idea4u_vol47
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123564り、根本から整える発想が基本。肌を美しく整えることで自信が生まれ、お気に入りの洋服を着て出かけたくなる前向きな気持ちが大切なのです。大森の人々を見守り続けてきた梅、その花由来の梅花酵母が今や美しい生き方への指南役となっているのも、偶然ではないでしょう。「食」も「宿」もぬくもりとともに新しい暮らしを彩る「復古創新」の心 今回お話を伺った「Re:gendo」は、東京・西荻窪にあり、昭和の風情と木のぬくもりが伝わる、やすらぎのスペースです。そこかしこに丁寧な仕事が施された証を感じる、やさしい空気が流れています。石田氏によると、「ここは大森の町を感じる入り口としての役割もある」とのこと。五感で実感してもらうことで、理想の暮らしのイメージの理解につながると考えているそうです。 細部にまでこだわったリノベ―ションの意味はそこにあるのです。自然を感じるこだわりのインテリア、額縁に収まったオリジナル服地のはぎれアート、写真集を思わせる装丁のメニューブックの趣。原点を忘れまいという決意すら感じられます。平日は、ほぼ女性客が占める一方、土日はカップルも多く、年齢層も広いようです。時には、テラス席で勉強しながら過ごす学生たちも。 ここで大森町を疑似体験した方々が、次は現地を訪れてみたいと思う時、最終地点にあるのは「他郷阿部家」という宿。その名には、もう一つの心の故郷 になれますように、との願いが込められています。築230余年の武家屋敷を長年に渡って手入れして再生した、石見銀山生活文化研究所の集大成とも言えるでしょう。登美氏自ら理想の暮らしを追求した、日本の美しい暮らしに出会える1日3組限定の宿で、隅々にまで「復古創新」の精神が息づいています。「人」の生かし方で無限大に広がるライフスタイル提案の可能性 ライフスタイル提案という言葉は一般化していますが、キッチンやリビングの1シーンを切り取って「こういうテイストはいかが?」という訴求方法だと誤解されていることも多いようです。 「人は自然の中に生かされている、と素直に感じ取れるかどうかが大事。感謝を忘れず、自分の志をどう実現出来るかを感じられて初めて、ライフスタイル提案と言えます」と石田氏。公式サイトにあるメッセージ、「根のある暮らしから、心ある『衣・食・住・美』を求めて」が、まさにそれでしょう。スタッフの間では、常に「この町(大森町)を遊べ」という発想が軸になっているそうです。自ら楽しめてこそ、魅力を発信できるということですね。その一つが、広報誌『三浦編集室』。各店舗にも置かれていて、紙面上には人や町に関する情報コンテンツだけで販促は一切なし。 人材活用の考え方も独特。通常は、部署に人を当てはめますが、うちは「彼(彼女)の強みを最大限に活かすには、こういう仕事がいいんじゃないか。だったらこういう部門を作ろう!という考え方です」と石田氏。個々のポテンシャルをボーダーレス感覚でとらえることで、可能性を無限大に広げていくイメージですね。さらに、「個性的で魅力ある町に導かれた新卒社員、あるいは都会の大企業で数年働いて、ふと立ち止まった時に、縁あって入社となる転職組も多いんです」。こういったコメントの通り、個性豊かな若い世代が集い、会社の活性化につながり、大森町の魅力や企業価値を高めるという好循環が生まれています。幅広い人材が特色ある土地と結びつくことで、心に響くライフスタイル提案が可能になる、ということでしょう。島根県は、縁結びの神様ゆかりの地でもあり、こうして様々な人やものをある種の「縁」によって、未来への希望をも紡がれていくのかもしれません。(株式会社フジプラス)まとめ1株式会社石見銀山生活文化研究所開発事業本部 事業本部長 石田健一氏 2根のある暮らしを楽しむライフスタイル提案の本拠地 3大森の街道沿いにある「群言堂」石見銀山本店 4暮らす宿「他郷阿部家」のダイニングキッチン 5梅花酵母から生まれた『MeDu』ブランド 6広報誌『三浦編集室』Vol.1 表紙株式会社石見銀山生活文化研究所(群言堂)についての詳細は、こちらでご覧いただけます。  https://www.gungendo.co.jp/■ 世界遺産で知られる島根県・石見銀山ゆかりの地発信の、今注目のライフスタイルブランド。■ 自然を愛し人と人とのつながりを大切にする「根のある暮らし」を軸に、百貨店等で全国展開も。■ 昔からあるものをそのままに、でなく、手間を加えて価値を高める「復古創新」の精神を大切に。3Idea4U vol.472019 September

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