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■おしゃれな白衣 病院の医師が着る白衣は1着3000円ほどで、どのメーカーも同じようなデザインで、満足できない医師が多かった。気合いを入れて仕事に望んでも、ダサくて半日でヨレヨレになる白衣ではテンションが下がると。 このことに気付いた東京の会社員が、友人のイタリアンスーツの仕立て職人に声をかけて、スーツのような白衣を作った。 素材は一流ブランドのジャケットと同じものを使用。縫製はイタリアンスーツの技法でシャープなシルエットに仕立てた。もちろん抗菌や伸縮性など、作業服としての機能性にも気を遣った。 この白衣、1着2万円だが、医師たちに口コミで話題が広がり、生産が追いつかないほど注文が殺到。販売開始から9年で、オーダーは海外30か国からの注文も含めて月数千着になる。■左利きグッズの店 神奈川県相模原市の文具店は、地域の文房具卸として事業をしてきたが、「左利きグッズの店」としても知られている。 扱う商品は、文具だけでなく草刈り鎌、包丁、料理のお玉、フライ返し、急須など幅広い。始めは文房具だけの販売だったが、左利きのお客さんからの要望で料理グッズなども置くようになった。 ネットで販売を始めたところ、「他にどこも売っていなかった」と、島根県からファイルの大量注文が入り、山梨県や群馬県、海外からも買いに来る人がいるという。見落とされていたことに着眼した新ビジネス元々の力を活用して煉瓦メーカーから石窯メーカーへ 群馬県前橋市の煉瓦会社は創業 115年を超える老舗煉瓦メーカー。建設資材は鉄とコンクリートが主流で、外国産の安いレンガが入ってくる現在、この会社も経営は厳しく、廃業を考えていた。 その時、ピザ屋からピザ窯の製作を打診された。イタリアでは砂でドーム型を作り、その上にレンガを載せて固めてピザ窯が作られるので、煉瓦会社なら可能と考えたのだ。しかし、この工法では窯の内部に砂が残り、ピザの上に落ちてしまう。これでは商売に使えない。 そこでこの会社では、空洞のままレンガをドーム型に積み上げる技術を開発した。本場イタリアの職人も「これは真似できない」と驚くほどの技術だ。 ピザの他に、パンの窯も製作。250~300℃の熱で20~30分かけて焼くため熱を長くためられる構造を研究開発した。 さらに肉を焼く窯もつくった。レンガから出る遠赤外線により中までよく焼け、ふっくらとして、食材の柔らかさやうまみを残すことができる。 これらの高い温度を長時間、蓄熱できるレンガを使った窯は大好評で、年間200基ほどの石窯を製造し、全国各地のレストラン、ピザ店、さらに日本料理店からの注文が途切れることがない。韓国、台湾、ベトナム、ロシアでも人気となっている。 レンガを知り尽くした会社がその技術を生かして、石窯という新たな活路を開いた。8Idea4U vol.392018 Mayプロモーション集客・販促ヒント100選!!

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