで精度が上がるのも事実。大切なのは、続けることなのです。人は、日々様々な情報に囲まれて生きてい ます。また、生活・行動様式にも影響するような自然災害や感染症等、決して喜ばしくはない出来事も増える中、消費行動は複雑化の一途。そんな中、タイミング良く、必要な人に正しい情報発信できる価値はむしろ上がっていき ます。常に「常識」をアップデートしながら、だれのどんな課題を解決するための情報発信なのか、を考えること。それが唯一、シナリオの「正解へと近づく方法だと思っています。(株式会社フジプラス)まとめ 【ご注意】コミュニケーション・プランニングとは、フジプラスが独自に用いている造語であって、一般に認識された用語ではありません。対話を通じて様々な要素を引き出しながら企画提案を行い、お客様の課題解決をしていく手法を、こう名付けました。■まずはリサーチやヒアリングから得た情報をもとに、丁寧にペルソナを設定することから。■ペルソナをシナリオ通りの行動に誘導するには、わかりやすく魅力的な仕掛けが不可欠。■これからは、本当に必要な情報を、必要とする人に届ける価値がアップしていく時代。9Idea4U vol.522020 July
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